【INC5】日韓台のプラスチック生産能力は年間4,199万トンーープラ生産能力と炭素排出量に関する報告書を発表
グリーンピース東アジアは、11月25日より韓国・釜山で開催されるプラスチック汚染対策に関する国際条約を議論する第5回政府間会合(INC5)に先駆けて、日本、韓国、台湾の石油化学産業によるプラスチック生産能力および炭素排出量についての調査報告書『Tri-Market plastics and petrochemical analysis(3市場におけるプラスチックおよび石油化学産業の分析)』を発表しました。日韓台3市場における一次プラスチックポリマーの生産能力は、合計で年間4,199万トンに達し、二酸化炭素換算で9,993万トン相当(CO2e)(注1)を排出すると推測されることが分かりました。温室効果ガスの排出量削減目標をパリ協定の1.5度目標と整合させるためには、石油化学産業におけるプラスチック生産量やそれに伴う炭素排出を削減することが不可欠であり、グリーンピースはINC5でプラスチック生産を2040年までに75%削減し、使い捨てプラスチックを廃止する条約の制定を求めています。
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<報告書の主なポイント>
- 日本、韓国、台湾のプラスチックポリマーの年間生産能力は、合計4199万トンで、これは二酸化炭素換算で9,993万トンの排出量に相当する。市場別では、韓国は1,992万トン、日本は1,304万トン、台湾は902万トンだった。
- プラスチック生産能力が最も高い企業の上位10社のうち、7社が韓国に本社を置いている。1位のフォルモサ(台湾)と2位のロッテ(韓国)の生産能力は、それぞれ449万トンと430万トンで、日本、韓国、台湾の3市場の全生産能力の約10%を占めている。
- 日本企業のプラスチック生産能力は、三井化学が3位で年間349万トン、三菱ケミカルグループ・三菱ガス化学が10位で114万トンだった。
グリーンピース・東アジア プラスチック問題担当、ナラ・キム
「今月末に釜山で開催されるINC5は、私たちの地球を岐路に立たせるものです。気候変動の1.5度目標を達成し、プラスチック危機に対処するためには、プラスチックの生産を削減することが解決策となります。各国の指導者たちは勇気を示し、私たちの健康、地域社会、環境を守る条約を実現しなければなりません」
(注1)二酸化炭素等量( CO2e)は、異なる温室効果ガスを共通の単位で表す用語である。温室効果ガスの量や種類を問わず、CO2eは同等の地球温暖化効果を持つCO2の量を示す。
以上