台湾のスターバックス、一部を除く全店舗で利用することができるリユースカップ。

台湾のスターバックス コーヒーから大きなニュースです! 7月から一部店舗を除いた500以上の全店舗で、返却式リユースカップの仕組みの導入が開始。衛生的にも安心して、気軽にリユースカップをレンタル、返却できるようになりました。

台湾のスターバックスが一部除く全店でリユースカップシステムをスタート!

2023年7月1日より、台湾のスターバックスの一部店舗を除いた全店で、返却式リユースカップの仕組みの導入が始まりました*。大きく素晴らしい前進です!

台湾高雄市のスターバックス コーヒー店舗。
台湾高雄市のスターバックス コーヒー店舗。

台湾では、2022年12月に台北市と桃園市の60店舗でリユースカップシステムの導入を始めていました。この7月からこのシステムを500以上の全店舗にひろげ、さらにドリンクを購入した店舗以外でもカップ返却機を利用して、より便利にカップのレンタルと返却ができるようになっています。

システムはデポジット制。50元(約230円)のデポジットを支払ってリユースカップをレンタルし、プログラムに参加している店舗で返却すればデポジット料金が戻ってくる、という仕組みです。スターバックスアプリを使うことで、簡単に利用できるようになっているそう。

台湾のスターバックス、一部を除く全店舗で利用することができるリユースカップ。
台湾のスターバックス、一部を除く全店舗で利用することができるリユースカップ。

カップは、政府の基準に基づいて洗浄および滅菌され、定期的に第三者機関での洗浄と検査が行われるとのことで、衛生面も安心して利用することができます。

また、6月1日から「OPEN iECO」リユースカップサービスを始めていたセブン-イレブンの店舗でも、同様にスターバックスでレンタルしたカップの返却ができるようになることが発表されています。カップを返却できる場所が増えると便利ですね。台湾のスターバックス コーヒーは、消費者に向けて、「リユースカップを使って、使い捨てカップを減らしていこう」と呼びかけています。

各国のスターバックスではこんな動きが

世界のスターバックスの動きを見てみましょう。

韓国釜山のスターバックス コーヒー店舗のカウンター。
韓国釜山のスターバックス コーヒー店舗のカウンター。

韓国では、2021年に2025年までの使い捨てカップ脱却が発表されています*。2021年の夏から、デポジット式のリユースカップシステムが導入されていて、現在はプラ、紙ともに完全に使い捨てカップをなくすためにシステムを拡大している最中です。

続いて、ヨーロッパ、中東・アフリカ地域の全3,840店舗でも、2021年の6月に、2025年までの段階的なリユースの仕組みの導入が発表されました*。こちらもデポジット形式のリユースカップシステム。

近年、スターバックスのリユースの取り組みは、国際的にスピードを上げています。

日本のスターバックスは?

世界最大手のコーヒーチェーンスターバックスの使い捨てカップ消費量はとても多く、偶然ではありますが、こうしたスタバの世界的な動きが起き始める直前の2021年から、グリーンピース・ジャパンも日本のスターバックスに向けて、返却式リユースカップの導入を求めるなど、さまざまな働きかけを行ってきました。

「大量の使い捨てカップをリユースに!」と書いたボードを掲げるグリーンピースのスタッフら
グリーンピース・ジャパンは、2022年7月に「日本のカフェ業界における使い捨てカップ」についての報告書を発表。日本の大手カフェチェーンの使い捨てカップの消費量を初めて明らかにした。(2022年7月)

きっかけは、日本のスターバックスが2021年の2月に、プラスチック使い捨てカップを、紙製の使い捨てカップに切り替える全国的な取り組みを開始したことでした。これを受けてグリーンピースは、「スターバックスさん、プラスチックでも、紙でもない、新しい”リユース”の仕組みを待っています!」署名をスタートさせました。

その後、4月の韓国のスターバックスや6月のヨーロッパ・中東アフリカ地域の発表などを受けて、要望書を提出するなどの活動を展開してきました。

その中でグリーンピースがスターバックス ジャパンに呼びかけてきたことは、以下の点です。

  • 2025年までに日本国内の店内利用およびテイクアウトにおけるリユースの割合を大幅に高める
  • 使い捨てカップ大幅削減のために野心的なリユース目標を国内で設定し、公開する
  • テイクアウトのリユースの仕組みを全国的に導入する。導入に向け、リユース事業者や他のコーヒーチェーン、小売業者などと協働する
  • マイタンブラーの利用率を大幅に高めるため、タンブラー割引の増額や、使い捨てカップへの課金などを開始する
  • 店内利用においては、全国的にマグカップおよびアイスグラスでの提供を基本とする

次はテイクアウト用の新しい仕組み。変化のまっただ中にあるスターバックス ジャパンを応援します!

スターバックス ジャパンは、今年3月末からアイスビバレッジの店内グラス提供を全国1500店舗に拡大し、現在店内のリユース利用が拡大している最中です。

https://www.greenpeace.org/japan/campaigns/story/2023/02/20/61666

グリーンピースの試算では、10人に1人だったスターバックスの店内でのリユースグラスやマグの利用は、最近では3人に1人へと急上昇しているよう*。引き続き大幅な増加が求められます。

日本のスターバックス コーヒーで提供されているアイスビバレッジ用のグラス。
日本のスターバックス コーヒーで提供されているアイスビバレッジ用のグラス。

6月からは「タンブラー部」という全国的なタンブラーの持ち込み推奨企画もスタートしていて、7月からも引き続き、マイタンブラーを使うと受けられる嬉しいサービスがさまざま用意されているようです。

使い捨てカップの削減が着実に進む今、大きな影響力と多くのファンを持つカフェチェーンとして、今後は日本でもテイクアウト用「返却式リユースカップの仕組み」の正式導入など、使い捨てカップの大幅削減に繋がるさらなる取り組みが必須です。

グリーンピースの試算では、日本のスターバックスはテイクアウトだけで年間1億5千万個の使い捨てカップを排出しています。もし、日本でも台湾のように、全国的にカップを貸し出す仕組みの提供が始まれば、この大量の使い捨てカップを大幅に削減することができるはずです。

グリーンピースはスターバックス ジャパンの前進を喜び、今後のさらなる取り組みを応援しています。