私たちの生活、社会に影響を及ぼす気候危機。温暖化の影響はさまざまなところで現れてきており、科学者たちはもうあまり時間がないと言っています。そんな中で、自分も気候危機を止めるために何かしたい、何かしなくちゃ、という気持ちがあっても、「でも、何から始めたらいいんだろう?」と困ってしまう方も多いのではないでしょうか。

そんな「私も気候危機を止めるために何かしたい」に応えるために、アクションガイドを作成しました。全5回(予定)に分けてお送りします。

第3回の今回は、自宅など身近な場所での効果的なアクションとして「電気の切り替え(パワーシフト)」についてご紹介します。

身近な場所からアクションを起こしてみよう

気候危機を止めるために効果的な「電気の切り替え(パワーシフト)」のやり方について、身近な場所ごとにまとめてみました。

自宅

まずは、自宅です。

気候危機を止めるために「なぜ自宅の電気?」と疑問に思うかもしれません。
しかし実は、気候危機の原因をたどっていくと私たちの使っている電気との関わりが深いという事実があります。

電気を切り替える必要・重要性
出典:ISEPホームページより 2020年の自然エネルギー電力の割合(暦年速報)

まず、気候危機を引き起こす主な原因の一つに二酸化炭素(CO2)があります。上のグラフを見ると、日本に住む私たちが使っている電気の大半はCO2を多く排出してしまう火力発電(石炭、LNG、石油、その他の火力)によって生み出されているということがわかります。少しでもCO2排出量を減らしていくためには、火力発電によって作られる電気の使用を減らしていく必要があります。

そのためにできることとして、「自宅の電気を切り替える」ということが挙げられ、それには再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来の電気に切り替えるという方法がおすすめです。

実際に切り替えることで手軽に再エネ由来の電気を導入することが可能で、自分が使う電気からのCO2排出量を削減することができます*

*アパートやマンションなどでも、電気料金の明細書の契約者名がご自身であれば切り替えができます。詳しくはこちらをご覧ください。

自宅の電気を再エネ由来に切り替える方法 ~パワーシフト~
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実は「自宅の電気の切り替え」はとっても簡単にできます。

再エネ由来の電気へ切り替える3ステップ!~自宅編~

  ①電力会社を選ぶ

  ②今の電気料金明細を用意

  ③申し込む(電話かWEB) 

パワーシフト・キャンペーンでは 再エネ由来の電気を扱っている会社を紹介しています。応援したい地域の電気を買うことも可能**なので、ぜひご自分の条件に合った会社を探してみてください。

また、自治体が行っている共同購入キャンペーン***などに参加してみることもできます。選択によっては今の電気代よりも安くすることができる可能性もあります。あわせて家電の買い替えをする際に省エネ家電を選ぶようにすることや、自宅の断熱をすることでさらに大幅な電力使用量と電気代の節約になります。まずはぜひ電気の切り替えに挑戦してみてください!

**パワーシフト・キャンペーンで紹介されている電力会社の他、ふるさと納税の返礼品として再エネ由来の電気を申し込める自治体もでてきています。ぜひ調べてみてください。
***共同購入とは、多くの人が共同で購入することで需要の規模を大きくし、電力会社から割安で電気を購入するという方法です。最近では、自治体が再エネ購入を促進するために、みんなでいっしょに自然の電気などの共同購入キャンペーンを行っています。

<参考になるサイト>

・パワーシフト・ハンドブック(一般家庭編、8ページ参照)

https://power-shift.org/downloads/15255/

・切り替え実行動画「パワーシフトをWEBでやってみた

学校、職場、自治体

これまで、自宅の電気をかえることについて紹介してきましたが、自宅以外の場所でできるアクションとしても電気の切り替えはとても重要です。

学校、職場、自治体の電気を切り替える

ご自分が通っている学校、職場、住んでいる自治体の施設などで、自宅と同様に再エネ由来の電気への切り替えをすすめることでより多くのCO2排出量削減につなげられます。

もしまだ電気を再エネに切り替えていなければ、切り替えを提案してみませんか?

学校、職場、自治体でのすすめ方

実際に切り替えをすすめるには、現状どこの電気を購入しているのかを調べ、担当の方との話し合いが必要です。話し合いの際には、学校や職場、自治体にとって再エネ由来の電気を選ぶことは「CO2排出量の削減ができる」ということだけでなく、SDGsに貢献する、社会的責任を果たす行動につながるというメリットも伝えましょう。それらを伝えていくことで再エネの輪を広げていきましょう。

再エネ由来の電気へ切り替える3ステップ!~学校・職場・自治体編~

  ① 電気をどの電力会社から買っているかを調べる

  ② 電気の契約を誰が決めているかを調べる

  ③ ②に切り替えを提案する

再エネ電気の導入手法 参考資料

パワーシフト・キャンペーンのホームページではたくさんの体験談が紹介されています。ぜひ参考にしてみてください。

これでうまく行かなかったら….

学校や職場の場合はパワーシフト・キャンペーン、自治体なら「ゼロエミッションを実現する会」に相談してみましょう。

仲間を見つけよう(団体の活動に参加してみよう)

「もっと、気候変動問題に深く携わりたい」「仲間と一緒に問題の解決に取り組んでみたい」「とりあえず何かしたい!」そんな方は、気候変動問題に対して取り組んでいる団体を見つけて、参加してみましょう。

ここでは、グリーンピース・ジャパンが事務局を務めるグループをご紹介します。

「ゼロエミッションを実現する会」は、気候危機回避のために自分の住む自治体の脱炭素をめざす市民のプラットフォームです。具体的には、気候変動問題に対して、市民から自治体・議会へのアプローチを行っています。

今まで取り組んだことのない方でも大丈夫!

「ゼロエミッションを実現する会」には、たくさんの仲間がいて、気候危機回避のために頑張る人をサポートできます。ご参加リクエストをお待ちしています。

一緒にアクションしたい方は以下のボタンから。

まずは情報交換からの方は以下のボタンから。

まとめ

第3回では、気候危機を止めるために効果的なアクション「電気をかえる ~パワーシフト~」をご紹介しました。自宅や身の回りへの働きかけを行い、再エネの輪を広げていくことで気候危機を回避しましょう。

まずは自宅から、ご自分の条件に合った電力会社を見つけてぜひ行動に移してみてください。

出典:パワーシフトとは?(2020/11/30より) – power-shift.org

そして、より多くの人がパワーシフトや省エネなど、気候危機回避のために行動を起こすには、自治体による制度面でのサポートなども欠かせません。

第4回では、自治体が気候変動対策に本気で取り組んでもらえるように、自治体に働きかける方法についてご紹介します。

前回までの記事

◆アクションガイド#01「気候変動について学ぼう
◆アクションガイド#02「気候危機について知ってもらおう・参加しよう

次回の記事

◆アクションガイド#04「自治体アクションをしよう