2020年最新放射線調査

グリーンピースでは、東京電力福島第一原発事故発生直後の2011年3月26日から27日の第1回から継続的に31回、おもに福島において放射性物質および放射線調査を行っています。

2020年10月に実施した第30回調査では、Jヴィレッジに隣接する楢葉町営駐車場で毎時71マイクロシーベルト(地表面接触)の高い放射線量が確認されました。深刻な公衆衛生上のリスクと考えたため、グリーンピースは、小泉進次郎環境大臣に通知し、定期的な放射線モニタリングと除染を実施するよう提言しました。グリーンピース・ジャパン「J ヴィレッジ(福島県)周辺で検知されたホットスポットについて緊急情報提供と要請」

環境省は12月12日、グリーンピースが確認したホットスポットのほか、付近の別地点、駐車場などでも比較的高い放射線量が新たに確認され、東京電力によって除染されたと発表しました。

今回の第31回目調査は、第30回目調査で非常にリスクの高いホットスポットが見つかった福島県広野町・楢葉町(Jヴィレッジ周辺)の再調査で、2020年12月13日から14日に行われました。

調査結果概要

  • グリーンピースが10月26日に発見した地表面で71μSv/h だったホットスポットは、12月13日の調査では、1平方メートルほどの土が被されていることが確認され、数値は1μSv/h以下に下がっていた。
  • しかし、同じ駐車場に隣接した北側では最高2.2μSv/h(10cm高さ)までのホットスポットが発見された。
  • 同じ駐車場の入り口近くの他の場所でも地表より10cmの高さで2.6μSv/h(1mの高さで1μSv/h)のホットスポットが発見された。
  • 当該駐車場の北のサッカーフィールド隣接の森林の縁で地表より10cmの高さで2.6μSv/hのホットスポットが発見された。
  • 当該駐車場より300メートル離れた森林の代表的な測定値は1メートルの高さで0.4μSv/hほどだった。(政府による除染の目安値は0.23μSv/h)

調査結果から言えること

10月に見つかった毎時71マイクロシーベルト(地表面接触)ほど高くはなかったものの、国の除染基準を超える複数のホットスポットが再度見つかり、除染のずさんさが露呈しました。
また、非常に高いレベルのホットスポットは、なぜそこにあったのか、なぜ今まで発見されなかったのかなど、多くの疑問が残ります。
東京五輪のためだけの除染ではなく、住民のための恒久的なモニタリングや除染が行われるべきです。原発事故の後始末は終わることがありません。

プレスリリース:「福島県のJヴィレッジ周辺で放射能ホットスポットを確認 ー 政府に速やかな除染を要請」(2019年12月4日)

プレスリリース:「Jヴィレッジで再度ホットスポット確認 ー 恒久的な除染とモニタリングを」 (2019年12月17日)

過去の放射線調査の結果はこちらから >

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