『Countdown to Zero』(ゼロへのカウントダウン)は、世界有数の自動車会社による2015年以降のCO2排出実績を比較・分析したグリーンピースの報告書です。フォルクスワーゲン、トヨタ、ヒュンダイ・キア、ホンダの4社を取り上げ、各社の中国・EU・米国の3市場におけるパフォーマンスを調べ、各国のCO2排出基準を満たしているかどうかを評価しました。要点は以下の通りです。

<主なポイント>

  • EUは最も厳しいCO2排出基準を有しており、企業が基準を満たさない場合は、最も高額の罰金を課す。
  • 2016年〜2019年の間、上記の企業4社が排出基準に違反した事例の多くは、中国市場に集中していた。一方、これらの企業は、同期間にEUの基準は満たしていた。2017年〜2019年、トヨタをはじめ全メーカーの中国における平均CO2排出量は、EUのそれよりも大幅に高かった。
  • 2020年にEUのCO2排出基準が厳格化された結果、フォルクスワーゲンは基準を満たさなかったと推定される。
  • 2016年〜2020年の期間、全4社の中でヒュンダイ・キアは最も多くの基準違反を行った。2017年〜2019年に米国の基準を満たさず、中国の基準は2018年以降満たしていない。同様にフォルクスワーゲンも2017年〜2019年に米国の基準を満たさず、中国の基準を2019年以降満たしていない。
  • トヨタの中国合弁会社の天津一汽トヨタ自動車(TFTM)を除き、ほぼ全てのメーカーは2016年に中国の基準を満たしていたが、2020年の時点では同社以外、全てのメーカーが基準に達していなかった。つまり、メーカーの燃費向上が、中国で厳しくなる排出基準の厳格化に追いついていないことを意味する。
  • 2017年から2019年の期間、各メーカーが行った排出削減の中で、中国ではフォルクスワーゲンの合弁会社が、米国ではヒュンダイが最も低い改善率だった。
  • 基準の厳格化は自動車メーカーの炭素排出量に大きな影響を与える。2019年にEUがより進歩的な基準を導入してから、排出量が大幅に減少した。

※ 調査の詳細は下記の資料をご参照ください。

報告書『Countdown to Zero』(英語版)

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