南極海で米国環境保護団体シーシェパードが、日本の調査捕鯨船団に対して行ったと報道されている行為について、グリーンピースはどのような理由にせよ人に危害をおよぼす行為は許しがたいことであると考えます。

近年、様々な意見や利害間関係の違いにより、地域間、国際間での環境問題の解決はますます複雑化しているとの見方もありますが、その硬直状態を打開するのは決して暴力ではありません。

南極海のクジラ保護区で行われている日本の調査捕鯨は、地球の共通財産として保護されるべき南極海で、絶滅危惧種のナガスクジラを含む約1000頭近いクジラを毎年「調査」という名のもとで捕殺し、その肉を日本の市場で売りさばいています。

グリーンピースは、調査捕鯨の実態を多くの人に知ってもらうために情報や捕鯨現場の写真公開を行い、また人間の盾のようにガンジーの精神に代表される非暴力な手法を用いた環境破壊を阻止する活動などを行っています。同時に、クジラを殺さないで行う非致死的な科学調査の方法への見直しを求め、広く調査捕鯨の是非を問う活動を展開しています。

南極海での捕鯨には、私たち日本人の税金がすでに100億円以上も費やされてきました。この問題は海外から非難されている問題として捉えるのではなく、私たちがその必要性についてもう一度問い直す必要があります。

特定非営利活動法人 グリーンピース・ジャパン事務局長
星川淳
お問い合わせ:
広報担当 村上京子