ハロウィンは今や日本でもすっかり定着し、毎年10月になると街中がハロウィンの雰囲気になります。ハロウィン用のコスチュームや装飾品、お菓子などが販売され、飲食店でもハロウィン用の限定商品を販売することが多くなりました。日本記念日協会によると、日本における2019年の「ハロウィン」の市場規模は1,155億円にものぼると推計されています。*
楽しいイベントではありますが、ハロウィン翌日に散乱するごみの撤去作業に追われるということもあります。ハロウィンの衣装の実に83%がリサイクル不可能な石油系プラスチックなのです…。*

ハロウィンによって廃棄されるごみの量

ハロウィンで出るごみは、衣装の量だけでなく、プラスチック包装のお菓子やチョコレートの包み紙、装飾品、カボチャの廃棄も多く、毎年、大量のごみが発生しています。

北アメリカでは、繊維製品をリサイクルするためのインフラが整っていないため、毎年ハロウィーンの衣装の85%が埋め立てられています。

多くのハロウィン用の衣装がプラスチックベースの素材で安価に作られていることを考えると、一晩のために新しいハロウィンのコスチュームを買うことは、食料品を持ち帰るために使い捨てのパッケージを使うのと同じことなのです。*

全米小売業協会の推計によると、ハロウィンのお菓子やチョコレートには約26億ドル(約3800億円)が費やされるそうです。これらのお菓子のパッケージは通常プラスチック製で、リサイクルすることができずそのままごみとして廃棄されます。

日本でも、着ていた衣装や被り物、小道具や飲食の容器などをそのまま廃棄して帰る人も多く、問題になっています。

カボチャの彫刻はもったいない?

イギリスの統計によると、ハロウィンで約10億ポンド(4億5300万キログラム)のカボチャが埋立地に送られ、そこで分解されてメタンガスを発生させています。

イギリスの消費者の40%がハロウィンのためにカボチャを購入します。

しかし毎年18,000トンものカボチャが捨てられており、購入したうちの60%が使い残りは食べずにそのまま一般のごみ箱に廃棄していると報告されています。*

埋立地で分解されたカボチャから発生するメタンガスには、二酸化炭素の20倍以上の温室効果があります。

メタンは気候変動の主な原因のひとつであり、地球温暖化を抑えるために削減しなければいけません。

ハロウィンの衣装は、毎年どれぐらい捨てられている?

チリで開催された「ウォーキング・プラスチック・ハロウィーン・セレブレーション」の様子

毎年ハロウィンが近くなると、日本でもハロウィン用の衣装や小道具が多く販売されます。

しかし、売れ残った在庫やイベント終了後はどうなるのでしょうか?

イギリスの調査では、ハロウィンの衣装には8300万本のペットボトルと同量のプラスチック素材が含まれており、昨年だけで国内で2,000トンのプラスチックごみが、ハロウィンによって発生していることが明らかになりました。

同じ調査では、10着に4着の衣装が一度しか着用されず、1400万着の衣装がごみ箱行きになったと推定されています。

アメリカはイギリスの5倍の人口になるので、アメリカで捨てられるハロウィンの衣装の数は約3,500万着と推定されます。

日本では、ハロウィン終了後、渋谷で翌朝のごみの量は回収できたものだけで可燃ごみが1トン超、ペットボトルも100キログラムにも及んだと調査結果が出ています。

廃棄ではなくリユース・リフィル・リデュースをしよう。

ベルリンのグリーンピースボランティアが、オラフ・パーム・センターを1日、サステナビリティ、代替消費、
DIY(Do it yourself)をテーマにしたクリエイティブな場所に変身させた。2019年11月

ハロウィンの期間だけでなく、日頃から使い捨てをしない生活にシフトしていきましょう。リユース・リフィルとは、新しいものではありません。

例えば、リユースの代表的な例でいうと、牛乳瓶やビール瓶は、回収・洗浄して何度も繰り返し使われています。デリバリーでもラーメン、お蕎麦、お寿司など店内用の容器で届けてくれて、使用後は洗って、家の前に出しておくとお店の方が回収してくれるサービスがありました。

今でもこのサービスが残っている地域もあります。

リフィルができるお店も増えてきました。調味料や洗剤なども、自分の容器を持っていって、中身だけ購入することができます。

また、誰でも、無料で使うことができる「グッバイ・ウェイスト」は、全国にある使い捨て容器・包装なしでお買い物ができるスーパーやコンビニ、カフェなどを、みんなで見える化していくマップです。ぜひ活用してみてください。

これから迎える12月のクリスマスも同様で、装飾品は、衣装と同様、プラスチック系の材料で安く作られていることが多く、廃棄物となってしまい、リサイクルもされていません。

まずは、購入する前にまずは来年も活用できるか、本当に必要かを考えてみましょう。

普段着に活用できるものは少しでも長く着たり、翌年も活用したりお友達と交換してみるのもおすすめです。

また、古着屋を利用したり、自分好みにリメイクするのもおすすめです。衣料品をリメイクしてくれたり、修繕してくれるサービスもあります。

使い捨てない社会にするために企業に声を届けましょう

グリーンピース・ジャパンは、市民グループ「西荻大作戦」と共催で、東京都杉並区の西荻窪駅周辺にて使い捨てプラスチックごみ問題に関する啓発パレード「西荻プラごみおばけハロウィンパレード」を開催。2022年10月

普段の生活から、脱使い捨てを意識しているけど難しい…

そう思う方も多いと思います。

市民の私たちが、こうしたプラスチック排出大手企業に「リユースの取り組みを期待している」と見える形にして伝えることは、企業を動かす大きな力になります。

世界では、1分間にトラック1台分のプラスチックごみが海に流れ出していることをご存知でしょうか?

日本中、そして世界中で使い捨てごみを出さない飲料やお菓子、やイベントの仮装グッズや装飾品の販売が多くなれば、海洋汚染やプラスチックごみを削減できます。

ぜひグリーンピースのオンラインアクションに参加して、海洋汚染や気候危機を止める力になってください。

【国際キャンペーン】
使い捨てプラスチック問題解決へ
力を発揮してほしい4社へお願いです