こんにちは。グリーンピース・ジャパン事務局長の米田祐子です。
メキシコとの国境に壁を築くと公約したトランプ大統領。
就任式が行われた1月20日には、祝う人もいれば、悲嘆にくれる人も、怒りを表す人もあり、社会の深い分断を改めて印象付けました。
翌日、トランプ氏の就任に反対し、女性の権利を訴えたデモには、全米で500万人が参加したと報道されています。
1月25日、トランプ大統領がメキシコとの国境に壁を建設すると大統領令に署名したのと同じ日に、グリーンピース・アメリカはホワイトハウス近くで、「抵抗する(RESIST)」という巨大バナーを大統領執務室から見えるよう掲げる抗議行動を行いました。
世界の注目が気候変動・エネルギー政策を含むトランプ政権の動向に集まっているこのタイミングで、石油パイプラインの反対運動や気候変動を止める対策をとることの重要さを発信しました。
イギリスのEU脱退、アメリカ大統領にトランプ氏当選ーー自国の経済的な利益を狭く短期的に捉え、排他的な姿勢を鮮明に出した主張が、2016年の選挙で多勢を得たことは、世界に大きな衝撃を与えました。
根底にあったのは、一般の人々の既存の政治に対する不信感と、アメリカの経済状況。そのような現状に対する不満が募り、扇動的な人々や政治家によって、移民排斥や女性蔑視、社会的な弱者に対する差別や暴力といった形で表に出てきたように見えます。イギリスでもアメリカでも、選挙後、過激な発言や行動が増え、社会不安を煽りました。
でも、こうした時だからこそ、私たちは改めて自分の立ち位置をしっかり堅持するべきです。
目先の利益を追いかけた自己中心的な行動で、長期的に私たちの住む社会や環境を守ることはできません。他人、とりわけ社会的弱者に責任を押し付けるのは簡単ですが、社会を良くしていく責任を果たしていくのは私たち自身です。
本当に良い社会は、自分の周りに壁を作ることによってではなく、橋をかけることによって創っていくものだと思います。
グリーンピースは他の市民グループと一緒に「壁ではなく橋を。憎しみではなく愛を。恐れではなく希望を」というメッセージのもと、「#BridgesNotWalls」というアクションを世界中で行いました。
東京からも参加し、それぞれの国のアクションとメッセージをまとめた動画は世界中に配信されました。
いま、グリーンピースでは、よりよい社会を一緒に作っていくためにボランティアとインターンを募集しています。
あなたも、周りの人々や社会・環境とつながる「橋」をかけてみませんか?
グリーンピースは、政府や企業からお金をもらっていません。
独立した立場だからこそできる活動で、私たちの知らないところで進む食の安全性や生態系への影響を明らかにしています。
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