INC5の会場周辺に掲げられた巨大な目をデザインした旗(2024年11月25日、釜山)

国際環境NGOグリーンピース東アジアは11月25日、韓国・釜山で同日開幕したプラスチック汚染対策に関する国際条約を議論する第5回政府間会合(INC5)に合わせて、会場近くに6,472人の顔写真で描いた巨大な「目」をデザインした、幅30メートル、高さ24メートルの旗を掲げました。世界中の人々が今回のプラスチック条約交渉を注視していることを表現し、各国政府に対して、プラスチック生産の削減や使い捨てプラスチックの廃止を盛り込んだ国際プラスチック条約の実現を訴えています。

<旗について>

スイス人アーティスト、ダン・アッシャーとグリーンピースが、190以上の国と地域から6,473人分の顔写真を集めて共同制作しました。『スタートレック』シリーズで知られるカナダ人俳優のウィリアム・シャトナーや米俳優ジェイムズ・クロムウェルら著名人が提供した顔写真も含まれています。旗は、11月25日(月)午前8時半頃に、INC5会場の釜山国際展示場近くにある水営湾ヨット競技場で、10階建てビル相当の高さにクレーンで吊り下げられました。

グリーンピースが今回のINC5に期待することは次の通りです。

<グリーンピースが国際プラスチック条約に求めること>

  • 環境と人間の健康を守るため、生産から廃棄に至るまでプラスチック汚染を終わらせる
  • 温室効果ガスの排出量削減目標をパリ協定の1.5度目標と整合させるために、2040年までにプラスチック生産量を75%削減する、法的拘束力のある目標を設定する
  • 使い捨てプラスチックを段階的に廃止する
  • 低炭素、廃棄物ゼロ、リユースを軸にした経済への公正かつ包括的な移行を確保する
  • 不平等を是正し、人間の健康を優先し、条約策定と実施において正義を中心とする、人権に基づくアプローチに根ざす条約をつくる

グリーンピース・ジャパン シニア政策渉外担当、小池宏隆

「INC5は環境外交において非常に重要な位置を占めています。先日の生物多様性COP16に続き、気候変動COP29でも期待される成果をあげることができず、多国間主義が非常に不安定であることを示す結果となりました。INC5はその流れを止める機会です。世界がまだ国際協力できることを示すためにも、プラスチック汚染を根本から解決するためにも、釜山で実効的なプラ条約に合意することが必要です。日本政府にはその先頭に立ち、化石燃料由来のプラスチック脱却を加速させるために必要な生産規制に賛同することを期待します」

以上