国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区)は本日、環境団体5団体で進めている東京都議会議員選挙(6月25日告示、7月4日投開票)の候補者アンケートの集計結果(6月22日時点)をまとめ、発表しました。アンケートでは都の温室効果ガス削減目標に対する考え方など、環境問題7項目について尋ねています。すべての回答はこちらのウェブサイト上で公開しており、今後も新たに候補者からの回答が届き次第、随時内容を更新します。

<調査方法>

対象:東京都議選に立候補を表明し、連絡先の分かる候補者全員(6月22日時点で243人に送信、169人が回答)
調査方法:メールで調査票(グーグルフォーム)を送信。回答はウェブサイトで選挙区ごとに公開
アンケート実施主体:国際環境NGO グリーンピース・ジャパンゼロエミッション東京を実現する会(注1)、Fridays For Future Tokyo国際環境NGO 350.org JapanGreenTEA チーム環境活動家

<主な集計結果> (%は有効回答に占める割合)

  • 都が掲げる「2050年までのCO2実質排出ゼロ」目標(注2)について、84.6%(143人)が「確実に達成すべき」と回答。このほか、12.4%(21人)が「10年前倒して2040年実質ゼロ」、2.9%(5人)が「20年前倒しで2030年実質ゼロにすべき」と回答した。
  • 2030年までの温室効果ガスの削減目標について、58.6%(99人)が「現状の排出量の30〜50%削減を目指すべき」と回答。26.6%(45人)が「現状の排出量の50〜100%削減を目指すべき」と回答した。
  • 2030年までに再生可能エネルギーによる電力利用割合を50%程度まで高める都の目標(注3)について「50%に近づけるべき」との回答は全体の50.8%(86人)、「できるだけ100%に近づけるべき」は27.8%(47人)だった。
  • 2030年までの乗用車新車販売台数に占めるゼロエミッションビークル(ZEV)の割合についての質問(複数回答可)では、「できるだけ100%に近づけるべき」とした回答者が91人で最多。「(都のZEVの分類から)ハイブリッド自動車を除くべき」との回答者も35人いた(注4)。
  • 公共・民間の建物、住宅に関する設問(複数回答可)では、「新築はネットゼロエネルギービル(ZEB)・ネットゼロエネルギーハウス(ZEH)化を助成、既存建築物は省エネの改修支援をすべき」が88人と最も多かった。「新築のZEB・ZEH化を義務化、既存建築物の省エネ化を支援」とした回答者は44人、「新築のZEB・ZEH化と、既存建築物の省エネ化の両方を義務化」は11人だった。
  • 都の環境政策への市民参画についての質問(複数回答可)では、「市民への説明や意見交換の機会をできるかぎり多く、多様な方法で設けたい」とする候補者が最も多く154人に上った。また「都の審議会委員に若者、NGO、NPO、市民など多様な住民を加えたい」とした回答者も91人いた。
  • プラスチック問題(複数回答可)については、「使い捨て社会を見直し、事業者のリユースへの取り組みを拡大する」が155人で最多だった。

※アンケートの詳細は「ゼロエミッション東京を実現する会」ウェブサイトで公開


グリーンピース・ジャパン 気候変動・エネルギー担当、鈴木かずえ
「今回のアンケートでは、多くの立候補予定者が、都が掲げる2050年温室効果ガス排出実質ゼロに沿った回答を寄せています。いずれも野心的な省エネ政策、再生可能エネルギー拡大策に賛同しており、この点は大いに期待したいと考えています。

ただ、気候危機が私たちの生活に及ぼす影響は、年々その規模と頻度を増しています。近年頻発する大型台風や集中豪雨に加え、江東5区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)では極端な海面上昇など、気候変動が東京の自治体に与える影響は計り知れません。1396万人の都民を代表する都議会議員には、今回の回答をリップサービスにとどめることなく、具体的な政策、行動につなげていくことを強く求めます」

以上


(注1)ゼロエミッションを実現する会は、自らが住む自治体の脱炭素に取り組む市民が作るプラットフォーム。グリーンピース・ジャパンが事務局を務めている

(注2、3)東京都 ゼロエミッション東京戦略2020 Update & Report

(注4)東京都は電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド自動車をZEVに分類している