イギリス、ロンドンで行われた自然回復のためのデモ(2024年6月)

今年の梅雨は、全国的に早めに明ける見通しです。梅雨が明ければ、7月早々から、猛暑が訪れます。昨今の夏の訪れには、気候の変化を痛いほど感じさせられます。しかし、地球を守ろうと行動する人々の熱意も負けてはいません。この6月、皆さんと緑の意志でつながる仲間たちが達成した環境への貢献をお知らせします。

▼この記事を読むとわかること

> 日本:ゴミゼロでお買い物ができるマップ
> 日本:快適な学習環境を子どもたちに
> ヨーロッパ :自然再生法が成立
> イタリア:大手化学メーカーの工場が生産停止
> 考えることをやめないために

日本:ゴミゼロでお買い物ができるマップ

グリーンピースは、使い捨てごみを出さずにお買い物をするのに役立つウェブマップ「グッバイ・ウェイスト」をリニューアルし、6月20日に公開しました。

ゴミゼロマップのイメージ

リニューアルされた「グッバイ・ウェイスト」のサイトは、リユース容器の貸し出しを行っている136店舗(現時点)の情報を地図上で探すことができるほか、「リユース事業者のサービス内容を知る」、「国内外のリユース情報にアクセスする」といった機能を搭載。

リユースに取り組んでいる企業や店舗を実際に利用し、リユースの仕組みについて、より詳しく知ることが、これからのリユース拡大を後押しします。今後もリユースサービスを利用できる場所が随時追加される予定です。

グリーンピースと一緒に、リユースを推進する事業者や企業を応援し、使い捨てごみを出さずに買い物や飲食ができるシステムがひろがる社会を後押ししませんか? 新しくなった「グッバイ・ウェイスト」マップ、ぜひ一度覗いてみてください!

日本:快適な学習環境を子どもたちに

グリーンピースは、学校の断熱を推進し、子どもたちの快適な学習環境を整えるためのプロジェクトをスタートさせました。

教室のイメージ

これからやってくる猛暑。今、日本の子どもたちの多くがクーラーがついていても汗がにじむような過酷な環境下での勉強を強いられています。グリーンピースは、学校断熱改修を求めてきましたが、実態把握がなされていないことから、今年、教室の温熱環境の調査を始めました。気候変動のためにいよいよ気温のアップダウンが厳しくなっている今、集中して勉強できる教室が必要です。

学校の状況、断熱の重要性や、署名など「あなたにできること」をチェックできる学校断熱のウェブサイトが公開されています。健康を守るだけでなく、光熱費の削減、二酸化炭素削減にも効果的な「断熱改修」の実現を目指します。

ヨーロッパ :自然再生法が成立

6月17日、EU理事会が自然再生法案を正式に採択しました。自然再生法案は、2030年までにEUの陸地と海域の少なくとも20%を再生し、2050年までに再生が必要なすべての生態系を再生するための措置を講じることを目指します。

イギリス、ロンドンで行われた自然回復のためのデモ
イギリス、ロンドンで行われた自然回復のためのデモ(2024年6月)

陸域・沿岸・淡水域、海洋、都市部、農業、森林などの7分野に渡る自然、生態系が保護の対象。EU加盟国は、自然再生法の発効から2年以内に再生計画を委員会に提出し、目標達成に向けた取り組みとその報告が義務づけられます*

成立までに時間と労力が必要だった自然再生法。早期採択を求め続けてきたグリーンピースは、今後も各国に野心的な自然再生計画を展開することを呼びかけます*

イタリア:大手化学メーカーの工場が生産停止

イタリア、ピエモンテ州に位置する大手化学メーカー、ソルベイの工場が、30日間の操業停止処分を下されたことをグリーンピースが発表しました*

工場では商業用の有機フッ素化合物(以下PFAS)を生産していましたが、環境保護機関ARPAピエモンテの調査で、法制限を上回る化学物質の排出を行っていることが判明し、生産停止処分となりました。ソルベイ社は化学物質の排出制限を遵守するよう2度に渡って警告を受けています。

ベルギーのマース川に流れ込むソルベイ社の排水管を封鎖するグリーンピースの活動家
ベルギーのマース川に流れ込むソルベイ社の排水管を封鎖するグリーンピースの活動家(1993年2月)

グリーンピースは、ソルベイ社がボルミダ川に排水を流すなどの公害行動を行った過去があり、2007年にはすでに、ポー川流域におけるPFASの主な発生源として特定されていることを公表しました。また、PFASのような有害な化合物の使用を制限し、より安全な代替品に置き換える法律の制定を求めています。

考えることをやめないために

最高気温の記録を更新し続ける異常な猛暑。暑さは甚大な被害を出しています。サウジアラビアのメッカでは、過去最高の51度超の気温が観測され、1,300人もの巡礼者が酷暑によって命を落としました。

気候と自然生態系は互いに大きく影響しあっています。気温の上昇によって植物が減少するといった結果がある一方で、自然環境の変化が気候変動にも影響するのです。だからこそ、私たち自身も自然の一部として、変化の一端となることができるはずです。

ケルンで開催された気候ストライキ
ケルンで開催された気候ストライキ(2019年11月)

グリーンピースは、森林学者で作家のペーター・ヴォールレーベン氏や、その他のパートナー団体などと協力し、ドイツの大学に新しいプログラムを設立しました。生態学的に森林を管理する方法を学ぶことのできる学士コースです(2024年冬開講)**。ここで学ぶ生徒たちは、次の新しい変化となるでしょう。

グリーンピースは、変化を起こすために試行錯誤し、あらゆるアプローチを続けます。グリーンピースの活動を寄付というかたちでぜひ応援してください。

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