「地球にやさしいをあたりまえに」- 名城大学 Clean Green 三輪久美子さん
この投稿を読むとわかること
大学内で環境アクションをしている学生個人・グループにオンラインでインタビューする本企画。今回は、愛知県名城大学の団体『Clean Green』の三輪さんにお話を伺いました。『Clean Green』は、ジャーナリストの池上彰さんがスーパーバイザーを務める「名城大学チャレンジ支援プログラム」から生まれました。「地球にやさしいをあたりまえに」を目標に活動をしています。カンボジアで出会った1人の少女と、フィリピンで見たプラスチックのごみ山をきっかけに、「モノが循環する社会」にできないかと考えるようになり、Clean Greenでさまざまな活動をしています。
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昨年の8月、Clean Greenの皆さんがグリーンピース・ジャパンのオフィスを訪れてくれたことが、三輪さんとの出会いのきっかけでした。Clean Greenの活動におけるヒントを得たいという思いで訪問してくれたそうで、この訪問で考えがより深まり、貴重な経験になったと話してくれました。
ひとりの少女との出会いと、ごみ山の衝撃
ーー三輪さんが環境問題に関心を持ったきっかけはなんですか?
きっかけは2つあります。1つ目は、大学1年生の終わり頃に訪れたカンボジアでの、ひとりの少女との出会いでした。その少女は、ちょうど私のいとこと同じくらいの歳で、遊び方や反応もそれほど変わりませんでした。それなのに、ふと少女の足元に視線を落とすと、洋服が体のサイズに合っておらず、スボンの裾がつんつるてんでした。私はこの時、日本に住む私たちは洋服を捨てているのに…すごく恵まれているんだなと思いました。このことがきっかけで、カンボジアの子どもたちにも背丈に合った服を届けられるような循環型の社会にできないだろうか、社会や環境に対して自分に何ができるだろうか、と色々なことを調べ始めました。
2つ目は、フィリピンで炊き出しをする団体の活動に参加した時に目にした、大きなプラスチックのごみ山でした。ごみの隙間から植物が生えてしまうほど、何年も前からあるのに、プラスチックはそのまま残っていて、プラスチックごみの問題は解決しなくていけないと強く思いました。
この2つの経験がきっかけで、環境やモノの問題(大量生産・大量消費・ごみ問題など)に関心を寄せるようになりました。
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「想いが違うのにゴールは一緒」では納得いかない
ーー使い捨てプラスチックに関して日々の生活でどんなことを思いますか?
もちろん、使い捨てプラスチック製品をなるべく避けたいです。でも、現状は選択肢も少なく、さまざまなものがプラスチックで包まれていて、避けたくても避けられないことが多いと感じます。プラスチック問題に関心があり、できる限り削減したいと思っている人と、特に何も気にしていない人とでは、想いが違うのに、ゴール(購入できるもの)は結局一緒というのは、どうしても納得がいかないです。
でも私は、グレタさんの「今は、みんなが飛行機に乗らないことは不可能だけど、私がやることで何かメッセージになるかもしれない」という発言にならって、たとえストロー1本でCO2が大幅に減らせるとは限らなくても、「私は使わないよ」とメッセージを伝えていきます。
私が個人的に発信することに加えて、使い捨てプラスチック削減のムーブメントを増やすにはどうしたらいいか、どんな活動をしていべきかと考えています。
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Clean Green:ゼロからイチをつくる!
ーー団体のこれまでの取り組みについて聞かせてください。
2019年11月に、「ヨガ×歯磨き粉作り」のイベントを開催しました。歯磨き粉は使い捨てプラスチック容器に入っているので、自宅で作れたらプラスチックの削減にもなりますし、歯磨き粉作りはとっても簡単で、重曹、粉末カルシウム、海塩、精油(ペパーミントなど)、ココナッツオイルなどを混ぜるだけです。このイベントで、ゼロ・ウェイストについても紹介するために、ゼロ・ウェイスト宣言をした徳島県上勝町の視察もしてきました。ダイオキシンの問題からごみの法律が変わり、自治体でいかにお金をかけずに対応していくか、ということからゼロ・ウェイストの活動が始まったそうです。大学で法律を学んでいる私としては、改めて法律の社会への影響を実感しました。
それから、アウトドア・アパレル企業のパタゴニアさんの、Worn Wear College Tourに参加して、学生企画として、服の交換会を2日間一緒に行いました。値札の代わりにその洋服のストーリーを書いたタグをつけて、思いを乗せた洋服というバトンが、次の人にわたる場「Take-over Zone」をつくりました。
ーーこれから、団体としてどんな取り組みをしていく予定ですか?
今、日本環境設計株式会社の方と、「BRING BRING」という活動を、名城大学内でも実施できないか検討しています*。BRING BRINGは、洋服を回収し、繊維レベルまで戻し、また洋服を作っていく活動です。これまで制服だった新入生が、大学に入って私服に変わり、これまでよりもたくさんの洋服が必要になるタイミングに、モノの消費について考えてもらう良い取り組みだと思っています。このプロジェクトには、イオングループも力を入れていて、今後は名城大学とイオングループで何か一緒に取り組めないかと考えています。
*インタビュー時、2020年4月
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環境問題に真剣で、柔軟な企業
ーー最後に、三輪さんの将来について、教えてください!
私は、出会いが大切だと考えています。この人の下で働きたい!と思えるような人と出会いたいです。それから、もし働くなら、環境負荷の低減について真剣に向き合っていて、考え方の柔軟な企業がいいですね。社会の動きや、時代の流れに常にアンテナを張っていて、「昔からこうだから」というよりも、時代に合わせて、柔軟に決断していく企業で働きたいです。
正直、合同企業説明会では、どれだけ環境問題に真剣に取り組んでいるかわからないことが多いです。私は、個人的にサステナブルブランド国際会議*や環境の展示会に出展している企業の話を聞くのはいい方法かもしれないと思っています。それから、Clean Greenの活動を通して色々な企業の人とつながって、お話を聞けることがとても良い機会となっています。将来については、大学の先生方とも相談しながら、少しずつ探していきたいです。
*サステナブルブランド国際会議:社会課題解決と事業戦略の統合にこそ鍵があると考え、様々な企業がサステナブルな取り組みを紹介し、互いにつながり、インスピレーションを与えるための国際会議
ーー三輪さん、ありがとうございました。
三輪さんの興味関心を探求していく姿に、私たちも探求していく楽しさと素晴らしさを感じました。人との出会いやつながりを大切にして積極的に活動し、色々なことを吸収していて、さらにこの経験をとても魅力的にお話していたのが印象的でした。これからも団体の活動や三輪さん個人の取り組みを伺うのが楽しみです。ご協力いただき、ありがとうございました。
全国の大学生の皆さんへ。「プラスチックフリー」を広めるキャンパスプロジェクトに参加してみませんか?
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