第4回目調査

 

調査の背景

2011年5月にグリーンピースが行った海洋調査では、福島沖の魚や海藻から、国の暫定規制値を上回る放射性セシウムを検出。

今回は、福島の漁業関係者より福島沿岸漁業9月解禁の予定を聞き、放射能汚染調査を行いました。

グリーンピース・ジャパン 海洋生態系担当 花岡和佳男は今回の調査について、「グリーンピースは、漁の再開に反対しているのではなく、消費者が安全な魚介類を選択できるように情報提供することが、漁業の復興にもつながるとの思いで、調査を行いました。また、調査結果を漁業関係者に提供し、今後の補償に役立ててもらいたいと考えています。」と語りました。 

調査の日程

2011年7月22日(金)~7月24日(日) 

調査結果

調査したすべてのサンプルから放射性物質を検出。
福島沖の放射能汚染が、依然として深刻な状態であることが判明
しました。

調査結果の詳細数値 >> 

日本政府への要請について

要請内容

要請理由

  1. 汚染地で漁獲された魚介類が広く流通してしまえば、現状のモニタリングおよび流通規制では、 魚介類商品を購入する消費者の安全性を確保できない
  2. JAS法に基づく生鮮食品品質表示基準では、国産の生鮮水産物の原産地表示は「生産した水域の名称」(水域名)の記載が困難な場合には、「水揚げした港名又はその属する都道府県名」をもって水域名の記載に代えることができることになっており、たとえばもし三陸や常磐の沿岸で獲られた魚が西日本や日本海側の港で水揚げされれば、商品ラベルにはその水揚げ漁港が表示されることになり、加工品や刺身盛り合わせなどの商品には、水揚げ港の表示すらされていないものも多くあるため、消費者は、商品が実際にどこの海で獲られたものなのかを、購入の際に知ることができない。
  3. 消費者の最大の魚介類購入先であるスーパーマーケットで扱われている魚介類には、農林水産省が発表する「水産物の放射性物質調査」の対象になっていないものや、対象になっていても、調査結果の公表日がかなり以前のものが多く見られ、商品の安全性が確保されているとは言い難い
  4. 商品が政府の定める暫定規制値以下でも、例えばセシウムの汚染レベルが0ベクレルか499ベクレルかでは、摂取する側にとっては大きな違いとなる。放射性物質には、「摂取しても絶対に問題が無い」と言う内部被ばくの許容量はなく、できるだけ低く抑える必要があるにもかかわらず、現状では消費者が被曝レベルを判断できる情報が提供されていない。

調査場所・範囲

福島県沖:釣師浜港、久ノ浜港、四倉港、小名浜港、勿来港

記者会見配布資料

今回の調査、報告に関するグリーンピース・ジャパン海洋生態系担当 花岡和佳男のブログはこちら >> 

作業方法と使用した放射線測定機材

魚類および海藻類のサンプリングを行い、フランス原子力安全機関(ASN)認定機関のアクロ(ACRO)研究所やクリラッド(CRIIRAD)研究所(共にフランス)にて放射性物質の測定と核種分析。

大切なご支援ありがとうございます

グリーンピースは、東電福島第一原子力発電所事故が起きた直後の2011年3月末から放射線調査チームを結成し、福島で放射能汚染の実態調査を行ってきました。
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