世界では気候変動により、豪雨災害や台風、ハリケーンなどが増えています。日本は豪雨、水害、地震、津波など自然災害に見舞われることが多い国です。いつ災害がおこっても、おかしくないように最低限、家庭でできる防災対策をしておくことが非常に重要です。防災と聞くと、何だか大掛かりで準備しなければいけない、というイメージがあり、頭ではわかっているものの行動までできない人も多いのではないでしょうか?そんな方々のために、今回は防災をHappyに伝える防災士のまこぴさんにお家にあるもので楽しく防災対策ができる方法を聞いてみました。

防災をHappyに伝える防災士 まこぴさん

1990年 東京生まれ。3.11 東日本大震災をきっかけに陸前高田市に10年以上ボランティアとして通う。その中で被災した方から直接、震災の話を聞き、その時初めて自分ごとに考え、危機感を覚え防災に興味をもつ。

その後、2019年に防災士の資格を取得。一人ひとりの個性と同じように防災対策も人によって必要なものが違うため、十人十色のように防災もカラフルであるべきと感じ、自分にあった防災グッズの作り方や防災を明るく楽しく伝えたいをモットーに防災の大切さを伝えている。

「まこちゃん、地震がきたら逃げなきゃダメだよ」この言葉をきっかけに防災の大切さに気づく

もともと防災に対しては興味がありませんでしたが、3.11の東日本大震災にショックを受け、大学の先生達と一緒に陸前高田市にボランティアにいくことになりました。当時私は、大学生だったのですが津波によって何もなくなってしまった光景をみて、言葉を失い、自然の脅威に衝撃を受けました。

気づくと陸前高田市に通うようになって6、7年がたっていました。

仲良くなった被災者の方に初めて震災の時の話を聞きました。その時に、私の目をみて「まこちゃん、地震がきたら逃げなきゃダメだよ。命が最優先なんだから」と言われたんですよね。

その時に、私は「やばい、自分自身何も防災対策できていない、もし、これで災害が起きて怪我などしてしまったら、この人たちに顔向けできない」と思いました。

まずは、自分が防災ができるようになろうと思い防災士の資格を取りました。学んでみると防災の大切さや面白さをより感じ、次には周りに伝えたいなと思うようになりました。

防災対策・準備は必ず防災グッズではなくてもいい

緊急事態なので完璧にエコや使い捨てではない物を選ぶことは難しいと思いますが、「防災用」と書いてあるものでなくてもお家にある物で万が一に備えることはできます。

普段使っているものや、すでに自分が持っているもので、ある程度使いまわせるものは沢山あります。例えば、ローリングストックといってスーパーなどで購入できる、いつも食べるものを常時少し多めにストックして、なくなりそうになったら買い足すというサイクルを普段の生活で回していけると全く無駄がない。トマト缶やビン類などは常時ストックして、期限が近くなったら、捨てないでパスタなどに使っています。

お米も、非常食として買わなくても、炊いたら冷凍庫にストックして常時切らさないようにすることもできます。普段の延長線でいいんです。

生理用のナプキンも、怪我での出血を抑えるのに役立ちますし、景品でもらったラップなども出血を抑えたり、お皿を汚さないように使ったりすることができるので、水道が止まった時に活用することができます。

楽しくて無駄にならない防災グッズ

私はキャンプが好きなので、キャンプで使うグッズは災害の時に、とても役立ちます。折りたたみ式のコンロは普段、友達とバーベキューで使えますし、電気やガスが止まった時にも、暖かい飲み物や食べ物も食べることができるので、楽しみながら使って無駄にならない防災グッズだと思います。

防災グッズは、赤ちゃん、子ども、大人では必要なものが違うと思うので一人ひとりに合わせた防災対策を自分色で作ると楽しいですよ。

私の防災対策の一部をご紹介します。

食品

非常食は美味しくないというイメージも多いので、日頃から食べているトマト缶や自分の好きな缶詰などをストックしておくのがおすすめです。無くなる前に買い足してきましょう。

