子どものための環境問題 第2回 温暖化のしくみ
タイトルイラスト

子どもが環境問題について自分で考えて自分で学べる学習教材記事のシリーズ。第2回では温暖化のしくみを学びます。

地球(ちきゅう)が、おどろくようなはやさで、どんどんあたたかくなっているのを地球温暖化(ちきゅうおんだんか)という。地球温暖化(ちきゅうおんだんか)はどうしておこるんだろう。

地球温暖化(ちきゅうおんだんか)はなぜおこるのか、そのしくみをいっしょにしらべてみよう。

▼この記事を読むとわかること

> 地球温暖化(ちきゅうおんだんか)はなぜおこるの?
> たいようのエネルギー
> 地球を温暖化させているものの正体(しょうたい)
> 温室効果(おんしつこうか)ガスのひみつ
> れいとはかせとグーちゃんより

地球温暖化(ちきゅうおんだんか)はなぜおこるの?

地球(ちきゅう)の温度(おんど)が上がって、気候(きこう)がかわってしまうことを地球温暖化(ちきゅうおんだんか)という。

地球(ちきゅう)の気温(きおん)は平均(へいきん)して、この200年のあいだに、1.2度上がっている。

このスピードで気温(きおん)が上がっていることは、たいへんな問題(もんだい)だ。

そのことをしったれいは、ぎもんをもった。

「地球温暖化はどうしておこるのかな?」と疑問に思うれい
イラスト

「ねえ、グーちゃん、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)はどうしておこっているのかな?」

グーちゃんはねむそうにかおをあらっている。

そうだ、はかせにきいてみよう!

はかせー と博士のもとにかけよるれい イラスト

きょうもきおんをはかっていたはかせ。

はかせは気候(きこう)をしらべるために、まいにちきおんや風(かぜ)のむきやつよさなどをしらべているんだ。

れいがどうして地球温暖化(ちきゅうおんだんか)がおこるのかをきいてみると、

「さすが、れい! とてもいいぎもんだね」

と、うれしそう。

「それでは、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)はなぜおこるのか、そのしくみをみてみよう!」

たいようのエネルギー

くもがでていない、はれの日は、くもりの日やあめの日よりもあたたかい。

「太陽がでている日はぽかぽか暖かい」 太陽の下で元気なれいと眠るグーちゃん イラスト

夏(なつ)になると、あせがでたり、そとにいるのがつらいとかんじるほどあつすぎたりする日もある。

「夏になると暑すぎる日もあるくらいだ」暑い夏の日に汗をかいてしんどそうにしているれいとグーちゃん イラスト

たいようのひかりは、おおきなエネルギーをもっている。

たいようがもつエネルギーは「たいようエネルギー」とよばれているよ。

たいようエネルギーが、じめんをあたためるから、たいようがくもにかくれていない日はきおんがたかくなるんだ。

たいようのエネルギーが地面にあたると熱が発生する イラスト

たいようエネルギーがじめんにとどくと、ねつがはっせいする。

だから、たいようがくもにかくれていない日はきおんがたかくなるんだね。

地球(ちきゅう)を温暖化(おんだんか)させているものの正体(しょうたい)

そうしてはっせいしたねつは、なにもなければ、うちゅうにでていくはずなんだ。

だけど、いま、ねつがうちゅうにでていこうとするのをとめる、「あるもの」がとても増(ふ)えている。

「ねつをとめているあるものって?」

それは「温室効果(おんしつこうか)ガス」とよばれているよ。

「熱が宇宙に出るのをとめているのは、温室効果ガスとよばれる気体だ」 温室効果ガスのイラスト

気体(きたい)って、なにかわかるかな?

かたちのある個体(こたい)や、水(みず)のような液体(えきたい)とちがって、気体(きたい)にはきまったかたちがなくて目にみえない。

「温室効果ガスは目に見えないから増えているのもわかりにくい」 温室効果ガスのイラスト

温室効果(おんしつこうか)ガスがいまよりもすくなかったむかしには、うちゅうにでていくはずだったねつが、ちきゅうをとりまくくうきにのこるようになってきた。

温室効果(おんしつこうか)ガスがふえると、くうきをあたためるこうかもどんどんつよくなる。

地球温暖化の仕組みのイラスト

温室効果(おんしつこうか)ガスがふえたせいで、ちきゅうがねつをためこむこうかがつよくなって、きおんがあがる。

これが地球温暖化(ちきゅうおんだんか)のしくみ。

れいはうなずいた。

「地球温暖化の原因は温室効果ガスだ」 ひらめいたれいとグーちゃん イラスト

「温室効果(おんしつこうか)ガスがげんいんで地球温暖化(ちきゅうおんだんか)がすすんでいるんだね」

温室効果(おんしつこうか)ガスのひみつ

温室効果ガスには、いろいろなしゅるいがあるけれど、そのおおくが二酸化炭素(にさんかたんそ)だ。

経済産業省資源エネルギー庁「日本の温室効果ガス排出量(2019年度)」より作成した日本の温室効果ガスの中の二酸化炭素の割合(85%)
経済産業省資源エネルギー庁「日本の温室効果ガス排出量(2019年度)」より作成

「二酸化炭素(にさんかたんそ)って知っているよ。わたしたちがはく息(いき)にもふくまれているよね」

温室効果(おんしつこうか)ガスはかんぜんにわるものというわけじゃない。
なぜなら、温室効果(おんしつこうか)ガスがちきゅうにまったくそんざいしなければ、ちきゅうのきおんはへいきんでマイナス19℃くらいになってしまうからだ*

「マイナス19度はさむすぎる!」と震えるれいとグーちゃん イラスト 「温室効果ガスが全くなければ、地球の気温は平均マイナス19度になる」

「それではさむすぎる! こごえてしまうよ!」

だから、ちょうどいいりょうの温室効果(おんしつこうか)ガスがひつようなんだけど、いまは温室効果(おんしつこうか)ガスがあまりにもふえすぎてこまっているというわけ。

どうしてふえているのかというと、にんげんが、エネルギーのために、せきたんやせきゆなどの化石燃料(かせきねんりょう)を、たくさんもやすようになったことが、さいだいのりゆうだといわれている。

「ちょっとまって、ということは……」 何かに気付いたれい。 イラスト

「 ちょっとまって、はかせ」

れいはあることにきがついた。

「それなら……、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)のげんいんはにんげんがつくっているの?」

はかせはゆびをパチンとならして、こういった。

「そのぎもんはとてもするどい」

れいとはかせとグーちゃんより

地球(ちきゅう)の環境(かんきょう)についていっしょにべんきょうしてくれてありがとう!

「また一緒に勉強しようね」と呼びかけているはかせとれいとグーちゃん
イラスト

このさきのおはなしは、つぎのきじで。

れいと、はかせと、くろねこのグーちゃんと、いっしょにかんきょうについてしることで、きっとできることがみつかるよ。

このつぎは、「どんなことをすると温室効果(おんしつこうか)ガスがふえるのか」をべんきょうできるきじであおう!

またニャーと手を振るグーちゃん
イラスト

今日知ったことを、おともだちやかぞくと話してみてくれたらうれしいな。

またあそびにきてね。

いっしょにかんきょうのことをしっていこう!

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