レジ袋有料化から1年

2020年7月1日から始まったこの制度、大手コンビニ各社によれば、7割以上の購入者がレジ袋の利用を辞退するようになったと報道されています。1
多くの人がマイバッグをもって買い物にいくようになってよかったよかった…とはいきません。

フィリピン、プラスチックカップに閉じこめられたカニ。2019年撮影。

レジ袋はプラスチックごみのわずか2%にしかならないからです。
国際的には、有料化どころか全面禁止の動きが加速し、プラごみ問題全体をどうするかという議論が進んでいます。2
世界的に見ると、残念ながら、日本は遅れてしまってるみたいです。

カフェ業界から使い捨てカップをなくしたい

いまグリーンピースでは、スターバックスをはじめとするカフェ業界へのはたらきかけを強化しています。
なぜカフェか?というと、世界では年間に6,000億個もの使い捨てカップが流通していて、それらは、事実上、リユースカップに置き換えることが可能だからです。

メキシコの海岸に捨てられたプラスチックカップ

でもスタバって店内で使えるマグカップもあるし、私はいつもマイタンブラーを持ち歩いてるし…と思う方もおられると思います。
ところが実際には、スタバの利用客の97%が使い捨てカップを利用してるんです。

カフェの使い捨てカップは、プラスチックごみ問題の最大の課題である使い捨て包装ごみの中でも、「誰もが解決策に大きく関わることができる」問題のひとつです。
もし、全国のカフェチェーンが使い捨てカップを段階的にやめることができたら、カフェで飲み物を楽しむ人みんなが、使い捨てプラスチック包装問題の解決に貢献することができます。

紙カップは解決策ではない

スターバックスコーヒージャパンは、今年、プラカップではなく紙カップで飲み物を提供することや、ストローのいらないフタの導入を発表しています。3
しかしこれは解決策とはいえません。プラスチックが紙になっただけで、使い捨てごみになることに変わりはないからです。
紙を使い捨てることによって、新たに別の資源を浪費することになってしまいます。

EUでは、2030年までに域内で使用されるプラスチック容器包装をすべて再使用・リサイクル可能なものにすることを目指す「欧州プラスチック戦略」が2018年に策定され、使い捨てプラスチック製のストロー、カトラリー、食品包装容器などの使用削減に向けた国内法の整備が進んでいます。
中にはフランスのように、2040年にはすべての使い捨てプラスチック包装の市場投入を禁止する目標を掲げる国もあります。4

アフリカはごみ箱じゃない

プラスチック問題は、2017年に中国が廃プラスチックの輸入を禁止したことで表面化しました。それまで中国にプラスチックごみを押しつけていた世界各国は、今度は東南アジアに輸出先を変更しましたが、そこでも次々に規制が始まり、いまではアフリカに、年間10億トンもの廃プラスチックが輸出されています。5

セネガルのビーチに打ち上げられたプラスチックごみ

日本も例外ではありません。日本は世界的な廃プラ輸出大国です。
2020年の日本からの廃プラ輸出は82万トンで、その内の多くが東南アジアなどの途上国に輸出されていますが、8,100トンはアフリカ地域への輸出でした(財務省統計 HS3915)。

他国から持ちこまれた廃プラスチックの多くがその国の環境を汚染し、生態系を破壊し、地域住民の健康に悪影響を与えます。
行ったこともない外国で起きていることだからといって、無視できる問題ではありません。

使い捨てから卒業し、循環する経済へ

グリーンピースはスタバと対話を続け、使い捨てプラスチックを提供する企業各社に、こんなことを提言しています。

  • 使い捨てプラスチック大幅削減のための野心的な目標設定を行う。必要のないものは撤廃する。無くせないものについては、使い捨て容器包装がそもそも必要なくなるリユースの仕組みを導入する。これら2点を最優先で行うことで、大幅削減を実現する。
  • 繰り返し使える返却式リユース容器など、新しいリユースの仕組みを全国的に導入する。6回収・洗浄・輸送・アプリや管理システム開発など、様々なステークホルダーと協力して仕組みを運用する。
  • 使い捨て容器には追加料金、容器持ち込みには割引などをすることによって、マグカップなどの店内用容器や返却式リユース容器の仕組みを利用しやすくする。
台湾ファミリーマート桃園市役所店で始まったリユースパッケージの試験導入。ファミマはこのとりくみを台湾全土に拡大することを約束している。

グリーンピースによる企業へのはたらきかけは、独立した立場で、環境破壊の現場など世界中での調査、そこから導き出された科学的根拠に基づいています。

解決策はすぐ目の前にある。
そういえるのは、ご寄付でグリーンピースを支えてくださる寄付サポーターの皆さまのお力があるからです。

政府や企業からの援助は、いっさい受けとっていません。

あなたのご寄付が、使い捨てプラスチックごみのない明日を実現する、大きな力になります。

もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

1: https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210630/k10013110471000.html
2: https://www.greenpeace.org/japan/nature/press-release/2019/12/25/11928/
3: https://www.starbucks.co.jp/press_release/pr2021-4004.php
4: https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/publication/2021/08/23/52511/
5: https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2021/07/20/52357/
6: https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2021/03/01/50420/

グリーンピースに寄付する

グリーンピースは政府や企業からの援助をうけず、独立して環境保護にとりくむ国際NGOです。 大切なあなたの寄付が、グリーンピースの明日の活動を支えます。

参加する