みなさんはコンタクトを使用しますか?実は、コンタクトのごみの処理の仕方を知らず、トイレ水道に流す人が多くいます。コンタクトのごみによる川や海のマイクロプラスチック汚染やコンタクトのケースなどのプラスチックごみが環境に与える影響、そして私たちができることについて一緒に考えましょう。

コンタクトレンズが環境に及ぼす影響

排水溝に流すことで海洋汚染につながる

米アリゾナ州立大学のロルフ・ハールデン氏の研究では、アメリカのコンタクトレンズ使用者の15〜20%が使用済みレンズを洗面所やトイレで流していたことが分かりました。

アメリカでのコンタクト使用者は約4,500万人。年間で推定18億~33億枚ものレンズが下水に流されている計算になり、マイクロプラスチック汚染の問題を悪化させている可能性があります。*

日本では、コンタクトレンズ協会が2019年、2,400人を対象にレンズの使い方などについて調査したところ、33%の人が洗面所や流しで、15.1%の人がトイレに捨てていると回答しました。*

パッケージの廃棄

コンタクトレンズ専門店のアイシティでは2010年よりコンタクトの空ケースを回収。回収できる空ケースはわずか1%未満ですが、約3億7千万個分を回収し、その重さは373.95トンとなり、それをリサイクルすることで1035.86トンCO2を削減したと発表しました。*

毎日のコンタクト使用から出てしまうプラスチックと、そのプラスチックを生産・廃棄するための温室効果ガス排出は深刻ですね。

コンタクトのケースのごみの多くはその他のプラスチックごみと同様にリサイクルされず、焼却や埋め立てがされていると考えられます。

コンタクト使用の環境負荷を減らす方法

1. ワンデータイプの使用廃止

ワンデータイプのコンタクトレンズは、毎日コンタクト本体とケースのごみが出てしまうので、2週間や1年のタイプでケースやコンタクト本体の消費量を減らすことを検討しましょう。

2. 洗浄液は界面活性剤&動物性素材不使用なものを

コンタクトの洗浄液でサステナビリティを意識したものは少ないのが現状ですが、消費者の私たち一人ひとりにできることはあります。

コンタクト使用者ができることは3つ。

  • 界面活性剤不使用の洗浄液や保存液を選ぶこと
  • 動物性原料不使用の洗浄液や保存液を選ぶこと
  • メガネの日を増やして洗浄液の使用を減らすこと

ドラッグストアで販売しているコンタクトの洗浄液&保存液でも界面活性剤が不使用のものや、植物性の界面活性剤が使用されているもの、動物性素材不使用のものがあります。メーカーに問い合わせて購入しましょう!

3. メガネを活用する

コンタクトの使用頻度を減らすことも、洗浄液などの消費量を減らすことに貢献します。アウトドアやお出かけの際はコンタクトを使用する方も仕事や学校はメガネを活用してみてもいいかもしれません。

一人ひとりの意識から社会は変わる

コンタクト製品を選ぶ際、メーカーなどに確認の電話やメールをする際は「環境に配慮した製品を探しています」などと需要を伝えましょう。

多くの人が「環境に配慮した製品」を使用したいと考えていることが伝われば、メーカーもそれに応えてくれるようになります。

ごみの出ない社会づくりのために

個人の努力でできることはたくさんあります。

でも、環境問題に関心がない人も含めて、すべての人がプラスチックごみを出さずに暮らしていくためには社会のシステムが変わる必要があります。

グリーンピース・ジャパンでは現在、業界のリーダーでもある大企業に、リユースの取り組みを取り入れることを求める重要なキャンペーンを行っています。ぜひあなたも、この署名に参加して、普通に暮らしていても無駄なごみが出ない社会を、一緒に実現しませんか?