みなさん、こんにちは。

現在大学4年生で、グリーンピース・ジャパン ボランティアエンゲージメントインターンの横山千夏です。

今回は、8月28日に開催された、学生限定『THE STORY OF PLASTIC』オンライン上映会のイベントの感想や学びなどを、ご紹介します。

映画から見えてくること

人間によって引き起こされたプラスチック汚染。その地球への影響や人々への健康被害など、世界規模で起こっている様々な影響を取り上げたのが、今回上映されたドキュメンタリー映画『THE STORY OF PLASTIC』です。

この映画から私が学んだことを大きく分けて3つ、ご紹介します。

①リサイクルという神話

画像の場所はマレーシアです。 ©Nandakumar S. Haridas / Greenpeace

映画によると、これまで製造されたプラスチックのうち、91%がリサイクルされていないということでした。

世界で捨てられたプラスチックの多くは、埋め立て地に運ばれたり、海に流れ出して海洋汚染の原因となっていたり、焼却炉で燃やされているのです。

リサイクルにまわされても、大半は質の低いものに変化、つまり「ダウンリサイクル」されています。一回のリサイクルで素材が劣化し、それ以降はリサイクルされず、ごみとして処分されます。

効率的にリサイクルされているのは全体のわずか2%だそうです。

改めて数字で見ると、リサイクルとは?と、考えさせられます。

②リサイクルと格差

こちらの画像はインドネシアです。 ©Ecoton / Fully Handoko

映画からは、リサイクルがいかに「貧困」の上に成立している事業か、という実態がよくわかります。

人間の身体に害のある有毒ガスなどがごみから出ている状況で、社会保障されていない貧困層の方が、ごみの仕分け作業などを行っています。

ごみ問題は、環境問題だけでなく、貧困や格差などの社会問題の側面もあるということが見えてきます。

グリーンピースでは、輸入された廃プラスチックが現地の環境と人の健康に与える有害な影響を調べ、報告書にまとめています。こちらもぜひご覧ください。

>>新報告書発表:『リサイクルという神話2.0』 マレーシアでの廃プラ環境汚染と健康への影響

③リサイクルと責任転嫁

プラスチックごみを吐くドラゴン!? ©︎Bente Stachowske / Greenpeace

プラスチックによる海洋汚染の責任は、東南アジアなどの新興国にあると思われがちです。しかし実際は、先進国の企業が新たに開拓した地域、つまりごみの処理機能が十分ではない地域や離島に、使い捨てプラスチックを売りつけてきました。

欧米を中心とした先進国企業が起こした事態であるにも関わらず、自社の商品の廃棄処理ができない新興国には何もサポートをせず、責任をなすりつけているのです。

これは、許しがたい現状です。企業に対して強制力のある法制度を定める必要があると思います。

わたしたちは、何ができるか

今回の映画を観て、私は改めて焼却場やごみの埋立地の現状、その周辺で暮らす人々への影響などを知り、衝撃を受けました。

焼却所のある町に住む少女の肺が喫煙者のようだということや、プラスチックの原料である石油の採掘現場からの騒音など、公害に苦しむ住民が「石油会社は法律より偉いのか」と言うシーンはとても印象に残っています。

自分にできることとして、生活の中でプラスチックの消費を減らすことが大切だと思います。ただ、プラスチックの消費をゼロにすることは、日本はプラスチック包装のもので溢れているため、容易ではありません。

プラスチックフリーを実現するには、社会の大転換が必要です。使い捨てが当たり前の社会から、リユース・リフィルが当たり前の社会へ。そのためには、政策や強制力のある法整備が必要だと思います。

これを実現するために自分にできることは、声を上げることだと思います。例えば、政府や企業に声を届ける署名活動や選挙などに積極的に参加すること、家族や友人にこのイベントで学んだことをシェアしたりすることも、変化につながると思っています。

>>声を届ける署名はこちら

一緒にプラスチックフリーな社会をつくろう

私は以前から環境問題に関心はあったものの、何も行動できずにいました。しかし、ある時学生の方がイベントを主催されている姿を見て、学生の私にもできることがあるのだと知り、昨年9月からインターン活動を始めました。

現在は、学生ボランティアチーム「プラフリー大学」のメンバーとともに、イベントなどを企画・運営しています。プラフリー大学は、プラスチック問題に関心のある様々な大学の学生が集まり、「学生が環境問題を身近に感じ、共有し行動することによって、学生が安心して暮らせる社会を学生自身でつくっていく」というビジョンを掲げ、活動しています。

イベントのお知らせ:10.23~25 テレシカル文化祭※終了しました

https://www.instagram.com/p/CEk-7ZRHTGt/

プラフリー大学チームでは、『テレシカル文化祭』というオンライン文化祭を企画しています。開催日は、10月23日・24日・25日の3日間です。 

テレシカルとは、

・テレ=オンライン
・エシカル=環境問題に関すること

ということで、イベントの特徴をかけ合わせて、”テレシカル”という名前にしました。

オンラインでエシカルな文化祭、ぜひみなさんにもご参加いただけたら嬉しいです!

新型コロナウイルスの影響で日常が大きく変化しましたが、特に大学生はいまだに学校に通えていません。このような状況でも、オンラインでつながったり、環境問題について学んだり、「何かしたい」と思っている方が一歩踏み出せるるようなイベントにできればと思っています。

学生の方はもちろん、学生以外の方も大歓迎です。オンラインで参加できる様々なコンテンツを企画しています。

詳しくは、チームのインスタグラムに随時アップしていきますので、まずはこちらのアカウントをフォローしていただけたら嬉しいです!(今後、当サイトのイベントページにもアップする予定です)

また、このような企画を大学生どうしで盛り上げていくメンバーも随時募集中です。

まずはグリーンピース・ジャパンのボランティアにご登録いただければと思います。

>>ボランティア登録はこちらから

みなさんとオンラインイベントでお会いできることを楽しみにしています!

インターン 横山千夏

※本ブログにて使用している画像は、映画『THE STORY OF PLASTIC』からの引用ではございません。