こんにちは、グリーンピースボランティアのRinaです。

丸の内の帝国劇場ビル内にあるパタゴニアで開かれたイベント「ローカル選挙カフェ〜私たちの地球のために投票しよう」に行ってきました!

パタゴニアは世界的な衣料メーカーで、業界の最前線で公平な労働基準と安全な労働環境の推進に取り組み、気候変動など環境問題の解決を経営理念とする企業です。日本の選挙について若者と考える場を作ってくださるところが、さすがサステナブルな理念の企業です😊♫

初めは、政治に関心の薄い10代、20代の人たちを対象としたイベントでしたが、幅広い世代と意見交換してほしいということで、誰でも参加できることになりました。

会場には千葉商科大学をはじめとした学生さん達が半分を占め、次に女性が多く、そしてスーツ姿もちらほら。メディアも数名来ていました。

 

衣料品ブランドのプラントベースxオーガニックへのこだわり

なんと、無料イベントで、美味しい軽食とドリンクが提供されました!
軽食は乳・卵不使用のベーグルとマフィンです😳✨ヴィーガンの私でも食べられました😆☘️

吉祥寺のカフェ『暮らしとたべごと ふたつの木』よりケータリングし、材料もオーガニックのものにこだわっています。

パタゴニアは衣料メーカーですが、食と環境問題は密接に関係しているという考えから、食品も自社生産していて、全てサステナブルな生産方法で作っています。

今回提供された軽食は、ベーグルには、パタゴニアのブラックベリービーンズを、水で溶いてペースト状にして練りこんであり、マフィンにはアプリコットアーモンドバーを砕いて使っています。小麦がとってもいい香りで、パンがパタゴニアの製品とよく合って、めちゃめちゃ美味しかったです🥐

そしてジンジャーエールとコーヒーまで☕️無料のイベントと思えません…😳

 

なぜ選挙が環境にとっても大切なのか

日本では7/21に参議院選挙がありますが、パタゴニアでは従業員に、一日日本の未来について家族や知人、大切な人と語り合い、選挙に行ってもらうために全直営店を閉店するそうです。従業員さんの政治への関心が高いのもうなずけます。

今回のイベントは、まず、世界の気候変動と日本の若年層の投票率の低さについてグラフを用いて10分ほど解説がありました。

気温が1℃上昇すると地球全体に壊滅的な影響をもたらします。地球温暖化をはじめとした環境問題は危機的状況で、それは政治が動かなければ変えることはできません。

政治を変えるには、私たち一人ひとりがしっかりと問題意識を持って、選挙に投票に行かなければいけません。

しかし、日本は投票率が低く、年代別で見ると10、20代は投票率が軒並み低いです。60代は70%なのに対し、20代は35%しかありません。

パタゴニアは、そのことを問題視し、日本の若者の声を政治に届かせるために投票を呼びかけるイベントを行ったのです。

 

15分ほどの解説が終わるとあとはみんなでセッション!2時間近くも…!

たっぷり話す時間を作ってくれました😆✨

セッションは、できるだけ初めての人と世代がバラバラになるように5、6人のグループを作って行われました。議題は環境に限らず、年金や社会保障など、全てのジャンルで話していいことになっています。みんなが思い描く社会、理想の社会について話すことが目的です。

 

〜session 1 これまで投票に行った?行ってない?その理由は?〜

〈私たちのグループ内シェア〉

・実家が新潟で遠く、なかなか帰れないし、東京でどうやって投票していいかわからず面倒だが、母親が政治に熱心で投票ハガキを送ってくるので投票している。政治について話すと偉そうにきこえるし、変わらないんじゃないかと感じる。

自分の1票で何もかわらない。投票で将来の未来や環境、子ども達を救うビジョンが見えないので行ったり行かなかったりしている。

などの意見がありました。私自身も、投票したいと思っても、自分の考えを代弁してくれる議員がいなかったので、あまり選挙に関心が持てず、行く時と行かない時がありました。

 

〜session2 興味・関心のある社会問題、環境問題はなんですか?〜

〈私たちのグループ内シェア〉

・今の政治は近い将来の話ばかりで、遠い将来の話がされていない。

・将来は発達障害の支援や特別支援学校で働きたいと思っているが、いろんな障害を持っている人達が、社会に過ごさせてもらっている、という意識をなので、段階はみんな違うけど、みんな自由な気持ちで過ごしてほしい。

