7月10日は参議院選挙です。これまでは選挙に関心が低かった人も、環境問題や気候変動について知り、政治参加の重要性を感じている人も多いのではないでしょうか?

その一方で、18歳〜39歳の若年層は少子高齢化社会において有権者に占める割合が少ないことから「投票しても意味がない」と感じている人も多いと思います。

未来を生きる若年層ほど、選挙に行くのが大切です。その理由を一緒に考えましょう。

7月10日は参議院選挙

7月10日は参議院選挙です。今年の参議院選挙では、今年は選挙区148議席、比例代表100議席の合計248議席を決めます

有権者は、選挙区と比例代表の2種類の投票を行います。このうち選挙区選挙は、投票用紙に候補者の名前を書いて投票し、比例代表選挙比例代表では政党名か候補者の個人名のいずれかを書いて投票します。

国民みんなで決めるのが民主主義。それを実現するための選挙

日本は国民が主権を持つ民主主義国家。選挙は、私たちが住む社会のことを私たちの代わりに決めてくれる代表を選ぶものです。

政治の最も重要な役割の一つは、国民から集めた税金をどう使うのか決めることです。また国民の意見を聞き、社会に選択肢や規則を作ることも政治の役割です。

議員は私たちの意思を社会に反映する代表者であり、その代表者を決めるのが「選挙」です。だからしっかり国民の意見を反映させてくれる代表を選ぶことはとても大切です。

選挙は民主主義の基本であり、選挙に参加することで私たちの意見がはじめて政治に反映されます。政治に参加しなければ、知らないうちに自分が暮らしにくくなる決定がされてしまうかもしれません。

若者は選挙に行っても意味がない?シルバー民主主義って?

シルバー民主主義は、有権者全体の中で高い割合を占める高齢者向けの政策が優先される政治のことです。有権者に占める高齢者の比率が上昇し、20代〜30代の有権者の投票率が低いことから、政治家も高齢者を優遇する政治を行うようになっています。

少子高齢化により、政治に届けられる若い世代の声が小さくなっているだけではなく、18歳〜39歳の若年層の投票率は40%と、60歳以上の高齢者の投票率65%と比較すると低いこともシルバー民主主義が加速する理由の一つと考えられます。

18歳〜39歳の若年層の投票数が60歳以上の高齢者の投票と同数になるためには、102%の投票率が必要と言われており、一人でも多くの若年層が投票することが少子高齢者社会では大切です。

若者も高齢者も選挙に参加することで、若者に必要な政策も高齢者に必要な政策も対等に、全世代にとって大切な政策が実現されていきます。

日本の投票率は世界139位

日本の投票率は53.68%で、約半数の人が投票しません。国民の投票率の高いオーストラリアやデンマーク、スウェーデンなどでは80%以上の国民が選挙に参加しています。*

若年層の投票率が高い国では、政治家が若年層が望む政策にも耳を傾け、若い世代が生きていきやすい政策も実現されています。例えば、デンマークの福祉制度のひとつに、学生給付金制度があります。これは、政府による18歳以上の学生を対象とした月々の生活費の援助で、学生はアルバイトに時間を取られずに勉強に集中することができます。*

環境問題も未来の世代の暮らしに関わる問題

欧州委員会は、今の子どもたちは食糧と水をめぐり戦争になると警告しています。*

気候変動は食糧危機、干ばつ、水不足や大規模な山火事、熱波など様々な問題を起こし、今を生きる若者や将来世代の命と安全に関わる問題になるだけではなく、近い将来の経済、公衆衛生、雇用、安全、貧困、食の安全、外交など私たちの生活すべてに影響を与える問題です。

従って、気候変動対策を真剣に考えている政党を選択することは、長期的な目線ですべての政策への責任を持つことと同じと言えます。選挙までしっかりとそれぞれが考え、投票に行きましょう。

「選挙、政治って難しい!」という方へ

みなさんが大切に考えていることを各政党はどう考えているでしょうか?

『みんなの未来を選ぶためのチェックリスト』では、参議院議員選挙へ向け、主要政党へ20項目43問の質問を送り、回答を公開しています。

また、地球温暖化・気候変動問題に関する政策の全体の傾向と各党の方向性が分かる​​「各党選挙公約の気候変動・エネルギー政策に関する分析」(気候ネットワーク)からも各政党の地球温暖化対策に関連した政策について知ることができます。

しっかり学び、考え、投票にいきましょう!