こんにちは。エネルギーチームの鈴木かずえです。
神戸製鋼スキャンダルで再稼動が延期
九州の玄海原発、福井県の大飯原発の再稼動が延期になりましたね。
データ不正を行った神戸製鋼部品の調査に時間がかかるためです。
「調査してください、情報公開してください」と何千人もの方が声をあげ、国会議員やメディアに働きかけた結果、より時間をかけた調査を行うことになったのではと思います!
神戸製鋼の不正は40年以上続いていたということですから、高浜原発1、2号機や美浜3号機のような老朽原発の部品もしっかり調査していただきたいですね。
そんななか、関西電力高浜1、2号機、美浜原発3号機(すべて福井県)の廃炉を求める裁判(名古屋地裁)が続いています。グリーンピースのスタッフも原告になっています。12月6日の口頭弁論を傍聴してきました。
メインテーマは老朽化
法廷では、小島寛司弁護士と小島啓司弁護士が老朽原発の危険性を解説しました。
設計が古すぎる
そもそも高浜原発1、2号機は1975年以前の設計で、型が古い原発。東京電力福島原発でも、複数の配電盤が同じ場所に設置されていたという古い設計が全電源喪失を招いた例をあげて、設計の古い原発は事故を起こしやすい、ということを説明しました。
老朽化の審査方法に異議あり
美浜原発3号機のほうでは、小嶋啓司弁護士が中性子照射脆化問題についてこちらもスライド50枚を使って解説。
中性子照射脆化というのは、原子炉の部品が、放射能(中性子)に長年さらされることによって、金属素材がもろくなることです。規制も中性子照射脆化について慎重に審査をすることになっているのですが、そもそも審査に使われている計算式に誤りがあるという指摘がなされました。
国、関西電力からの口頭陳述なし
国、関西電力からも資料が提出されています。
けれども、国、関電からの口頭によるくわしい説明はありませんでした。
資料は「老朽原発40年廃炉訴訟」のWEBサイトに順次掲載されます。
市民の関心をメディアに伝えよう
集会の後、弁護団による報告会がありました。
口頭弁論も回を重ね、弁論内容も難しくなる中で、メディアの関心が低くなって記者会見への出席も少なくなってきていることが指摘されました。
メディアに、この裁判は市民の重大関心事であることを知ってもらう必要があります。
高浜原発1、2号機は40年を越えての延長運転が認可された最初の原発です。これが動けば、40年を超えようという老朽原発が次々に再稼動されてしまうでしょう。
ぜひ、各地のメディアに、「高浜原発1,2号機の裁判を報道して」とお声がけをお願いします!(まずはご自分で購読している新聞などに)
次回、第7回口頭弁論は3月22日14時からです。
(美浜3号機の裁判が15時からあります)
原告以外の傍聴は抽選になります。くわしくはブログでお知らせいたします。ぜひ、応援をお願いします!
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