2023年5月19日から21日まで広島で開催されるG7サミット。毎年開催されているこのG7サミット（主要国首脳会議）では、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、そして日本が参加し、各国の首脳によって、地球規模の課題についての意見交換が行われます。日本が議長国を務める今回のG7サミットは、気候問題にとって非常に大切な機会です。気候のエキスパート7人に話を聞きました。
| ▼この記事を読むとわかること > グリーンピース高田久代がG7についてお話ししました > 2023年のG7が重要なのはなぜ？ > 日本とG7のリーダーは、気候危機を回避するために何をすべき？ > 私たちの声をリーダーに届け、未来を変えよう！ |
グリーンピース高田久代がG7についてお話ししました
日本での開催7回目となるG7サミットが目前に迫っています。1年に一度、主要7か国の首脳が世界を取り巻く問題について話し合うこの国際会議、2023年のG7はどんな点が大切なのでしょうか。グリーンピースが7人の環境のエキスパートにG7についてインタビュー。
7人のエキスパートの2人目はグリーンピース・ジャパンでプロジェクト・マネージャーを務める高田久代。今年のG7が大切な理由を聞きました。
2023年のG7が重要なのはなぜ？
今年のG7は日本がホスト国を務め、広島で行われます。このことには非常に大きな意味があると思っているんです。
今、私たちはコロナ禍で何年も苦しんでいて、2022年にはウクライナへの侵攻も始まりました。その中で、エネルギーが武器や交渉カードにもなるということを、歴史の教科書の中ではなく、毎日のニュースで現実として目の当たりにしています。
「戦争をしない」と言った国、日本が議長国として、広島でG7サミットを行うということにはとても大きな意味があると思います。
他のG7の国がどんどん脱石炭を発表する中、日本が足を引っ張っているという報道が日本国内でも出ています。だからこそ、岸田首相がリーダーシップを発揮する場として今回のG7がある。ここでぜひ、気候も暮らしも救うエネルギー政策に決意表明していただきたいと思っています。
日本とG7のリーダーは、気候危機を回避するために何をすべき？
「エネルギー政策」と聞くと、何かとても難しいことのように思うかもしれません。けれど、エネルギーを使わないで生きている人はいないと思います。電気だったりガスだったりガソリンだったり、エネルギーは私たちの毎日の暮らしに直接繋がっています。
これまで、エネルギーをつくる方法といえば、化石燃料や原子力など、他の人の命や自分の健康や他の生き物の命を壊してしまうものでした。
しかし、目の前で戦争や気候変動や環境破壊が起こっている今、幸いにも他の命を壊さない方法、より自然と共存する形でエネルギーを作ることができるようになっています。技術的にはその方法はすでに整っている。経済的にも、これまでの方法と十分に競えるところまできています。
あと何が足りないのかというと、「新しい道に進んでいこう」と政治ではっきりと決めること、政治的な決断です。
そこが曖昧であったり、目標までの期間が長すぎたりすることで変化が遅くなり、その間にどんどん気候変動が進み、生物多様性が失われてしまっています。いつまでにどの方向へ舵を切って、何をやめるのかという政治的な決断が必要です。
だからこそ、世界の主要7カ国のリーダーたちが集まってこれからのことを話す今回の会議で、人や他の生き物の命を傷つけるエネルギー政策をやめて、自然や人の命を生かすエネルギー政策に変えていくと決めることが重要だと思います。
グリーンピース・ジャパン プロジェクト・マネージャー
高田久代
ニュージーランドでのワーキングホリデーの後、ボランティアとしてグリーンピース・ジャパンに参加、気候変動・エネルギーチームのリーダーを経て、2019年1月よりプログラム部長としてグリーンピースが日本で行う環境保護活動を統括。2023年より現職。朝7時からの早朝勤務スタイルで絶賛子育て中。
私たちの声をリーダーに届け、未来を変えよう！
平和で安全な未来のためのエネルギー政策を実現させるには政治的な決断が欠かせません。
グリーンピースは、G7に向けて、2035年までに電力の大半を再生可能エネルギーで供給し、気候も暮らしも救うエネルギー政策を実施するよう日本政府に求める署名を行っています。署名を通して、あなたの声をG7のリーダーたちに届けます。
平和で安全な未来のために、気候も暮らしも救うエネルギー政策を！
今日の私たちの行動は、世界の未来を変えることにつながります。
ぜひ署名に参加してください。