アルファ米はお湯またはお水を入れるだけで、美味しいおにぎりが食べられます。しかし、わざわざ買わなくても日頃から、ご飯を冷凍保存しておくのでも十分です。

ポータブルシャワー

コンパクトで持ち運びがしやすいシャワーバッグ。太陽光の熱を黒色が吸収するので、水を温めて使うこともでき、給水タンクの代わりにもなります。

ガスコンロ

普段、キャンプの時に使っている、折りたたみ式コンロ。ガス缶は自分の好きなカバーを巻いて可愛くしました。ガスや電気が止まった際もこれさえあれば暖かいものが食べられますし、コンパクトに収納できるのもいいですね。

折りたたみ式ヘルメット

軽くて見た目も可愛い折りたたみ式ヘルメットは、部屋に置いても気にならないアイテムです。このように私は、可愛いもの・自分が揃えていて楽しいと思うものを選んでいます。

お菓子

見た目が可愛いパッケージや、味も自分の好みのものを選びましょう。このヴィーガンパンはとても美味しいのでお気に入りです。パッケージが可愛いと気分も明るくなりますね。

普段の延長線でのストックフード①

普段普通にスーパーなどで買える食べ慣れている食材で、日持ちがするものを多めにストックし、無くなる前に買い足すサイクルを回すのがおすすめです。災害時は栄養不足になりがちなので、野菜やおかずも大事です。私は大好きなPatagonia provisionsもストックしています!

普段の延長線でのストックフード②

パスタとパスタソースのセットは、手軽だし色々な味があって飽きないので重宝しています。また、わざわざ買わなくても、日頃からご飯を少し少し多めに炊いて冷凍保存しておくのも有効です。水道やガスが止まっても、お水とカセットコンロさえ持っていれば、パスタもお米も調理し出来立てを食べることができますよ!

可愛いすぎる!今どきストックフード

こちらは防災用として売られているご飯やパンですが、ついついジャケ買いしてしまったものたちです。こんなに可愛いのに賞味期限が長く、しかも美味しい!「防災は地味だ」と思っている全ての人に全力で紹介したいです。

フリーズボトル

ボトルに水を入れて凍らせたものを3,4本ストックしておきましょう。

電気が止まった時に、冷蔵庫に移し変えると食材を冷やすことができますし、溶けたあとは料理や飲み水などに使うこともできます。冷凍庫は、できるだけたくさんものが詰まっている状態の方が電気の節約になるそうですよ!

また、食器棚や家具を倒れないように固定しておくだけでも、怪我の危険を回避することができますし、地震が来てもモノがいちいち壊れない。これも大きな視点で捉えるとエコなことだと思うんです。

タッパーなど割れないものや軽いものは上の棚、割れやすい食器やコップは下の棚に入れるなど工夫することもできます。ぜひ試してみてください。

地球で生きることは自然災害が起きることも含め自然と共に生きるということ

洪水や猛暑など、私が子どもの時と比べて気候変動が悪化していると感じます。

ニュースやデータなどをみて、こんなに局所的に大雨が降ることに驚きました。

人間がどんなに賢くなっても、自然災害を無くすことはできませんが、それでも私たちは気候変動をこれ以上悪化させないように使い捨てをやめたり、地球に優しい選択をして抑えることができると思います。

地球で生きることは自然災害が起きることも含め自然と共に生きるということだと思います。気候変動によって自然災害は悪化し世界中で増えています。

人ごとではなく誰の身にも起こりうることです。できるだけ、災害対策をして、命を守り、怪我をしないようにすることが防災対策の意義だと思います。

防災は地味、堅苦しくつまらない、と思ってしまう人も多いと思うのですが実は、面白いものや可愛いものも沢山あります。自分が興味がある分野から防災をはじめて、楽しみながらやってみてください。

まこぴさんのインタビューいかがでしたか?

お話を聞いて、これなら私も今日から防災を始めることができる、と思った方も多いのではないでしょうか。日頃の生活の中で、できることからはじめていきましょう。

今日から防災対策と共に気候変動を抑えるために、グリーンピースの活動に参加してみませんか?

私たちは、日頃から防災対策をし、万が一に備えておくことが大切です。そしてこれ以上、気候変動を悪化させないように私たち一人ひとりができることからはじめることも必要ですが、企業や政府が早急に気候変動対策に力を入れなければ、気候はもっと悪化し安心して住めない地球になってしまいます。

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