こんにちは、気候変動・エネルギー担当の高田です。
福島のお母さんたちと、俳優の山本太郎さんといっしょに、脱原発と自然エネルギーの今をたずねるドイツの旅、今回はドイツ政府との会談です。
ベルリンにある連邦環境・自然保護・原子炉安全省(BMU)で私たちを迎えてくれたのは、エネルギー政策や自然エネルギーに詳しいナイツェルさん。
BMUは、チェルノブイリ事故がきっかけとなって設立され、国連の気候変動の国際交渉、原子力の安全と放射性廃棄物の管理、そして自然エネルギーについての完全な権限をもっています。
「ドイツ政府は、今年、2022年までに全17基の原発の停止を決めた――停止の時期については、いろいろな意見があるが、まずは『原発を停止する』という政府の明確な決定をはっきりと打ち出すことが重要」とナイツェルさん。
ドイツでは市民の声によって中止になった原発の建設が3か所あり、そのうちの1か所は建設が完成した後で中止になったことも紹介してくれました。
また山本太郎さんが、「ドイツは、フランスなどヨーロッパ各国と電気のやり取りをしているから脱原発ができるんだ。しかもフランスは原発大国だ」と言われることに対しての意見を尋ねたところ、
● ドイツは確かに電力を近隣国から輸入しているが、輸入量は全電力消費量の5%に過ぎない
● 輸入以上にドイツからは電力の輸出をしている
● 政府として正式に、脱原発をしてもドイツは電力の輸入には頼らないことを明確に打ち出している
とのナイツェルさんの返答。
実際、ドイツは仮に近隣からの輸入がなくても国内の電力需要に応えることができます。
一方で、原子力が80%の電気をつくるフランスは、夏の渇水のときには、原子炉の冷却に使う川の水が少なくなり発電を止めざるを得ない状況になったり、冬の暖房需要期にはドイツなどからの電力輸入が必要です。
同じ日の夜には、最大野党のドイツ社会民主党の議員さんとの会談をし、党の環境担当のMierschさんが私たちを迎えてくれました。
福島の大河原さんと西片さん、山本太郎さんが、福島の方々の避難の権利が確保されていないことや、日本の原発を取り巻く状況を訴えました。
Mierschさんは、「ドイツでも原発の問題は終わったわけではない、ドイツでも原発を推進したい人の声は強いので、反対を続けていかなくてはいけない」とコメント。
自然エネルギーは、2011年上半期にドイツの電力の20%を供給。
約1万社、36万人の新規雇用を生み出しています。
ナイツェルさんもMierschさんも、「経済的観点からも、自然エネルギーこそ進むべき道だ」と断言。
ドイツ政府が発表するデータでも、それが裏付けられています。
日本でも、エネルギー転換は可能です。
詳しくは、こちら: レポート『自然エネルギー革命――2012年、すべての原発停止で日本がよみがえる』