こんにちは、気候変動・エネルギー担当の高田です。
福島のお母さんたちと、俳優の山本太郎さんといっしょに、脱原発と自然エネルギーの今をたずねるドイツの旅の3日目です。
ダネンベルク(ウェンドランド地方)では、30年以上にわたって、ありとあらゆるクリエイティブな方法で、放射性廃棄物の輸送に対する抗議が続けられています。
輸送の時期になると、地元農家がトラクターで道を封鎖したり、子どもから年配の方まで老若男女がデモ行進や集会に参加。
輸送列車の進行を遅らせるために、最低気温が氷点下に届きそうな厳しい環境で、農家の方や若者が大勢線路に横たわります。
また、そうしたアクティビストたちをサポートするために、ボランティアによる24時間の炊き出しもあります。
アクティビストを見守る2万人規模の警察官たちも、内心は輸送中止を支持しているとのこと。
一方で、原発に頼らないために市民発電所をつくり、いまでは地域の電気の100%が自然エネルギーでまかなわれています(詳しくは次のブログで!)。
さらに極めつけは、『フリー・ウェンドランド国』として、ドイツ連邦からの独立を正式に宣言(!)。
パスポートや運転免許証も発行し、もちろん国旗も存在します。*
「日本でも、原発を止めようと訴えるデモはたくさんありますか」
「どうして日本人は、黙っていられるの?」
滞在中に、ダネンベルクで何度も尋ねられたこの質問――。
「子どもや家族、仕事のことを考えると、なかなかデモに参加できない」
「原発や放射能のことを友達と話すのは、気まずくなってしまう」
「原発はいやだと思っているけど、行動に移すのは難しい」
そんな状況が日本にあることを話すと、「でも、声に出さずに、どうやって変えるんだ?」との返答が――。
ドイツ脱原発の先駆けともいえるダネンベルク。それぞれの小さなチカラが集まって、ドイツ脱原発の発表は実現しました。
ひとりの声は小さいけれど、声を出さなきゃ聞こえない――日本でも、どんな未来がほしいか声を出して、エネルギー政策の未来を変えていきたいです。
*『フリー・ヴェントラント国』は市民によって独立が宣言されましたが、正式には現在もドイツ連邦にとどまっています。
(写真:『フリー・ヴェントラント国』のパスポート、運転免許証など(c)Greenpeace)