新型コロナ感染症により、自家用車やバイクでの通勤がなくなったことで、ロサンゼルスやニューデリーなどの都市で炭素排出量は一時的に減少しました。このことからも私たちが通勤することで排出される炭素が環境に大きな影響を与えていることが分かります。

実は、週休3日制による労働時間の短縮は、大気汚染や二酸化炭素排出量を減らし、地球温暖化の抑制につながると指摘されています。

週休3日制度とは

ここでいう週休3日制度は、賃金を下げることなく正社員が従来の5日間に代わり、週4日で働く働き方のことです。

4日間で「通常の35〜40時間」働き、その後3日間休む制度と定義されることもありますが、1日の労働時間を伸ばすことにより週休を獲得する働き方はストレスになる可能性が指摘されています。*

週休3日制度では、4日間の週は同じ労働時間(8時間)を維持したまま、週休が1日増えるため1週間の労働時間が少なくなります。

最近では、メンタルヘルスやワークライフバランスなどの観点から、週休3日制度への関心が高まっています。

週休3日制度で温暖化が改善される?

新型コロナ感染症により、自家用車やバイクでの通勤がなくなったことで、都市で環境への影響が見られ、炭素排出量は一時的に減少しました。* このことからも私たちが通勤することで排出される炭素が環境に大きな影響を与えていることが分かります。

実は、週休3日制は人のメンタルヘルスやワークライフバランスなどだけのメリットだけではなく、地球温暖化を改善する可能性が高いことがわかって来ています。

温室効果ガスの排出量は減少

週休3日制による労働時間の短縮は、大気汚染や二酸化炭素排出量を減らし、地球温暖化の抑制につながると指摘されています。

仮にイギリスが週4日労働に移行した場合、二酸化炭素排出量が20%以上も削減される可能性があると分かりました。*

2006年に発表された論文では、アメリカの労働時間をヨーロッパ並みに短縮すれば、CO2排出量が7%削減できると言われています。

オフィスを完全に閉める日を増やすことで、空調や照明、エレベーターの稼働、コンピューターの使用量などの電力消費量が削減されます。通勤で車が使用される国や地域では、車の使用の大幅な減少につながります。(米国では、通勤者の4分の3以上が一人で運転しています)

休日の過ごし方にも変化が

また別のいくつかの研究では、より長い労働時間が、より多くの消費活動を生み出すと指摘しています。

逆に休日が多くなると、人は車を運転するよりも、家族と過ごす、公園に行く、ボランティアをする、散歩をするなど、CO2を排出しない活動に時間を多く費やすようになるという結果が明らかになりました。*

日本は長時間労働の割に、労働生産性が低い

日本における1時間あたりの労働生産性は、OECD加盟国の36カ国中21位。主要先進7カ国(G7)の中では、約50年間にわたって最下位が続いています。

しかし、日本と類似した産業構造のドイツは、1時間あたりの労働生産性が国際比較で8位と高水準の労働生産性を維持しています。なぜでしょうか?

労働生産性を下げる原因として考えられているのが、労働時間です。*

ドイツの平均年間労働時間は約1,363時間と少ない傾向にあります。一方で、日本の平均年間労働時間は約1,680時間。ドイツやアメリカでは決められた時間内に業務を終わらせようとする意識が強く、「残業=やる気がある」という考えは存在しません。

「長く働けば、仕事量を多く消化できる」というわけではないようです。では、労働時間が減少する週休3日制は労働生産性にどのような影響を与えるのでしょうか?

Forbes「Where Labor Productivity Is Highest」

アイスランドで行われた社会実験では

2015年から2019年にかけて、アイスランドのレイキャビク市議会は週休3日制の労働実験を実施しました。

総労働力の1%が参加したこの実験では、従業員は士気の向上、燃え尽き症候群の減少、仕事と生活のバランスの改善が見られ、生産性の低下はなかったと報告されています。*

労働時間が減ることでオンとオフのメリハリが付き、ダラダラと仕事をするのではなく短い時間でしっかり仕事できる人が増えるのかもしれません。

労働下では、環境への配慮も難しい

私たちの生活や仕事の仕方が、私たちの心身を疲弊させるだけでなく地球の健康を破壊するような決断をさせる原因となっている可能性があります

自分自身の仕事や生活で余裕がない場合、長期目線で見た決断や惑星全体に配慮した決断に気を向けることができません。

HuffPost創設者のアリアンナ氏は自分自身を大切にすることと地球への影響には関連性があり「まず自分自身の酸素マスクをつける。その後にしか他人のことはできない」と表現しています。*

生まれた余裕で環境活動をしませんか?

長時間労働をそこまで負担に感じていなかった方も、環境への影響について知ると働き方をシフトしていくことに興味が湧きませんか?

オーバーワークをやめ、自分の心や体をケアする時間を確保することで、環境保護活動などに参加する余裕も生まれるかもしれません。

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