anti-nuclearbomb demonstation

こんにちは。核/エネルギー担当の鈴木かずえです。

原子爆弾6000発分のプルトニウム持つ日本

今日から5月22日まで、ニューヨークでNPT(核不拡散条約)再検討会議が開かれます。

NPTは核兵器を開発すること、つくること、持つことを規制して、核兵器保有国を増やさないことを目的とした国際条約です。

日本も1976年に批准、今では世界の190か国が参加しています。

NPTのもと、核兵器の材料の製造や移動(輸出入)、量が監視されています。

核兵器の材料とは、プルトニウムのこと。

日本はそのプルトニウムを約47トン、持っています。

なんと原子爆弾6000発分*。なぜ、そんなに?

それは原発の核燃料を使い終わった後、そこからプルトニウムをわざわざ取り出しているから。

そして、それを核燃料に混ぜて、原発で使おうとしています(MOX燃料/プルサーマル燃料)。

Plutonium demonstration

プルトニウム入り燃料の危険性

今日は、その危険性について、少しお話しさせてください。
 
裁判所からの再稼働差し止め命令で動かせなくなった関西電力高浜原発にも使われる予定でした。

そのほかに、九州電力玄海原発、四国電力伊方原発でも使用予定があります。
 
今、日本にある原発の原子炉は、ウラン燃料用の原子炉ですが、そこでプルトニウム入り燃料を燃やすと、いろいろなリスクが生まれます。
 

1 原発のブレーキが効きにくくなる

  大きな地震などが起きると、原発は自動に止まるようになっていますね。運転中にブレーキをかけるわけですが、プルトニウム入りの燃料では、そのブレーキが効きにくくなります。温度も上がりやすくなり、メルトダウンの危険性が高まります。

 
2 より毒性の高い放射能がたまる

  プルトニウム入りの燃料では、ウラン燃料より、より毒性の高い放射能がたまっていきます。そのため、放射能漏れ事故が起きたとき、被害が拡大しやすくなります。

 
3 使用済み核燃料の行き場がない
  事故が起きずに使い終わっても、使用済み核燃料の持って行き場がありません。ながーく原発の敷地内に置かれることになります。使用済み核燃料の保管中も過酷事故が起こり得ることは東京電力の福島原発事故が教えてくれました。

 

radioactive waste in black bags

 

再稼働をとめて、プルトニウムを減らそう

なぜ、このような危険な燃料を使おうとしているのかというと、日本は世界にプルトニウムを必要以上に持ちませんよ、と約束していて、なんとか減らさなければいけないから。
 
でも再稼働して、また使用済み核燃料からプルトニウムを取り出せば、ますます増えます。
 
減らしたいのか、増やしたいのか、プルトニウムと再稼働の関係、頭がごちゃごちゃしてきました…。

はっきりしてるのは、再稼働しなければ、プルトニウムを取り出すはずの使用済み核燃料も増えない、ということ。

プルトニウムや、使用済み核燃料を減らしたい方は、ぜひ、「とめよう再稼働」オンライン署名にご参加ください。

 

*IAEA(国際原子力機関)の計算方法の場合

【関連サイト・資料】プルトニウムの問題、もっと詳しく知りたい方は…

ガッテン「再処理」市民ハンドブック(グリーンアクション)

日本へのプルトニウム輸送(年・量など)まとめ<PDF>

 

核情報(核問題に関連した情報を正確に分かりやすく、情報源へのリンクを含め掲載しているサイトです。)

 

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