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地球でいちばん大きなサンクチュアリ・南極海保護区をつくろう

悲惨なことが、南極で起こっています。去年、南極海に住むアデリーペンギン40,000羽のコロニーでは、2羽のヒナしか育ちませんでした。[1]

【写真】南極アデリーペンギンのヒナたち

ペンギンやクジラ、その他多くの野生動物が暮らす南極で、これ以上気候変動や開発が進めば、動物たちの楽園はもう、取り返しのつかないことになってしまいます。

今年の10月、世界のリーダーが集まって南極海に保護区をつくるかどうか話し合う国際会議が行われます[2} 。これは、南極の海と動物たちをまもることに世界が合意する一大チャンス。そこで、南極に地球で一番大きなサンクチュアリ・南極海保護区をつくるグローバルキャンペーンを始めます!

【写真】南極横断山脈

この海洋保護区は、アルゼンチン南部のウェッデル海に位置するエリアにつくることが提案されています。実現すれば大きさは約180万平方キロメートル、なんと日本の約5倍になります[3]。

海は広くて大きいが・・・

【写真】アデリーペンギン
かつて海は広すぎて、人間の活動が海の環境に深刻で継続的な影響を与えることはない、と信じられていたのは、そう遠い昔のことではありません。でも近年、過剰漁業、石油やミネラルを海底から掘り出すといった直接的な人間の活動や、汚染や気候変動のような人間活動に起因する現象が、海とそこに生きる動物に深刻な被害をもたらしていることを証明する研究結果が続々と発表されています[4]。

南極はたくさんの動物のおうち


【写真】コウテイペンギン
南極は、多くの野生生物の住処です。地球に今まで生存した動物の中で最大の生物で絶滅危惧IA類であるシロナガスクジラから[4]、準絶滅危惧種のコウテイペンギン、繁殖に苦しむアデリーペンギンや、バスケットボールほどの大きさの目を持つ深海生物ダイオウホウズキイカ[5]など、多くの野生生物が南極に生息しています。そして、これらの生物の多くは既に気候変動や海にただようプラスチックなどの汚染から深刻な圧力を受けています。

【写真】カニクイアザラシ

オキアミ漁が及ぼす影響

こういった深刻な圧力の中、さらに漁船が掃除機のごとくオキアミを吸い上げ漁獲しているのです。オキアミは、エビに似た小さな甲殻類で、南極にいる多くの動物が主要な餌として食べています。日本はオキアミ漁から2011年に撤退していますが、このオキアミは、クリルオイル・サプリメントや養殖魚の餌の一部として使用され、日本でも販売されています。その製造規模は大きく、世界で第4位です[6]。水産業界が南極海でオキアミ漁を拡大し、その餌を取り上げることは、ペンギンやクジラなどの動物たちの生存をさらに脅かす事につながります。

【写真】ザトウクジラ
またオックスフォード大学のロジャー教授によると、南極の生態系は炭素を貯めることができ、温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を抑制する重要な役割を果たしていることが分かってきています[7]。

地球でいちばん大きなサンクチュアリ


だから、今年10月に開かれる国際会議は、南極をまもるまたとないチャンス。そこでは、この地球最大の海洋保護区設立計画案について、加盟国間で話し合われる事になるでしょう。日本もこの委員会の加盟国です。この会議でサンクチュアリをつくることに合意するには、満場一致が条件です。世界のリーダーが無視できないくらい、「南極をまもろう!」という声を世界中で盛り上げましょう。
グローバル・ムーブメントへの賛同者は世界でもうすぐ30万人!あなたも、このムーブメントに加わって一緒に声をあげてください。

南極をまもるムーブメントに参加

【参考文献】

[1] ブログ:40,000羽のペンギンから生き残ったヒナは、たったの2羽。南極で何が起きている?
[2]南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR) 
[3]Greenpeace UK
[4]Greenpeace UK blog: We have one year to create the largest ever protected area on Earth
[5]ナショナルジオグラフィック日本語版:巨大イカ、目玉は極度の遠視
[6]Global Krill Oil Market 2017-2021 
[7]Greenpeace UK:Greenpeace launches to create ‘largest protected on Earth’-as Antarctic Nations fall short on marine protection 

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