最近は、終活という言葉を耳にする機会が増えました。自分自身、またはご両親など、何かしていることはありますか? 気にはなっていても、頭ではわかっていても、いざ何かするとなるとなかなか腰が重い方も多いのではないでしょうか。

10月24日、グリーンピース・ジャパンとしては初めての企画となる「終活セミナー」を開催しました。これは、グリーンピースの活動を支えてくださるサポーターの皆さまに、それぞれの将来について考えていただくと同時に、遺贈寄付を通して地球の未来についても思いを馳せていただこうという主旨のものです。

当日は、土曜日の朝にもかかわらず、沖縄や海外から、そして40~80代まで幅広い皆さまが30人ほどオンラインで集まりました。中にはご夫婦でご覧になってくださった方もいて、強いご関心をお持ちであることがうかがわれました。

セミナーは、グリーンピース・ジャパン事務局長の挨拶に始まり、司法書士法人東京さくら代表司法書士で日本継承寄付協会代表理事の三浦美樹先生に、遺言の書き方と手続きについての講演をいただきました。

司法書士法人東京さくら代表司法書士で日本継承寄付協会代表理事の三浦美樹先生

遺言書は残された大切な家族のために

遺言書なんて財産がたっぷりある人が書くものと思われがちかもしれませんが、実はそうではないのです。

遺言書がないばかりに、きょうだいで争うことになったり、ずっと老親の世話をしてきた子どもが報われなかったり、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。また、どこにどんな財産を持っていたのか、遺族が調べるとなるとひと苦労です。

遺していく大切な人のためにも、財産の多寡にかかわらず遺言書は書いておくほうがいいこと、遺言書が故人の思いを実現するだけでなく、残された家族も財産以上に得るものがあり、幸せになれることが、改めて三浦先生のお話からわかりました。参加者の皆様もこのことを実感されたようです。

参加者の方への特別プレゼントとして、終了後先生の講義の動画と資料をお配りしました。復習や当日参加されなかったご家族との会話のきっかけとして活用いただけるものと思います。

美しい地球を次の世代に手渡すために財産を託すという選択

A mother and a baby orangutan at feeding ground in Tanjung Puting National Park, Central Kalimantan. Tanjung Puting National Park, one of the natural wonders of the world in Indonesia, now threatened by palm oil expansion owned by PT ASMR concession, a subsidiary of Bumitama Gunajaya Agro (BGA) Group.

セミナーでは、渉外担当マネージャーであり遺贈寄付の窓口もしている吉野から、グリーンピースの活動と遺贈寄付についても説明しました。遺贈寄付というのは、遺言書に寄付する旨を書いておき、大切な財産を自分が託したい団体などに寄付することです。

遺贈寄付についても、お金持ちがするものだと思われている人が多いのですが、そうではありません。寄付する額は自由です。遺った現預金の10%、住んでいた家を換金して寄付、といったような形で遺言書に書いておくことができますし、そのうえで、もし遺らなければ寄付しなくてもいいのです。

実は、世界のグリーンピースの寄付収入の約1割は遺贈寄付からのものです。

グリーンピースの活動の根幹を支えるとても大きな、大切なご寄付の方法なのです。財産を大切な人に直接遺すだけではなく、みどり豊かな地球環境を未来の世代に遺すと考えて、グリーンピースへの遺贈寄付をお考えいただければ幸いです。

当日の遺贈寄付についてのプレゼンの様子を公開します。ご関心のある方はどうぞご覧ください。

実際に遺言を書いてみる

セミナーの後半では、遺言書を書くワークショップを行いました。自筆遺言に必要な項目を示しつつ、実際に書く作業に入ると、次から次へと質問が飛び出しました。それも具体的な質問ばかり。

通常、こうした終活セミナーや相続セミナーの場合、質問が少なく静まり返ってしまうことも多いそうなのですが、この日は時間があっという間に過ぎてしまいました。それは、三浦先生の親しみやすく分かりやすい講義と、大変和やかに楽しく進んだセミナーの雰囲気、そして環境への思いという共通点のあるグリーンピース・コミュニティへの安心感と信頼感をお持ちいただいているからではないか、と参加者の方々の姿を拝見していて思いました。

また、これまで相続や遺言書について気にかかることがあっても、それを解消する機会もあまりなかったかもしれません。チャットで質問できることも、質問するハードルを低くしたようでした。質問ひとつひとつに、三浦先生が丁寧に回答、それでも不明点があればさらに質問を重ねてくださいました。十二分に質疑応答の時間をとることで、たくさんの参加者にご満足いただけるセミナーとなりました。

終了後に実施したアンケートには、「遺言の意義と、残し方の概要を学べました」「大変勉強になった」「遺言書を書く大切さがわかった」といった声に加えて、「素晴らしいセミナーでした。日頃、終活を考えており、自分の遺志をきちんと残したいと考えていましたが、前進する良い機会となりました」といった嬉しいお言葉もいただきました。皆さまのより幸せな人生に向けて行動するきっかけになったとしたら、幸いです。

遺贈寄付について一緒に考えてみませんか?

グリーンピース・ジャパンでは、より詳細なご相談をご希望の方には、専門家のご紹介など、具体的な終活に向けてのお手伝いもしています。

環境問題にご関心の高いサポーターの皆さまは、これからの地球、そしてそこに生きる子どもたちや孫たちのことを気にかけている方も多いでしょう。そんな未来のために、まず自分ができることのひとつとして、「終活」や「遺贈寄付」について考えてみませんか。

これからも「終活セミナー」を開催する予定です。ぜひご参加ください。

遺贈寄付について詳しい資料をご希望の方は、 こちらからご請求ください。9月30日までに資料をご請求いただいた方に、グリーンピースの特製ピンバッチをプレゼントします。

相談をご希望の方はその旨お知らせいただければ、後日担当からお電話いたします(その場合はお電話番号をご明記ください)。

厳しさを増す環境破壊に取り組んでいくためにも、より力強いご支援が必要です。皆さまと一緒に環境問題の解決をさらに推し進められるよう、さまざまなご寄付や活動にお力をいただけましたら幸いです。

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グリーンピース・ジャパンでは、環境問題に触れたり行動したりする機会を作り、様々なアイディアを持つ人々と繋がるために、各種イベントを企画しています。

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