食品流通の中で広がる放射能汚染を調査するため、東京都、神奈川県、大阪府、奈良県のスーパーマーケットで抜き打ち調査を行いました。この調査で検査した食品の購入は、ボランティアの市民調査員の方がご協力下さいました。みなさまありがとうございました。

放射能測定室 シルベク 食品放射能調査
13回目:スーパーマーケット魚介類

検査結果と商品およびサンプル購入先店舗

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調査結果

4月3日から15日にかけて、13道府県を産地とする30サンプルの魚 を検査した結果、2サンプルからセシウム137を検出しました。
検出された2サンプルは下記の通りです。

商品およびサンプル購入先店舗などの情報は、PDFでご確認ください。

イトーヨーカドーで購入した商品からは、前回の調査でもセシウムを検出していますが、イトーヨーカドーは「問題ない」「新たな対応をとることはない」と回答しています。
また、2013年2月にグリーンピースが発表した「お魚スーパーマーケットランキング」では、対象企業中唯一詳細情報の提供を拒否し、最下位にランクされています。

一方でダイエーの担当者は「調査を有難うございます。今回の調査結果を受けて今後の対応を社内で検討します。」との回答でした。
 

調査内容

 
<ストロンチウムの測定について>

グリーンピースは、食品検査の結果をより多く、より早く消費者の皆さまへ伝えたいと考えています。
測定方法の違いにより放射性ストロンチウムの測定には、数週間の時間がかかり、費用も高額であることなどから、グリーンピースは放射性セシウムの測定を優先して行っています。

同時に、放射性ストロンチウムの調査規模が拡大されるよう、日本政府に要請しています。 引き続き、皆さまが自らの健康を守るため自衛の対策を取れるよう、そして皆さまと一緒に企業の方針や政府の政策を変えていくために、グリーンピースは調査を続けます。
 

グリーンピースの提案

 

© Kazuya Hokari/Greenpeace

政府の定める「食品に含まれる放射性セシウムの基準値(一般食品では1キログラムあたり100ベクレル)」を流通基準としている現在では、汚染された魚の流通を完全に防ぐことは困難です。

日本でも牛肉やお米では実現しているトレーサビリティー体制(いつ、だれが、どこで生産し、どのような経路で流通したかを追跡することができる仕組み)を魚介類で確立させることが、消費者の購買に対する不安を取り除くひとつの方法です。

消費者の不安を解消することは、漁業復興の大きな一歩です。
これを現実にするため、グリーンピースは下記3つの取り組みを提案しています。

  1. 汚染された魚介類の流通を防ぐ
    魚介類が水揚げされる漁港は流通のスタートです。
    すべての漁港でより多くの検査が実施されることが必要です。
  2. 魚介類のトレーサビリティー体制をつくる
    スーパーや回転寿司などに並ぶ魚介類が、いつ、どこで、誰によって獲られたか、そしていつ、誰が、どのように流通したかを追跡できる流通システムをつくる必要があります。
  3. 安心して買い物ができるような情報を提供し、風評被害も防ぐ
    1キログラムあたり○○ベクレル」という具体的な数値に加え、実際にその魚が獲られた海がどこなのかが表示されることで、消費者は自身の基準と照らし合わせて魚を選ぶことができます。

このような被害を二度と生まないよう、一刻も早く原発依存から脱却し、自然エネルギーへとシフトする政策が必要とされています。
 

グリーンピースの取り組み

 

 

大切なご支援ありがとうございます

グリーンピースは、東電福島第一原子力発電所事故が起きた直後の2011年3月末から放射線調査チームを結成し、福島で放射能汚染の実態調査を行ってきました。
こうした調査や活動は、全て市民のみなさまのご寄付のおかげです。
一人一人のご寄付が、政府や企業からの援助を受けずに、独立した調査とキャンペーン活動を可能にしています。
ぜひ、グリーンピースをご寄付で支えてください。