孤独な脱プラに疲れてしまったみどりさんのマンガ
©︎リック・ベッジオ

脱プラに疲れてしまったみどりさんでしたが、「プラスチック条約」について知って、希望を取り戻します。「プラスチック条約」ってなんでしょう? 実は今、この条約の内容を決めるための国際会合の3回目がちょうどケニアで始まっています。プラスチックによる環境破壊がない未来を望む人のためのマンガです。

▼この記事を読むとわかること

> 日本には孤独な脱プラに疲れている人が多い?
> 国際プラスチック条約ってなに?
> これからの交渉がとっても大事!
> 効果的な「プラスチック条約」のために私たちにできること

日本には孤独な脱プラに疲れている人が多い?

グリーンピースの記事を読んでくださっている人には、きっとプラスチックをできるだけ減らすためにいろいろ気をつけているという人が多いのではないでしょうか。

けれど、1人あたりのパッケージ用プラスチックごみが、世界でアメリカの次に多い日本。使い捨てプラが溢れる環境で、「脱プラ」、「プラスチックフリー」を心がけて暮らすことはそんなに簡単ではありませんよね。

一人で頑張る脱プラに疲れてしまったみどりさん。「もう、脱プラ疲れた…」作画:リック・ベッジオ
©︎リック・ベッジオ
みどりさんがプラスチック汚染のドキュメンタリーを見て、涙。「3年前、プラスチックが海を汚染したり、気候変動を加速させていると知って、できることから脱プラをはじめた。動物も好きだし、子どもたちにきれいな地球も残したい…」
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みどりさんは、2020年にドキュメンタリー番組を観て、プラスチックによる海洋汚染、プラスチックが生産から廃棄に至るまで温室効果ガスをたくさん出していて、気候変動を加速させていることを知りました。

動物好きなみどりさんは、身近にあふれているプラスチックに危機感を持ちます。

「自分たちの次の世代にも美しい地球を残したい……」

そんな思いから、脱プラを決意!

だけど……。

脱プラを決意するも、スーパーで他の人がたくさん使い捨てプラスチックをお買い物する様子を見て気を落とすみどりさん。「でも、最近、脱プラに疲れてきています。だってスーパーはプラだらけ。環境意識の高い人だけ頑張っても無駄な気がしてくる…。仕事で疲れて、コンビニに頼りたい時も罪悪感でいっぱいだし、自分だけ努力しても社会は全然変わらない、正直、とっても虚しくなる…」
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普通のスーパーでプラスチック包装されていない商品を見つけるのはとても難しい。

店員さんが当たり前にサービスでつけてくれる薄いビニールやプラスチック包装のお手拭き、タイミングよく断るためにレジでも気が抜けない。

外で飲み物が飲みたくなっても、プラカップやペットボトルの商品しか見つけられなくて、買ってしまった自分に後ろめたい気持ちになったり……。

そんな時、周りを見渡して、多くの人が当たり前に使い捨てプラを手にしていたら、脱力してしまいそうになります。

うっすら孤独を感じたり、もやもやとした思いにとらわれたりしますよね。
みどりさんも脱プラに疲れを感じるようになってしまいました。

リユースが当たり前になる社会を想像するみどりさん。「一人ひとりが頑張らなくても、使い捨てプラスチックが出ない暮らしを送れる社会になったらいいのに…。スーパーでもコンビニでもプラスチックが過剰に使われなくなって、プラ汚染に危機感がある人もない人も、リユースするのが当たり前になったらいいのに…! 日本は環境先進国から取り残されているから、そんな社会がくるのはずっと先かぁ…」
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個人の涙ぐましい努力に頼らなくても、なるべく使い捨てプラスチックに依存しない社会の仕組みがあれば、リユースが当たり前になるのにな。

だけど、そんな未来はまだずっと先だよね。
その間にどんどん使い捨てられるプラスチックが増えてしまうのかな?

ため息をつくみどりさん。

国際プラスチック条約ってなに?

