4月には、韓国のスターバックスが2025年までのプラスチックも紙も含む、すべての使い捨てカップからの脱却を発表したニュースがありましたが、なんと、今回ヨーロッパ、中東・アフリカ地域の全3,840店舗でも、2025年までの段階的なリユースの仕組み導入が発表されました*

気になる中身を見ていきたいと思います。

返却式リユースカップの仕組みを導入

ホット・コールドの飲み物両方で使用できるリユースカップを少額のデポジットを支払うことで利用でき、飲み終わった後は購入した店舗や回収場所にそのまま返却し、デポジットの返金を受けられる。導入されるカップは保温・保冷構造なので、温かいまま、冷たいまま飲むことができます。使い捨てカップより断然快適に飲み物を楽しめますね!

マイタンブラー割引

タンブラーを持ち込んだ利用者には、割引を25〜30ペンス/セントに設定。(日本のスターバックスもタンブラーを持ち込めば20円の割引をしてくれます。)

使い捨ての紙カップへ課金

イギリスとドイツなどで、リユースカップの利用を奨励のため、使い捨ての紙カップを利用する人には5ペンス/セント課金する仕組みを再導入。様々な調査から、使い捨てカップに課金することで、タンブラー持ち込みが大幅に増えることが分かっています*。リユース率を高めるための効果的な方法です。

「リユースを唯一の選択肢に」

今回の発表について、スターバックスEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)の社長であるDuncan Moir氏は「これまで紙カップの数量削減に取り組んできたが、まだやるべきことがあり、長期的にはリユースを唯一の選択肢としていかなければいけない」と述べています。

リユースを当たり前にしていくことへの意気込みを感じます。

毎年、世界で6,000億個が消費されている紙・プラスチックの使い捨てカップは、資源を使い捨てることの象徴になってしまっています。韓国、そしてヨーロッパ、中東アフリカ地域における今回の発表で、スターバックスが「使い捨てからの脱却」を実現しようとするリーダーシップを取ろうとしている事に本気度を感じています。

全世界に32,000店舗以上を抱えるスターバックス*は、この取り組みを他の国と地域にも早急に広めることが必要です。これにより、様々な業界がリユースに移行していくために大きな影響を与える真のリーダー企業になるのではないでしょうか。

1,600店舗を抱える日本のスターバックスは?

グリーンピース・ジャパンでは、今年の2月から使い捨てプラスチックから使い捨て紙カップへの移行を全国的に開始した日本のスターバックスに対して「スターバックスさん、プラスチックでも紙でもない新しい”リユース”の仕組みを待ってます!」というキャンペーンを行っています。4月の韓国スターバックスの発表を受け、2025年までの使い捨てカップ廃止を求める要望書も提出しました。

その中で求めていることは、この3つのポイントで、今回ヨーロッパなどで発表されたものにも非常に近い内容です。

スターバックス コーヒー ジャパンが、2025年までに店内用カップおよびタンブラー利用を合わせたリユース容器の利用割合を100%に高める目標を2021年内に発表すること。

  • 繰り返し使える返却式リユース(再使用)カップの仕組みを早期に全国の店舗に導入する
  • 店内利用においては、全てマグカップ提供に切り替える
  • テイクアウトにおいては、マイタンブラーの利用率を大幅に高めるために、使い捨てカップへの課金などを行う

今月スターバックス・ジャパンと話します

6月後半に日本のスターバックスとの第3回目の対話を行います。要望書を4月15日に提出した際、改めてのオンライン面会を求めていました。その後、約2カ月後のつい先日日程が確定しました。

日本のスターバックスの担当者からは、ごみを減らしていくという、スターバックス全体の目標をどう実行に移していくかは、ある程度各国の裁量に任されていると聞いています。日本で使い捨てカップからの脱却することを目標とし、リユースの仕組みを全国に導入するという決定は、日本のスターバックスの本気度にかかっているとも言えるでしょう。

私たちは対話の中で、これまで集まったみなさんからの署名の数だけでなく、そこに添えてくれたメッセージも詳しく紹介していく予定です。ぜひ署名をして、日本でもリユースの仕組みを広めて欲しいというみなさんの思いも、書き込んでください。

日本のスターバックスがリユースへの移行に舵を切ることができれば、日本の他のカフェチェーンや、小売店にも、大きなメッセージとなります

資源を使い捨てにする社会から一刻も早く脱するためにも、みなさんの声が必要です