ベルギー情報

ベルギーで製造されていた福島原発用のMOX32集合体は、フランスのラ・ア-グへの輸送がすでに完了した。グリーンピースの調べでは、当初の予定から1ケ月遅れの6月14日~20日の間に4台のトラックでラ・アーグに搬入されたとみられる。
福島向けの4つのフラスク(容器)TN17は、すでにラ・アーグに搬入されている。
日本の運輸省の関係者は、搬入を見学するため現場を訪れていたが、運輸省は6月21日の週にフランスを訪問したことを否定した。運輸省がそういった訪問に関する情報を提供しないことが明らかになり、これはプルトニウム輸送における情報の透明性と公開の欠如を表した例といえる。
7月1日現在、運輸省による輸送許可はまだおりていない。


輸送船の試運転

MOXの輸送船パシフィック・ピンテールとパシフィック・ティールの試運転が行われた。2隻の船は6月23日午前7時(英国時間)にバロー港を出発し、30日に戻った。
ピンテールは、午後12:45にドックに戻ったが、ティールは、海岸線に沿って航行していたが7月2日午前零時の段階でまだ湾内に入っていない。2隻とも武装した英国原子力エネルギー庁の警察隊が乗船していた。
グリーンピースは、輸送船は海上での武器試用(テスト)のため武器弾薬を搭載したままバロー港を出発できないと考える。というのもその地元の自治体がそのような許可を与えていないからである。
しかし海上で輸送船への武器搭載ができるなら、武器試用を行うことは充分に可能である。英国政府からこの件に関する情報は何も出されていない。


韓国の反対

プルトニウムが初めて日本海を輸送されることに対する韓国での懸念が高まりをみせている。
台湾が北朝鮮へ低レベル放射性廃棄物を輸送しようと計画したことが明らかになった1997年、輸送船が韓国の海岸線からおよそ100kmまで近づくという懸念が高まったが、関西電力高浜原発4号の場合、約50kmまで近づいて航行することが考えられる。また、もうひとつの懸念としては福井、新潟など日本海側にあるMOXを利用した原発によって引き起こされる環境破壊の脅威もあげられている。 韓国は、核兵器使用目的の危険性を理由にMOXプルトニウムを入手することが許されていない。日本のプルトニウム政策は、結果的に韓国などアジアに核拡散をもたらしてしまう。その理由だけでもプルトニウム政策は直ちに中止されるべきである。
日本の政策は、いとも簡単にアジア地域を核の惨事に導く危険なプルトニウムを作りだしている。


カリブ海諸国、プルトニウム輸送に反対

カリブ海諸国への核輸送に対し強く非難する声が上がった。
東カリブ諸国機構(The Organization of Eastern Caribbean State:OECS)は6月28日、カリブ海地域でのプルトニウムの輸送を非難する声明を発表した。その他OECSの中の数カ国やカリコム(カリブ地域フォーラム:Caribbean Community)からも反対の声明が出されている。