実は、そんな状況を大きく改善に転じさせることができるかもしれない大きなチャンスが、今巡ってきています。

ニュースでプラスチック条約について知って驚くみどりさん。「…なんて思っていた矢先にテレビでプラスチック条約のことを知った」キャスター「今、国連で議論されている国際プラスチック条約で、使い捨てプラスチックに関するルールができたら、日本でもプラスチックがある程度、規制されることになります」
©︎リック・ベッジオ

テレビから、みどりさんの耳に聞こえてきた嬉しいニュース。

それは、使い捨てプラスチックを大幅に減らせるかもしれないチャンス、「国際プラスチック条約」のお話。

この条約は、国際的に法的拘束力を持つプラスチック規制のための条約。「国際プラスチック条約」が、プラスチックにまつわる世界各国のルールを変えてくれるかもしれません。

昨年2022年に、国連環境総会でプラスチック汚染を解決するために、国際的に法的拘束力のあるプラスチックにまつわる条約を制定し、2025年までに締結することが決定しました。

プラスチックの原料採掘、生産から使用、そして廃棄まで、「サイクル全体で規制しよう」という方向性が国連で合意されています。

これからの交渉がとっても大事!

プラスチックが地球環境や私たち人間に有害な汚染を生み出していることを国際社会が認め、その汚染を解決するための条約が今まさに誕生しようとしています。

希望を感じて、「プラスチック条約」のために自分にもできることはないか、検索してみるみどりさん。「その条約について話し合う国際会議が、11月にケニアで開催されるらしいっ!ちゃんと法的拘束力があって、プラスチックの生産から廃棄まできちんと規制する条約になったら、日本の脱プラも大きく進む可能性があるんだって!!じゃあその条約、絶対に良い形で合意されて欲しいじゃん!!と思って、何かできることはないかと探してみたら…」
©︎リック・ベッジオ

「プラスチック条約」の内容について話し合う、第3回目の国際会議が11月13日からケニアのナイロビで開催されているみたい!

この会議を含めて全部で5回開催される会議が、「プラスチック条約」がプラスチック問題をどれだけ解決に導くことができるかの鍵を握ります。これからの交渉がとっても大事なんだって!

条約の焦点をプラスチックの削減ではなく、「出てしまったごみをどうするか」といった廃棄物管理に当てようとする動きもあるみたい……。でも、それじゃあ使い捨てのプラスチックだらけの環境は変わらないよね?

ごみ問題だけでなく、生産過程からカバーして、プラスチック汚染を根本から解決する条約になってもらわなきゃ。

効果的な「プラスチック条約」のために私たちにできること

「自分にもできることはないのかな?」

一生懸命探してみるみどりさん。
あるある! ありました、できること!

グリーンピースが「プラスチック条約」のための署名を集めているのを見つけたみどりさん。「11月13日からの第3回目の政府間交渉に、グリーンピースの日本支部からもスタッフが参加するらしい。そして署名も立ち上げてくれていた。願いを込めて、署名に参加してみた。脱プラを今まで一生懸命やってきたみんな!一緒に署名で声を届けよう!!話によれば、日本は国際的に強力な条約に積極的とはみられていない姿勢らしい…詳しくは今後の投稿でチェック!」
©︎リック・ベッジオ

グリーンピースが条約を効果的な内容にするために、できるだけ多くの市民の声を集めています。

そしてグリーンピース・ジャパンのメンバーが、2回目の会議に引き続き、ナイロビで行われる3回目の会議にも現地参加して、効果的なプラスチック条約を望む人々を代表して交渉をするんだって!

望む未来のためのアクションとして署名に参加するみどりさん。
脱プラに疲れてしまう生活が変わるかもしれません!

みどりさんも参加した「プラスチック条約」で使い捨てにさよならするための署名は、以下のバナーより参加していただけます。ぜひ署名に参加し、大切な人に「プラスチック条約」のことを伝えてください。

一緒に使い捨てごみを出さないリユース中心社会に変えるための「国際プラスチック条約」を誕生させましょう。あなたの声が必要です!

「国際プラスチック条約」で
使い捨てにさよなら

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▶︎2040年までにプラスチックの生産を75%減らさなければならない理由

▶︎効果的な「プラスチック条約」実現にむけ、シンポジウムを開催