こんにちは。グリーンピース・ジャパンのボランティアで作る、チームプランツのメンバーRinaです。
先月、アマゾンの森が燃えているニュースを目にし、心を痛めた人も多いのではないでしょうか。

9月5日、グリーンピース・ジャパンのオフィスで、森林火災の現場やその火災理由について一緒に学び、思いや考えを自由に共有するための勉強会&しゃべり場に参加しました。

グリーンピースは過去20年以上にわたり、ブラジルオフィスが中心となって、アマゾンの森林の状態を調査してきました。その中で、今年の森林火災は、過去最悪の事態の一つだそうです。

来日中のグリーンピーススタッフで、長年森林キャンペーンに関わってきたマイアさんから、アマゾンの森がどんな役割を果たしているか、私たちに今何ができるのか。そして、ブラジル出身のスタッフ、ヴァネッサさんから今アマゾンで何がおきているのか、お話を聞きました。

そのあと、二人の話を踏まえて、みんなでグループに分かれて自由に意見交換し、明日から私たちにできるアクションについて話し合いました。

世界の森林を見てきたマイアさん

マイアさんはまず、世界の森林の現状について話しました。

彼女はかつて、森林をまもるキャンペーンのチームにいて、その時に世界の主要な森林地域であるコンゴ、インドネシア、そしてブラジルに行く機会があり、アマゾンの森の中で過ごしたこともあります。

実際にアマゾンの美しい森を見てきたからこそ、今映像で見ているアマゾン森林火災の様子にとても心を痛めています。

3秒毎にサッカー場1つ分の森林が消失

マイアさんから、世界の森林の現状について、基本的な説明がありました。
世界には40億ヘクタールの森林地域があり、丸で囲んであるのが世界の主要な森林です。


アマゾン、アフリカ(コンゴ、カメルーン)、インドネシア、北方林(ロシア・カナダ・アメリカ・北欧諸国)があります。

これらの天然の森は、大規模な破壊が原因で、かつての2分の1の面積となってしまいました。

想像しがたい数字ですが、世界の森林は、年間760万ヘクタールの地域が破壊されています。
わかりやすく言うと、3秒毎にサッカー場1面分の森林が消えていることになります。

※数値は2010〜2015年の国連報告書に基づいています。

森林破壊が起きるのはなぜ?

森林破壊は世界中で起きています。その要因をそれぞれ見ていきましょう。

  • インドネシア:パームオイルと紙製品のため。
  • アフリカ:農地の拡大、木材、家庭の燃料、木炭を作るため。
  • 北方林:木材、紙製品。
  • アマゾン:牛の放牧、家畜のエサとなる大豆プランテーション、違法伐採

それぞれ地域ごとに伐採理由が異なりますが、森林破壊が進んでおり、主に森林火災は乾季に起こります。

アマゾンという熱帯雨林の重要性

自然豊かなアマゾンに住むジャガー

アマゾンは690万平方キロメートルの広大な土地の森林です。

盆地で、ペルー、コロンビア、ベネズエラなど9カ国にまたがっていますが、森林の60%がブラジルに属しています。世界最大の熱帯雨林であり、そこに流れる川は世界の淡水の5分の1に相当します。

そんな広大なアマゾンは、私たちに様々な恩恵をもたらしています。

≪1先住民の故郷だということ≫

アマゾンの先住民

先住民の方たちは何世代にもわたって森とともに過ごしてきた森の守護者ととらえられています。

そして、アマゾンを住む場所、食べ物を採取する場所、経済的な手段として活用しているため、彼らにとってアマゾンの森を失うということは、生きるために必要なものをすべて失うことを意味します。

≪2水や木材を与えてくれる≫

アマゾンを流れる川

アマゾンは私たちの生活にも密接に関係しています。

綺麗な水、木材、医薬品、紙製品、私たちが日常生活で使っている多くのものがアマゾンに由来しています。

≪3多種多様な生きものの住処≫

アマゾンに住む動物

アマゾンは、非常に多様な生きものが生息している地域です。
アマゾンの森には4万種の植物がいて、そのうちの多くがアマゾン固有の種です。
鳥類、哺乳類、爬虫類などの動物も同様に、多様な種がアマゾンに住んでいます。

≪4気候変動を抑える効果≫


そしてマイアさんが最も強調して言いたいのが、気候変動についてです。
アマゾンがあることは世界の気候を安定することに貢献しています。

マイアさんをはじめ多くの環境活動家や科学者、著名人などが、アマゾンなしで気候変動の現状を改善することは難しいと言います。

それではなぜアマゾンの熱帯雨林が気候変動にとって重要なのでしょうか。
後編では、アマゾンが気候変動にもたらす役割を見ていきます。