こんにちは。

環境問題について調べてみたはいいものの、あまりにも複雑で深刻で、知れば知るほど「私にできることなんてあるのかな?」という絶望的な気持ちに・・・。そんな経験、ありませんか? そもそも自分の生活をしていくので手一杯。でも、そんな絶望を感じているあなたに共有したいことがあります。それは、「今日からできること」は実はたくさんあるということです。

今日から何ができるんだろう?

◾︎買うときに唱えるおまじない:「本当に必要?」

買い物ってストレス発散だったり、気持ちをワクワクさせてくれたり、ひとときの癒しになったり、生活する上で消費することはなかなか避けられません。でも、そのあなたのワクワクが地球を犠牲にしているかもしれません。

例えば、誰にも着られることのないまま捨てられる洋服は年間で10億着*1。しかも作られて捨てられるだけでなく、カラフルな洋服を着るために化学物質が川や海を汚染しています*2。

2000年の「ファストファッション」の登場以降、人々は2倍の服を購入し、半分の時間で着ていると言われています。そんな大量生産・大量消費による環境破壊に気づいている人も多いはず。

だから、「欲しい!」って思った時にまずは「本当に必要?」と問いかけてみませんか? そうすることで、おのずと答えが聞こえてくると思います。グリーンピースのオーシャンアンバサダーの四角大輔さんは、「欲しい理由を10分以上人に伝えられるか?」を基準に買い物をすると話していました。そのくらいの想いがあれば、大切に長く使えるものの購入につながりますよね。

いまあるものを直したり、新たなものに作り替えたりして大切なものを長く使えたら、ワクワクや愛着が倍増しますよね。インスタグラムで「#Makesmthng」で検索すると、たくさんの手作りやリペアのアイデアが出てきますよ!

◾︎週に1日だけお肉フリーの暮らしで森と気候を守る

現在主流な大規模な工業型の肉や乳製品の生産方法「工業型畜産」は、家畜の放牧地を確保したり、飼料を生産したりするために、森林を燃やし、伐採しています。つい最近も、アマゾンの森が燃え続けていることが世界に衝撃を与えました。いま、地球の陸地の26%が家畜の放牧地に使われ、畜産を含める工業型の食料システム全体が、森林破壊の原因の80%を占めるともいわれています*3。

さらには、大規模な森林破壊、家畜の排せつ物などが原因で、いまや畜産業が排出する温室効果ガス(GHG)は全体の14%を構成し、地球上の全ての交通手段(車、トラック、飛行機、船舶、列車)が排出する量と同レベルなんです*4。

地球上の酸素を作ってくれ、二酸化炭素を吸収し、気候を安定させてくれている森。私たちが生きていくには森を守ることが必要です。

私たちが肉や乳製品の消費を減らし、食事をプラントベース(野菜中心)にかえることがその森を守り、気候を安定させるための行動になります。たとえば、週に1日だけお肉を食べない日をつくってみる。そんな小さなアクションが、森と現地の人々を守る大きな変化へとつながります。

◾︎使い捨てから繰り返し使う暮らしにシフトする

東京湾のカタクチイワシの8割*5から、世界の食塩の9割にプラスチックが見つかっていること*6は、日本にも世界にも衝撃を与えました。完全にプラスチックなしの生活って本当に難しいです。多くの野菜やお菓子、生活必需品がプラスチックに包まれていますよね…。でも、できること、あります! 私は使い捨てではなく、繰り返し使える代替品に少しずつ切り替えています。

たとえば、サランラップの代わりにミツロウラップを使ってみる。洗って繰り返し使えるため、半分残った玉ねぎや使いかけのしょうがなどをそのまま包んだり、ちょっとしたお菓子を包んだり重宝しています。

MAKE SMTHNG Week in Bangkok. © Baramee Temboonkiat / Greenpeace

©️ Greenpeace

最近では、洗剤の詰め替えや、ナッツやシリアルをそのまま容器に詰めることができるお店も登場しています。

家の近くにあるかな? Less Plastic Lifeさんがまとめてくれたこちらのサイトが便利です。ぜひ行ってみた様子や感想をインスタグラムでグリーンピース(@greenpeacejp)をメンションして教えてください!

知ってみる

映画

気候戦士~クライメート・ウォーリアーズ~(11月29日公開)

アメリカの先住民のバックグラウンドを持つ17歳のヒップホップ・アーティスト、シューテスカット・マルティネスを中心に、エネルギー政策で揺れ動くアメリカをはじめ、ドイツや世界各国の希望に満ちた動きを記録したドキュメンタリーです。「第4の革命」を監督したカール-A・フェヒナー氏が気候変動の深刻な現状だけでなく、残された希望を描き出します。

『プラスチックスープの海』チャールズ・モア/カッサンドラ・フィリップ著

海にあふれるプラスチック、その影響について学べる本。魚の体内にも見つかっているプラスチック。その魚を私たちも食べている?! プラスチック問題の第一人者、高田秀重教授(東京農工大学)の解説もついていて分かりやすいですよ。

できることからはじめる

他にもたくさんあります!

  • 自転車や電車やバスなどの公共交通機関を使ってCO2排出量を減らす。飛行機に乗るときは、他の交通手段を最初に検討する(電車で移動する場合のCO2排出量は、1人当たり19g/1kgに対し、飛行機の移動は、なんと96g )。
  • パワーシフトのウェブサイトを見て、自宅の電気を持続可能な自然エネルギーの電気に乗り換える(自然エネルギーを求める人が増えれば、自然エネルギーが増えていきます!)
  • 地産地消の食べ物を選んで、生産地から食卓に届くまでのCO2排出量を減らす(東京で愛知県産のブロッコリー1個を購入したときのCO2排出量が13gなのに対し、カリフォルニア産のブロッコリーを購入すると51g。「フードマイレージ」とも呼ばれます)

こうして書き出してみると、できることがたくさんあると思いませんか? そして、習慣となってしまっている日々の小さな「つい」を変えるだけで、環境アクションをかんたんにとれるということも。

私たち一人一人ができる範囲で、そしてできるところから、小さなアクションをしていくことも大切です。これまでも私たちが変われば、政府や企業も変わってきました。グリーンピースはこれからも一人一人の力と一緒に政府や企業の変化を作り出していきます!

 

*1: https://digital.asahi.com/articles/ASL725F9NL72ULZU00N.html
*2: https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2018/07/18/415/
*3: Greenpeace livestock vision towards 2050
*4: Greenpeace livestock vision towards 2050
*5: https://www.greenpeace.org/archive-japan/ja/news/blog/staff/blog/61656/
*6: https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2018/10/18/1541/