国際環境NGOグリーンピース(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、5月30日の「ごみゼロの日」を前に、本日買い物時の使い捨ての容器包装や付属品に関する意識調査の結果を発表しました(注1)。買い物時に付いてくる使い捨ての袋や容器、付属品などについて、「不要」「使いたくない」「選びたくない」と考える人は、全体の4割を超えます。また、近年世界各地で登場する使い捨ての容器包装ごみを出さない新しいサービスについて、「使ってみたい」人は56.4%で過半数を占めました。調査結果から、ごみ削減や地球環境の配慮への高い関心がうかがわれました。

私たちの暮らしでは、食品や日用品を買うと、商品がプラスチックや紙などでできた使い捨ての袋や容器に入っていたり、緩衝材やスプーン・フォークなどが付いていたりします。環境省によると、家庭ごみの63.2%が容器包装類です(注2)。グリーンピースは、こうした使い捨ての袋や容器、付属品について、国内在住の一般の方1000人(18歳~79歳)を対象にインターネットを通じて調査を行いました。

図:近年世界各地で、使い捨ての容器包装ごみを出さない新しいサービスが増えてきています。こうしたサービスを利用してみたいと思いますか?


<主な調査結果>

  • 食品や日用品が入っている使い捨ての袋や容器、商品に付いて来るスプーンなどの使い捨ての付属品について「使いたくない、あるいは不要なので、できるだけそうした袋や容器なしの商品を選んでいる」「できれば使いたくないが、どうしても使い捨ての袋や容器が使われている商品が多く、買わざるを得ない」と、否定的な人は、合わせて全体の41.2%だった。
  • 近年世界各地で登場する使い捨ての容器包装ごみを出さない新しいサービスについて、「大いに使ってみたい」「できれば使ってみたい」人は、合わせて56.4%で過半数を占めた。「使ってみたい」層の理由で最も多いものは「ごみが出なくて良い」78.0%、次いで、「地球環境に良い 」52.0%で、ごみ削減や地球環境の配慮への高い関心がうかがわれた。
  • グリーンピースが運営するごみを出さないお買い物マップ「グッバイ・ウェイスト」を使ってみたい人は、「大いに使ってみたい」「できれば使ってみたい」を合わせて、全体の44.4%だった。「使ってみたい」層の理由で最も多いものは、「日々の買い物を通じて、ごみ削減に身近に取り組めるから良い」 46.6%で、ごみ削減や、自分で身近にできる取り組みへの関心の高さが表れていた。

グリーンピース・ジャパン 広報担当  城野千里

「買い物時に付いてくる使い捨ての袋や容器、付属品などについて、『不要』『使いたくない』『選びたくない』と考える人は、全体の4割を超えます。使い捨て容器包装に頼る商品やサービスは、こうした層への訴求力や魅力が弱いと言えます。一方、近年世界各地で、自分の容器を持ち込んで買い物をする『量り売り』や、『繰り返し使える容器』で商品を販売し、事業者側が容器を回収・洗浄した後、中身を詰め替えて販売する仕組みなど、使い捨ての容器包装ごみを出さない新しいサービスが増えてきています。こうしたサービスを利用してみたい人は、全体の56.4%と過半数を占めます。背景には、人々のごみ削減や地球環境問題への関心の高さがあります。企業は廃棄物を出さないサーキュラー・エコノミー(循環型経済)に向けて、ビジネスのあり方を再考すべき時です」

グリーンピースと一般財団法人地球・人間環境フォーラムは、5月27日(木)「プラごみ問題の真の解決策ーーリユース革命!容器包装で始まるサーキュラー・イノベーション」と題したシンポジウムを開催します。自治体の中でプラごみ問題への取り組みが先行する東京都環境局と京都府亀岡市の後援の下、サーキュラー・エコノミー推進で世界的に有名な英国エレンマッカーサー財団をはじめ、国内外の注目リユースビジネスを紹介します。ぜひご参加ください(注4)。

<調査概要>

対象:国内在住の1000人を対象に18~79歳で10代刻み。男女の人口構成比に合わせて実施
地域:すべての都道府県
方法:グリーンピースが楽天インサイト株式会社に委託してオンラインで実施
時期:2021年5月20日(木)〜21日(金)
有効回答数:1000人

(注1)「買い物時の使い捨ての容器包装や付属品に関する意識調査」
(注2)容器包装廃棄物の使用・排出実態調査の概要(令和2年度)
(注3)ごみを出さないお買い物マップ「グッバイ・ウェイスト」
(注4)5月27日(木)シンポジウム イベントページ