・日本は農薬大国で、農薬使っている野菜は栄養不足、ミネラル不足で発達障害になる人が増えている。そういう面で農薬は、環境破壊にも繋がるし、教育や障がい者の増加にも繋がっていく。オーガニック野菜を増やしてほしい。

・自分は発達障害当事者で、今の日本はLGBTなどマイノリティの話がしづらい。男女でないカップルでも、身体的に障がいがあっても、多様性を受け入れる社会が必要。もっと一人ひとり、個性を大事にする社会になってほしい。

・日本はカテゴリーを作りやすく、それが社会的弱者のレッテルを貼りやすくしているのではないか。マジョリティに合わせなきゃいけない、という意識が強すぎるように感じる。

・1人が突出していてもだめ。チームとして一人ひとりの個性が反映されてこそ強くいい社会ができる。

・イギリスに行った時、家族で1人がベジタリアンで、他の人は肉を食べていた。ベジタリアンが良くてそれ以外はだめ、逆にベジタリアンが嫌い、とすぐに対立に持っていくのではなく、寛容性を持って常に選択肢を用意しておくことが大事。いい悪いでなく、両方を認め合った方がいい。どちらも用意して選択できる環境を作ることが、多様性にも繋がる。多様性を受け入れる姿勢が日本には大切。

・集団形成のしかたにも二種類あって、集団を作るための“個”は、いがみ合わないようにしてしまい、高め合うことは無いと思う。しかし、確固たる目的を持った“個”が集まった集団は、強くなにかを成し遂げられる。

多様性だけを認めてもそこで社会の受け皿がなければ成り立たない。多様性の、個を尊重する考えだけでなく、集団も必要で、そのバランスがいい社会を作っていく。

などの意見が出ました。多様性をなくした社会に発展はないでしょう。マジョリティの意見を優先し、マイノリティに寛容でない社会は弱いです。個を尊重することが大事ですね。

 

〈グループ別代表発表〉

・化粧品や歯磨き粉に含まれるマイカについて。マイカとは鉱物で、インドの児童労働が関わっている。化粧品ではキラキラし、歯磨き粉としてピカピカを作るもので、生活必需品ではない。それらが誰かの犠牲の上につくられていると考えると、なんで自分生きてるんだろうと思ってしまう。日頃から製品表示を見て、製造された国、成分を考えることが大事。

・あまり環境について問題意識がなくここにきたが、海外で生活していた人の話を聞いて、水不足の深刻さに驚いた。海外ではシャワーが15分しか使えない。日本でも水の大切さが広まるといい。

・環境問題について話すと、真面目な人という印象を持たれてしまうので、同じように関心を持っている人じゃないと話せない。そういう人を増やしたり、今回のようなイベントを知ってもらうには、年齢によってフェイスブック、インスタを使えない人もいるので、発信の仕方を考えた方がいい。


〜session 3理想の未来を作るには〜

〈グループ内シェア〉

・自動車免許の返上があるように、選挙権の返上もあっていいのではないか。いま年代による人口の偏りで、高齢者の意見が通りやすく、その人たちが望むことは数年後の近い未来のことが多い。彼らにとって孫やひ孫にあたる、もっと下の年代が住みやすい社会になるよう投票で反映できるようにしたい。そのための仕組みとして選挙権の返上があってもいいのではないか。

・100人いるうちの1人より、50人いるうちの1人の方が投票意欲が湧くかもしれない。

・どうせ世の中変わらない、という気持ちがあるなら、例え数を減らしても投票率は変わらないのではないか。数を減らすより、政治家との距離を縮める、関心を持って自分の1票が未来に繋がると実感することが必要ではないか。

直近の問題を政治に反映することも大切で、人数の多い世代の意見が減ってしまったら、高齢者問題の優先順位が下がる。過疎地に住んでいる人は車がもっと必要とか、選挙場が遠いなどは、後回しにできない問題。

