「ワタシのミライ ~No Nukes & No Fossil~ 再エネ100%と公正な社会をめざして」パレードの様子。9月18日
©︎Daiki Tateyama

2023年の9月、環境にとってどんなことがあったのでしょうか。今月は日本からたくさんのアクションとその成果のご報告があります。日本における環境にとってのグッドニュースをぜひじっくりチェックしてください。

▼この記事を読むとわかること

> スタバ&タリーズ、全国150店舗で市民によるカフェ調査を実施
> 国際プラスチック条約シンポジウム開催
> 8000人が再エネ100%と公正な社会を求めパレード
> 行動することを選び、繋がりを広げる

スタバ&タリーズ、全国150店舗で市民によるカフェ調査を実施

グリーンピース・ジャパンが市民によるカフェ調査を企画、実施しました。グリーンピースの呼びかけに応え、環境に優しいカフェを求める人々がスターバックスとタリーズの全国150店舗に足を運び、各店舗内でリユース可能なカップがどれくらい使われているかを調査。その結果、スターバックスの店内リユース率は41%で、前回の調査から前進が見られました。一方、タリーズの店内リユース率は12%にとどまり、改善の必要性が明らかに。

スタバ&タリーズ店内用カップ利用率調査結果
©︎Greenpeace

本調査はランダムな調査方式を採用しており、前回調査は手法も違うため、単純比較はできませんが、93人もの参加者による全国150店舗での調査結果が、カフェチェーンの前進と課題を浮き彫りにし、また、タリーズにおいてはさらなるリユースの普及について有意義な対話のきっかけとなりました。

市民が150店舗で見てきた店内リユースの状況
©︎Greenpeace

日本の大手カフェチェーンは今後、店内リユースに加えて、テイクアウトのリユース率向上に取り組む必要があります。調査に参加したカフェユーザーの環境により配慮したカフェを望む声をスタバ、タリーズをはじめとするカフェチェーンがしっかりと受け止めてくださることを願い、エコフレンドリーなカフェ文化の発展のために今後も活動を続けます。

国際プラスチック条約シンポジウム開催

9月28日、グリーンピース・ジャパンとイクレイ日本事務局(ICLEI*)は、国際プラスチック条約シンポジウムを開催しました。本会は、2025年のプラスチック条約の採択に向けたステップとして企画され、政府、ビジネス界や企業、自治体、若年層団体などから幅広いステークホルダーの登壇が実現しました。

*イクレイ(ICLEI)持続可能な都市と地域をめざす自治体協議会。

当日の会場には多くの人が来場。オンラインでの視聴者も多数となり、プラ条約に対する高い関心が示されました。各界のリーダーたちは、プラスチック汚染の解決を目指して、条約交渉の現状や今後の見通しについて対話しました。

国際シンポジウム「国際プラスチック条約シンポジウム ー 交渉の現在地と展望 ー」登壇者

グリーンピースからは、シニア政策渉外担当の小池が、生産規制をはじめプラ条約に求められること、現在の日本がそのリーダーシップを発揮できる可能性についてなどの発表を行っています。11月にケニアで開催されるプラ条約制定のための第3回会合に向け、各界を跨いで異なる視点を交えた重要な情報交換の場となりました。

8000人が再エネ100%と公正な社会を求めパレード

9月18日、東京の代々木公園で、再エネ100%と公正な社会をテーマにしたイベント&パレード「ワタシのミライ」が開催されました。

「ワタシのミライ ~No Nukes & No Fossil~ 再エネ100%と公正な社会をめざして」パレードの様子
「ワタシのミライ ~No Nukes & No Fossil~ 再エネ100%と公正な社会をめざして」パレードの様子。9月18日 ©︎Daiki Tateyama

約8000人の参加者が原発も気候危機もない、公正な再エネ100%の未来を求めて声をあげました。イベントではリユース容器を使用したフードやドリンクの販売が行われ、グリーンピース・ジャパンがボランティアメンバーとともにリユース容器の運営を担当。メンバーにとっては初めての取り組みでしたが、当日の様子を見た参加者から問い合わせを受けるなど、リユースの普及にも貢献しました。

「ワタシのミライ ~No Nukes & No Fossil~ 再エネ100%と公正な社会をめざして」イベントでグリーンピース・ジャパンがボランティアメンバーとともにリユース容器の運営を担当
リユース容器の運営を担当したグリーンピースのボランティアメンバー ©︎Greenpeace

また、グリーンピース・ジャパンに事務局を置く「ゼロエミッションを実現する会(ゼロエミ)」はブースを出展し、「自分のまちの気候対策」をテーマに来場者との交流を行いました。他にもゼロエミ国立が市に高い二酸化炭素削減目標への期待と応援の気持ちを伝えるための寄せ書きを集め、ゼロエミ小金井は、まちにあったら嬉しいものを参加者に描いてもらうイベントを開催。それぞれ来場者と楽しい時間を過ごしながら、アクションの大切さを伝えることができました。

ゼロエミが出展したブースでの記念撮影
ゼロエミ国立が出展したブースで ©︎Greenpeace

再エネ100%と公正な社会の実現のために、脱原発や気候危機だけでなく、ジェンダーや貧困などの社会課題に取り組む団体と協力してイベントが開催されたことは大きな意義をもちます。現代を生き、社会について考える人たちの姿をうつし出すデモの様子は活気に満ち溢れ、今回は参加が難しかった人たちをも勇気づけています。グリーンピースは今後もこの経験を活かして活動を継続します。

行動することを選び、繋がりを広げる

環境活動と社会課題への取り組みが着実に進展していることを感じられるニュースをお届けしました。こうした活動の一つひとつが、参加者や情報に触れた人たちの中に持続可能な未来への希望を芽吹かせます。

カフェでの調査や、シンポジウム、マーチやパレードに参加してくださった方、出会ってくださった方、ありがとうございました。行動することを選択してくださったあなたがいることで社会は変わります。

地域社会での取り組みと国際的な努力が、100年先の緑豊かな未来を作ります。ぜひこれからも私たちと一緒に、一歩から始まる変化を起こしてください。

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