北半球で史上最も暑かった夏が終わりました。

そしてこの夏、北極海の海氷は、70年代に観測を始めて以来、2番目に小さい面積を記録しました。

グリーンピースの活動船・アークティックサンライズ号はいま北極にいて、それを目の当たりにしています。

9月15日、北極海を航海中のアークティックサンライズ号

気候変動の影響を最も強く受けている北極

気候危機の影響で、北極海の海氷はこれまで以上に早く、そして広範囲に溶けてしまっています。北極海の海氷は長い間、人間による開発から北極海をまもってきました。

でももう、その氷が残り少なくなっています。北極海の海氷の量はすでに3分の2が失われており、過去数十年の間に海氷面積は一貫して減少を続けています。 海底資源採掘や漁業など、開発の手は北極海の生態系を脅かし始めています。

北極圏の海氷の融解は、人間への警告です。

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北極の海と氷と、そこで暮らすホッキョクグマやホッキョクギツネ、トナカイ、セイウチ、イッカク、ベルーガ(シロイルカ)といった希少な生きものたちは、たったいま、あらゆる人々の助けを必要としています。2030年までに世界の海の少なくとも30%を保護することを求めて、すでに300万人が声をあげていますが、もっと多くの人々がともに立ち上がり、各国の政府に声を届ける必要があります。

カナダ・バフィン湾の海氷の上のホッキョクグマ

崩壊の時代は始まっているのか

ケンブリッジ大学の海洋物理学者ピーター・ワダムス博士は、北極圏は2035年までに夏の海氷がなくなるかもしれないと発言しました。

各国政府には、すぐにでも行動してもらう必要があります。気候変動いままさに危機にあり、崩壊が始まりつつあるのです。

開発から北極を守るための海洋保護区が、どうしても必要なのです。

私たちは、地球のため、あらゆる生きものたちのため、そして私たち自身のために、この崩壊をくいとめなくてはなりません。

北極圏だけでなく、いま世界中を襲っている気候危機と環境破壊の影響をもっともうけているのは、途上国の貧しい人々や、辺境に住む先住民の人々です。私たちは彼らと手をとりあって、世界のリーダーたちに、地球をまもるための行動を求める人々の声を届けなくてはならないのです。

9月14日、北極海を航海中のアークティックサンライズ号

地球上のどこよりも早く温暖化が進んでいる北極圏のこの惨状は、明日私たちが生きる社会の崩壊の予告編です。

気候危機は北極の海氷を溶かすだけではなく、旱魃や食糧難や水不足や経験したことのない暴風雨や豪雪、未知の病原体の拡散や紛争など、あらゆる災厄のきっかけになり得るのです。しかもそれはもう始まりかけているのです。

アークティックサンライズ号から届いたこの警告は、私たちが、いま起こすべき行動を確実に示唆しています。

どうかグリーンピースといっしょに、声をあげてください。

ご家族やお友だちなど周りの方々に、共有してください。

私たち自身の未来のため、子どもたちが生きていく次の時代のために、私たちにはできること、やるべきことがたくさんあります。

いま、それを始められるかどうかに、明日の平和がかかっています。