国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)とグリーンピース・アフリカは本日、インド洋のモーリシャス沖で7月25日(現地時間)に発生した貨物船「わかしお」の座礁事故をめぐり、運航会社の株式会社商船三井(東京都港区)と、貨物船を保有する長鋪汽船株式会社(岡山県笠岡市)に対し、被害に対する十分な補償や調査、化石燃料からの撤退を求める公開状を送付しました。

座礁した貨物船からは大量の重油が流出しており、周辺のマングローブ林やラグーンに生息する絶滅危惧種を含む固有種などが危険にさらされています。さらには環境への影響だけでなく、モーリシャスの経済や、食料供給、人々の健康への影響も懸念されます。それにもかかわらず、商船三井と長鋪汽船は、公の場で謝罪しましたが、一方で被害を抑え、責任を果たすための十分な行動をとっていません。


公開状では、両社に対し以下の点を求めています

  • 汚染者負担原則の完全履行
  • 事故の原因と影響に関する第三者機関による調査を完全公開し、その費用を負担すること
  • 事故を起こした航路の使用中止を約束すること
  • 化石燃料からの撤退


公開状の全文はこちら


グリーンピース・ジャパン  プログラム部長 高田久代
「周辺の生態系や、モーリシャスの人々への影響を最小限に抑えるための措置を急がなければなりません。石油などの化石燃料は、採掘、輸送、貯蔵、使用のどの段階でも、安全を保証することはできません。化石燃料に依存し続けている限り、こうした悲劇を完全に避けることはできません。石油は、今回のような汚染だけでなく、気候危機も悪化させます。企業や各国政府は、このような事故を繰り返さないためにも、一刻も早く、化石燃料から自然エネルギーへの移行が必要です」


<参考>
座礁事故に対するグリーンピース・アフリカの声明(8月7日)



以上