福井県高浜町の高浜原発3、4号機で使用される予定だったプルトニウム(MOX)燃料の検査データをねつ造した英核燃料会社(BNFL)のいうことを信用してはならない、と国際環境保護団体グリーンピースは本日、日本政府と国民に対して警告を発した。

英国の産業貿易省高官とBNFL幹部ら(注1)が2月7日来日する。目的は「BNFLに対する信頼の回復」だ。
しかし、データねつ造が発覚した9月以降も、BNFLのMOX燃料の品質管理に関する失態を暴露され続けている。

英国政府は先週、BNFLが原子力施設検査局(NII)に対し、1997年のスイスでのMOX燃料破損事件を2年もの間報告しなかったことを明らかにした。BNFLは、日本でスキャンダルが明らかになった9月14日になってはじめてエネルギー省に報告したのである。そのMOX燃料は陸上および海上輸送で英国に戻されていたことも英国議会質問回答(注2)で明らかになっている。

グリーンピースは、本日、通産大臣に要請文を送り、日本政府に、英国代表団に対しBNFLのMOX燃料品質管理データの公開を要求し、それを日本国民にすみやかに公開すること、現在、BNFLと結んでいる契約をすべて破棄させることを求めた。BNFLはMOX燃料ペレットの外径データは公開したものの、ペレットの品質管理に重要なプルトニウムの均一度や、純度に関しては、一切データを公開していない。

グリーンピース・ジャパンは2月7日には他団体とともにBNFLへの抗議行動を行なう。9日、11日には他団体とともに代表団と話会いを持つ。



注1:貿易産業省エネルギー局長、アンナ・ウォーカー他3名。原子力施設検査局(NII)チーフ・インスペクター、ウイリアム・ローレンス他1名。なお、政府代表団に加え、BNFL幹部のジョン・テイラーも来日する。

注2:英国議員デビッド・チェイター氏へのエネルギー大臣からの回答(1月20日付)