子どもたちの未来を、かつての子どもたちが奪ってしまわないように、なんとか地球環境を守りたい。気候危機や海洋汚染など地球環境問題が深刻化する中、そんな気持ちを持っている人も増えているのではないでしょうか。

この度、グリーンピースは問題解決のための一歩を踏み出せすきっかけをともにつくっていく「グリーンピース・ジャパン アンバサダー」を創設しました。

11月7日(土)アンバサダーのお二人(武本匡弘さん・四角大輔さん)をお招きし、オンラインイベント【「アンバサダー就任記念イベント」武本匡弘さん&四角大輔さんと語る、次世代に手渡し続けたい暮らし】を開催しました。地球環境の未来について参加者のみなさんと一緒に考えました。

アンバサダーお二人の言葉

武本さん

「40年のダイビングキャリアの中で、最初の20年間は、絵にも描けない美しさが広がっていました。しかし後半の20年でサンゴがなくなっている状況になった。このまま日本の海も荒廃していくと、そのうち砂漠化してしまいますよね。これらは、やっぱり気候変動が原因とされているんです。こういう状況を通して、太平洋上はどうなっているのか知るために、5年間毎年、太平洋航海を自分の操船したヨットで行なっています。南の国の方はもっと深刻ですよ。海面上昇で島や国がなくなったり、自宅を流されてしまった人もいます。それだけでなく、たくさんのプラスチックゴミが普通に浮いていて、プランクトンよりもマイクロプラスチックの方が多くなっている実感があります。気候変動と海洋プラスチックの問題は同じですからこれに対して、グリーンピースと一緒に活動していきたいと思っています。」

四角さん

「夢は、グリーンピースの船と武本さんのヨットに乗ること。ぜひ今度乗せてくださいね。僕は、幼稚園に入る前に釣りを始め、小学校に入って、登山やキャンプをはじめました。こうして、学校や日本社会に馴染まないまま50歳になりました。極端に言えば、人間社会が苦手です。大人たちが作ったシステムが嫌い。大好きな渓流に行くたびに魚がいなくなる。大好きな山がいくたびに壊されてしまう。そんな姿を見てきて、なんとかしたい、という思いがありました。ただ若い時はどうしていいのか分からなくて。それから大学生になり勉強して、何かを発信して世の中をいい方向に変えれると分かった。大人たちを信じられなかった僕にとって、グリーンピースが本気で地球のために動いている姿は勇気になりました。俺は何もできてないけどあの人たちは行動している、と。僕も一生懸命頑張るので、見ているみなさんも一緒にムーブメントを起こしていきましょう」

自分の目で目撃することを大事にしたい

長い環境キャリアの中でお二人がどういう経緯で環境を守りたいと思ったのか、イベントで聞いてみました。

武本さんは湘南から、四角さんはニュージーランドから参加してくれました!

武本さん

「地球のサンゴは少なく見積もっても6割はなくなり、取り戻すのは難しいと言われています。それでもあと4割は残っているわけだから、それはなんとしてでも死守する。そういう気持ちでいます。自分の目で目撃することを大事にしたい。僕は、科学者でも研究者でもないので、自分の目で見たものを発信。つまり、証拠主義。そして、声をあげて仲間を増やしていきたい、と思っています。」

四角さん

「ルーツは原体験。釣り人であり登山家。実際自然の中に入って、これまずい、なんとか守りたい。そうして当事者としての欲望から始まった。ただ釣り人だけが当事者じゃないんです。この星に生きる人間みんな当事者なんです。命は地球が生み出してくれたものだから。」

一生頑張るのではなく、人生のテーマ

100人を超える方々がご参加くださり、たくさんの質問をいただきました。

Q1 サステナブルな暮らしを実践するにはどうしたらいいですか?

武本さん

科学者の声に耳を傾けてほしい。自然と解離しないこと。科学と共にあること。この2つは僕自身が気をつけていることでもあります。全て循環していて全て繋がっていることを忘れないでほしいです。」

四角さん

「僕たちの大先輩は、持続可能な暮らしをしてきたんです。人間以外の生物は今でもサステナブルな暮らしをしています。本来持続可能な暮らしをすることは当たり前である、ということをまず忘れないでほしいです。」

Q2 日本で子どものころから、環境について学ぶには?

武本さん

「外で遊ぶ。それに尽きます。一番危機感を感じるのは、人々が自然に対してリアルな興味がなくなってしまったり、他のもので代用されてしまうこと。それくらい物で溢れている社会だからこそ、海や山など外で遊ぶことをしてほしい」

四角さん

「屋内にずっといると、自然に生かされていることを実感出来ないのは当たり前です。子どもたちには、外で遊んで自然の中にいてほしい。」

Q3 人生をかけて成し遂げたいことは?

武本さん

「今やっていることを続けていくこと。参加された皆さんには環境活動を一生考えていてほしい。生きている限り、常にあるものだと考えてほしいなと思っています。一生頑張ろうではなく、人生のテーマです。」

四角さん

「地球が大好き。地球でずっと暮らし続けたい。この星で暮らし続けたい。できるならば、元に戻したい。自然の再生能力ってすごいから、戻せると信じています。そして見届けたい。動物としての危機感を持って活動している若者がいるから、人生をかけて僕も取り組みます。」


生物として自分の生命が脅かされていると感じた若者が動き出している

今回イベントに参加されたみなさんから、イベントへの感想や印象に残ったことを教えていただきました。

  • 「生物として自分の生命が脅かされていると感じた若者が動き出している。目に見えない海の中でこの20年の荒廃が激しい。毎日かかわる食を変えることで環境問題解決により効果的に取り組める。誰もが表現者でありアンバサダー。」
  • 「何かやって行く上で、まず自分の気持ちが大切なんだと改めて思いました。グリンピースが日本の中で、まだまだリスペクトされていないという言葉。とても残念だけれど、お二人を見ていて、素敵と思える人が増えて行く希望を持てた。」
  • 「四角大輔さんの、「私たちはみんな自分の思っていることを表現することができるアーティストだ」という言葉です。」
たくさんの方に参加していただきました!

深刻な状況であることを理解しているからこそ、未来に対して希望を持って考えていく。そんな姿勢を、アンバサダー、参加者のみなさんから感じました。続けられることを確実に、そして当たり前に行動していく。今回のイベントは、この先の取り組み方を考え直すきっかけになりました。アンバサダーのお二人の背中を追いながら、自分にできることを実践していきます。

グリーンピース・ジャパン アンバサダーのご紹介

グリーンピース・ジャパン アンバサダーとは、「地球の恵みを次の世代に手渡したい」という思いをグリーンピース・ジャパンとともに広く伝えるパートナーです。

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