国際環境保護団体グリーンピースは、7月13日、ベルギーのデッセルにあるフランスのMOXプルトニウム燃料加工施設が違法に操業されており、フランスから日本に向けてまもなく輸送される予定のMOXプルトニウム燃料が、違法な状態で製造されていると主張。ベルギーの最高裁判所に運営許可の取り下げを提訴するとともに、新ベルギー政府に対し、FBFC社の「5M」工場を即時閉鎖するよう求めた。
FBFC社は、フランスのCOGEMA社とFRAMATONE社が所有している。

グリーンピースが提訴したのは、FBFC社(Franco de Fabrication de Combustible)社が運営しているMOXプルトニウム燃料集合体工場に関連している。
「5M」と呼ばれるCOGEMA社とFRAMATONE社所有の工場は、1997年から操業されている。FBFC社がこの新しい工場を建設する際、ベルギー法の12条に明らかに違反しており、また13条も誤用している、というのが提訴の内容である。
これらの条文は、新しい施設の建設の際に適用されるべき規制法であり、それによると、FBFC社はMOXプルトニウム燃料集合体工場を建設する前に公聴会を開くことが求められている。

FBFC社は公聴会を開催していないばかりか、約2年、違法な状態で工場を操業してきた。

「このフランスの会社は、明らかにベルギー法に違反している。核燃料施設がもたらす環境や健康への危険、そして核拡散の脅威について意見を聞く機会を奪っている。
これは前ベルギー政権と、COGEMAに代表されるフランスの原子力産業による汚い取り引きの結果だ。新しい政府は、今すぐ、この違法施設を閉鎖すべきだ」
と、グリーンピースのショーン・バーニーは述べた。

「5M」は、MOXプルトニウム燃料を作るための最終加工工場である。ベルギーのデッセルにあるベルゴニュークリア社所有の燃料工場と、南フランスのカダラッシュの工場で作られた燃料棒が、ここで日本、ドイツ、スイス、ベルギーの原子炉で使われるMOXプルトニウム燃料として作られる。

間もなく欧州から日本への、初めてのMOXプルトニウム燃料海上輸送が行われようとしているが、今回グリーンピースが問題としているMOXプルトニウム燃料は、東京電力が契約し、福島第1原発3号炉に導入予定のものである。