・比例制にして、一票の重みを年代別にして変える。そして、実際に障害を持ったり、困っている人が直接議員になり、社会的弱者の生の声を政治に届ける。

今の選挙はワクワクしない。今の選挙で言ってること。その度、票が欲しくて今の話題を出しているが、選挙が終わると結局は実行されていない。

・遠い未来を見据えた政策も大事だが、原発、消費税増税、いま決めなきゃいけない問題も多い

・政治なんてどうせ変わらないと思っても、実際自分が知ろうとしていないので、言ってはいけない気がする。知ろうとしないのは、する機会がないから。政治は、直近のことを話すのは大人だけど、未来の話ができるのは頭の柔軟な子どもだと思う。周りの意見を聞いてディスカッションできる場が大人にも欲しいし、子どもにも提供したい。

 

〈グループ別代表発表〉

・バングラデシュの労働環境を聞いて、自分たちは学校に行くのが当たり前、という考えが平和ボケしてると思った。この日本の環境がいかに貴重か、一人ひとりに知ってほしい。そして、どうすれば不平等な社会を変えるか。ナンバー係数に、「150人の仲間」というのがある。人は暮らす上で150人までが身近に感じることができ、苦しいとか楽しいとかが感じられる。地球規模のことを、150人として考えれば、世の中の問題をもっと身近に感じられるのではないか。

これからの地球を考えてどんな地球を残したいかを考えれば、みんな選挙に行くと思う。自分はよく父親とサーフィンをしに、朝方海に出かける。2人で美しい日の出を見るのが好きだが、環境破壊が進めば、この美しい景色と日の出を見ることはできなくなる。そして、「親父と2人で朝方見る」ということが、自分の子どもとできなくなってしまう。今行動を起こせば、子どもにも孫にもみせてあげられる。このように、周りの人間とつなげていけば、投票が身近なものに感じる。

・いま何事もスマホの中で完結している。人は電車に乗っていても、いつもスマホを見ている。スマホを見ていたら、外に綺麗な景色があっても気づくことさえできない。それをみんなで綺麗だねって言いあえる社会になればいいと思う。

・大学生なのに意識高い青年が多い。今日本人は、ベビーカー、犬を連れていたりしないと、他人に声をかけられない。いつからこうなってしまったのか。この世からお金をなくしたい。

・今日本には、選挙行っても仕方ないと思う若者が多い。確かに投票に行って意味があるかわからないが、理想の未来は人それぞれあって、選挙は絶望しないための手段だと思う。やってもどうせ変わらないと思うかもしれないが、もし投票したら、その先に同じ景色があるかわからない。社会を変える選択肢のひとつとして選挙があるのかな、と思う。

 

〜パタゴニアスタッフのお話〜

3日前までは自分は選挙に行かないつもりでした。私はオーストラリアで8年住んでいました。そこでは、友達や会社でも、あの政党だと永住権もらえないよ、とかあの建物が建ったら海が見られなくなるから投票に行こうなど、カジュアルに選挙について話していました。日本は選挙の話をタブー視してるように思えるので、もっとカジュアルに話せるようになるといいと思います。

自分だったら、海が好きなので、マイクロプラスチックなど、海の問題に関心があります。3日前、パタゴニアの人と話をしていて、環境について考えている政党があるよ、と聞いて選挙に行こうと思いました。人それぞれ、自分が関心を持つ社会問題は違うと思います。政党の政策を見て自分の関心ごとを実行してくれる、自分の代弁者を探すといいと思います。今回のイベントをきっかけに選挙に行く、というアクションを起こしてほしい。そして、もっとカジュアルに政治について話せる場がもっともっと増えるといいと思います。家族、友人と話して、考えをシェアして選挙について話す場を皆さんにも作ってほしいです。

 

〜最後に〜「私達の地球のために投票しよう」

今回のイベントを企画したパタゴニアの想いは、人々の政治への意識と企業の在り方を変えるものだったと思います。

継続可能な環境を想う政治は、未来ある国を作る政治だと思います。国民が投票に行こうと思わない。つまり未来を見ようとしていない…。日本は継続可能な国でしょうか? 特に若者の投票率が低いことは、深刻な問題だと思います。

けれど、今回のイベントで10代、20代の若者と話をして、日本の将来について考え、日本の問題に真剣に向き合っていると感心しました。これだけしっかりした考えを持った前向きな若者が多いなら、日本の将来はまだまだ明るいと、嬉しい気持ちになりました🌈😆☘️

選挙を考えさせる風潮をつくることも、日本には大事だと思います。

まずは、選挙と向き合う時間を作ってみませんか?


ボランティアメンバー Rina

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