国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は本日、日本政府が新型コロナウイルス蔓延に伴い緊急事態を宣言したことを受けて、以下の声明を発表しました。

グリーンピース・ジャパン事務局長、サム・アネスリー

「新型コロナウイルス感染症により、お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げます。また、いま療養中の皆さまの一日も早いご回復をお祈りします。

世界は、経済、人、自然の関係を再考する重要な岐路に立っています。政府はまず、人々の生命と暮らしを守ることを最優先にしつつも、コロナウイルス感染症の拡大を、気候危機への取り組みの優先順位を下げる言い訳にすべきではありません。 コロナウイルス感染症は一刻も早く解決すべき緊急事態ですが、その一方で、気候危機により、地球上のすべての生命の存在は脅かされ続けています。

公衆衛生と私たちの環境は密接に関連しています。前例のない世界的な不況が見込まれている中、政府の対策は、持続可能な経済と社会への移行を進めつつも、気候危機を悪化させないことが求められます。多くの専門家が指摘しているように、気候危機は未知のウイルスの発生や蔓延のリスクを高めます。

政府は、私たちの喫緊の健康を守り、医療崩壊を防ぎつつ、気候危機と環境破壊に対処する経済刺激策を策定する必要があります。気候危機、自然災害、気候関連の疾病を進行させる化石燃料産業への経済的な支援をやめなければなりません。経済の「グリーン改革」は、雇用を創出し経済を安定させ、次世代の暮らしをより良いものにするでしょう。グリーンピースは、4月3日、緊急経済対策が、中長期的な公衆衛生のリスク抑制と持続可能な社会・経済への投資となるよう提言書を政府に提出しました(注)

日本の人々には、苦難からも再び立ち上がる力強さがあります。私たちは、これまでも助け合いながら、自然災害をふくむ多くの苦難からの復興を果たしてきました。日本はより持続可能な経済と社会に向かいながら、このコロナウイルス危機を収束させることができると確信しています」

(注)新型コロナをめぐる緊急経済対策に関するグリーンピース提言(2020年4月3日)
<参考>グリーンピース感染防止マニュアル

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