![CCCL映画祭最高賞の受賞を宮坂宮司に報告するグリーンピースのチーム CCCL映画祭最高賞の受賞を宮坂宮司に報告するグリーンピースのチーム](https://www.greenpeace.org/static/planet4-japan-stateless/2024/03/a08b5436-1miwatarihyoukei.jpg)
2月、温暖化を実感させる陽気が続きました。気候の変化は、花粉の飛散量や桜の開花時期などに著しい影響を与え、春の訪れ方を変えつつあります。忍び寄る変化に対抗し得るのは意志による人々の強い連帯です。国際的な団結を感じられる2月の環境ニュースをお届けします。
▼この記事を読むとわかること > 日本:「MIWATARI/御渡り」国際映画祭最高賞を受賞 > ノルウェー:北極圏の深海採掘を許可する決定にストップ > ベルギー :人気マラソンイベントがグリーンウォッシュに「NO」 > オーストラリア:新車への燃費基準導入の方針 > UNEA6の開催、求められる国境を越えた協力体制 |
日本:「MIWATARI/御渡り」国際映画祭最高賞を受賞
グリーンピース・ジャパン製作の映像作品「御渡り/MIWATARI」がタイで開催された国際映画祭「Changing Climate, Changing Lives Film Festival(以下、CCCL)」の最高賞を受賞しました。
![ステージでCCCL映画祭の創設者クリストファー・G・ムーア氏から審査員大賞の盾を受け取るグリーンピース・ジャパンとHAKUAのメンバー ステージでCCCL映画祭の創設者クリストファー・G・ムーア氏から審査員大賞の盾を受け取るグリーンピース・ジャパンとHAKUAのメンバー](https://www.greenpeace.org/static/planet4-japan-stateless/2024/03/d8930442-gtimg_6782.jpg)
「御渡り/MIWATARI」は、長野県の諏訪湖の自然現象が近年、主に温暖化の影響で激減していることを伝える11分のショートフィルム。グリーンピース・ジャパンが昨年11月に主催した気候変動を体感するアート展のために、クリエイティブユニットHAKUAが制作、展示を行いました。この「御渡り/MIWATARI」が、CCCL映画祭において、過去最多の応募作品の中から大賞となるドキュメンタリー部門審査員大賞を射止めました。
グリーンピースとHAKUAのメンバーは2月29日、作品に出演した長野県諏訪市、八劔神社の宮坂清宮司のもとを訪れ、複数の地元メディアが取材に駆けつける中、大賞受賞の報告を行い、宮司と喜びをわかちあいました。
ノルウェー:北極圏の深海採掘を許可する決定にストップ!
北極圏での深海採掘を進めるというノルウェーの決定に、欧州議会が一時停止を求める決議を下しました*。
![国会前でノルウェーの深海採掘の計画に反対する人々(2024年1月) 国会前でノルウェーの深海採掘の計画に反対する人々(2024年1月)](https://www.greenpeace.org/static/planet4-japan-stateless/2024/03/44d4a8d8-gp0stz5ip_low_res_with_credit_line.jpg)
グリーンピースは深海採掘に反対する環境団体や、ヨーロッパ全土のアクティビストと連携し、欧州議会に対して海を守るための決議を呼びかけてきました。活動が実を結び、欧州議会は、北極圏を深海採掘に解放するというノルウェーの方針に重大な懸念を表明し、ノルウェーの決定を批判する決議を圧倒的多数で可決させています*。
この決議は深海採掘を推し進めようとする開発企業の社会的評価に強い影響をもたらします。それだけでなく、ノルウェー以外の国が深海採掘を計画する場合には抑止力となるでしょう。ノルウェー政府は本決議に抵抗を示していますが、深海採掘に反対する勢力は強まり続けています。
ベルギー :人気マラソンイベントがグリーンウォッシュに「NO」
ベルギーの国民的マラソンイベントが、化石燃料エネルギーを推進するトータルエナジーズ社とのスポンサー契約を終了させました*。毎年5月にベルギーで開催される「ブリュッセル20kmマラソン」は、2万5,000人以上の参加者を誇る人気イベントです。
![「ブリュッセル20kmマラソン」の参加ランナーたち 「ブリュッセル20kmマラソン」の参加ランナーたち](https://www.greenpeace.org/static/planet4-japan-stateless/2024/03/c37fe13a-05.jpg)
ブリュッセル20kmマラソン公式ウェブサイトより
総合エネルギー企業のトータルエナジーズは、2004年からこのイベントのスポンサーに名を連ねてきました。イベントの健康的でポジティブなイメージの陰で、同社は気候危機に深刻な影響を与える化石燃料エネルギー事業を展開、新たな化石燃料プロジェクトへの巨額投資を続けていることもわかっています。
グリーンピースをはじめとした環境保護団体は、スポンサー契約がグリーンウォッシュ効果をもたらしていることを懸念し、バナーアクションや、ランナーへの呼びかけ、開催団体との対話を続けていました。
オーストラリア:新車への燃費基準導入の方針
2月4日、オーストラリア連邦政府が新車を対象にした燃費基準の導入案を発表しました*。ここでは3つの案が提示されており、政府が推奨する案は、各自動車メーカーに対して、新車の乗用車と小中型貨物車の、2030年までのCO2排出量(1キロ走行あたり)を2025年比で約6割削減するよう求めるものです**。この基準案は国会で承認されたのち、法制化されれば2025年1月に施行される見通しです。
![EV車を充電する様子 EV車を充電する様子](https://www.greenpeace.org/static/planet4-japan-stateless/2024/03/f538b6f6-adobestock_427521995.jpg)
過去2年間にわたって、EV車、そして自転車や公共交通機関を推進し、よりクリーンで環境に優しい交通を実現させるためのキャンペーンを行ってきたグリーンピース・オーストラリアは、政府の表明を支持しています。また、次のステップである法制化のため、サポーターとともに後押しを続けます。
UNEA6の開催、求められる国境を越えた協力体制
2月26日から3月1日までの期間、ケニアはナイロビで、第6回国連環境総会(UNEA6)が開催されました。この地球規模の危機に、各国が国境を越えて手を取り合い、協力体制のもとで対処する必要があります。
大切なのはグローバルな動きだけではありません。うねりのように大きな動きをつくり出しているのは、個人個人の勇気ある行動だからです。私たちが直面しているのは地球全体の危機ですが、「何ができるのか」を考える時に、目の前の一歩こそが肝心です。
2月の環境ニュースでお伝えした私たちの勝利もまた、一人ずつの個性豊かなストーリーのもとで実現しています。そして、これらはすべて、グリーンピースに寄付を寄せてくださるサポーターのみなさんが実現させた環境にとっての前進です。いつも環境に思いを馳せ、サポートを寄せてくださり、ありがとうございます。
![](https://www.greenpeace.org/static/planet4-japan-stateless/2023/04/e5212110-cta-climate.jpg)
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▶︎<現地レポート>グリーンピース・ジャパン製作「御渡り/MIWATARI」が国際映画祭最高賞を受賞