台湾のセブンイレブンが、アジアの大手コンビニエンスストアチェーンとしては初めて、使い捨てプラスチックを廃止することを発表しました!

日本と同じように、台湾でもセブンイレブンなどのコンビニは暮らしにとって身近な存在です。市内を10分も歩けば、コンビニを見かけないわけにはいきません。しかし、コンビニが密集しているということは、使い捨てプラスチックが多いということでもあります。いまのような使い捨てのビジネスモデルに頼ったコンビニであり続ける限りは--。

使い捨てプラスチックを多用した商品を販売する現状のスーパーマーケットやコンビニなどの小売店では、大量のプラごみが発生している。© Greenpeace

どうして台湾のセブンイレブンは、脱プラへ?

グリーンピース・東アジアの台北事務所は、2年ほど前から、セブンイレブンをはじめとする台湾の小売業者に、使い捨てプラスチックを廃止するよう働きかけるキャンペーンを行ってきました。

2019年と2020年、グリーンピースは、台湾の主要小売業者9社のプラスチック削減実績をランキングしました。2020年のランキングでは、セブンイレブンは食料品店のPxMartやコンビニのファミリーマートに遅れをとっていました。

グリーンピース・東アジアと台湾の国立成功大学による2020年の調査では、台北と高雄にあるセブンイレブンの店舗から、年間15,000トンのプラスチックごみが発生し、そのうち少なくとも3割が焼却されていることがわかりました。

こうした調査をもとにしたグリーンピースの呼びかけに応え、台湾の市民のみなさんも行動を起こしました

わずか2年間で21万人が、セブンイレブンを含む台湾の大手小売業者に、使い捨てプラスチックの削減計画を実施し、繰り返し使えるリユース容器を増やすよう、署名で声を届けました

グリーンピースは、セブンイレブンの店舗の外に3つの冷蔵庫を設置するアクションも行いました。コンビニが毎年排出している大量のプラスチック廃棄物を見せて、消費者の求めを会社側に示すためです。

使い捨てプラスチックの包装ごみがいっぱいに詰め込まれた冷蔵庫を置いて、セブンイレブンが毎年排出しているごみの量を紹介するグリーンピース。© Greenpeace

アジアで初めての試み

2年間のキャンペーンを経て、ついにこの嬉しいニュースが届きました。

セブンイレブン台湾は、2050年までにすべての使い捨てプラスチックの使用を廃止する計画を発表し、毎年10%の削減を目指しています

これは、アジアの大手コンビニチェーンが使い捨てプラスチックの全廃を約束した初めてのケースで、小売業界のこれからに大きく影響する可能性があります。

2020年には、台湾のセブンイレブンは、プラスチックごみを削減するための実証実験を開始しました。4店舗でコーヒーなどのドリンクの返却式リユースカップの仕組みを導入し、18店舗に繰り返し使える配達パッケージの返却ステーションを設置しました。

今回のセブンイレブンの発表は、コンビニやスーパーが、飲料容器、食品包装、配達廃棄物などの使い捨てプラスチックを削減するために行動を起こせることをはっきりと示しました

しかし、2050年は今から30年も先で、削減のペースを早める必要があります。そして、このプラスチックフリーの取り組みを、日本はもちろん、世界中のセブンイレブンの店舗に拡大することが大切です。

また、プラスチックを紙などの他の使い捨て素材で代用するのではなく、リデュース(削減)とリユース(再使用)を基本とした解決策が求められます。そうでなければ、問題をプラスチックから他に移すだけになってしまいます。

グリーンピースは、今後も台湾のセブンイレブンの使い捨てプラスチック削減の進捗を追っていきます。

台湾のセブン-イレブンに設置されている返却式リユースカップのレンタル機。利用者はスマホを使ってカップをレンタルし、使用後に返却する。© Greenpeace

ファミリーマートなども追随

台湾で行動を起こしているコンビニチェーンは、セブンイレブンだけではありません。

2020年10月、グリーンピース・東アジアの台北事務所は、プラスチック危機の解決策を考えるフォーラムを開催しました。このイベントに参加した177人の業界関係者のうち、20人がファミリーマートの関係者でした。

2021年1月、ファミリーマートは1つの店舗で、リユース可能な容器に入れたお弁当の販売を開始しました。利用者が容器を返却すると、回収され、次の人のために衛生的に処理されます。

さらに、別の店舗でも、コーヒーなどのリユースカップと、お弁当のリユース容器の実証実験を開始することを発表しました。利用者は、スマホを使ってカップをレンタルし、使用後に返却します。ファミリーマートは、3カ月以内に5店舗でリユースのカップと容器のサービスを実施する予定で、さらに拡大する可能性もあると伝えています。

また、Foodpandaなどのフードデリバリーサービスでは、台南でカップや容器のレンタル会社「Good To Go」と協力して、利用者に使い捨てプラスチックを使わない選択肢を提供しています。

ファミリーマートが開始した、リユース容器でお弁当を販売しプラスチックを削減する試み。© Greenpeace

日本で暮らす私たちができること

出てしまったごみをどうするか、ではなく、そもそも生産の段階からごみを減らすことこそが、使い捨てのプラスチックごみが地球を汚染し続けるのを防ぐ根本的な解決策です。

グリーンピース・ジャパンでも、大手コーヒーチェーンのスターバックスに、返却式リユースカップの導入を求めてキャンペーンを展開しています。このブログを読んで、日本でもごみを出さない取り組みが増えるといいのに、と思った方は、ぜひ署名にご協力ください!使い捨てない仕組みを、利用者が求めていることをお店に伝えて、一緒に実現していきましょう。

5月27日には、脱プラ先進市で知られる京都府亀岡市や、東京都環境局、米国のカリフォルニア州バークリー市、そして国内外で”使い捨てない”ビジネスモデルを推進する企業や団体をなどお呼びして、大規模なオンラインシンポジウム「リユース革命! 容器包装で始まるサーキュラー・イノベーション」を開催します!企業と自治体と市民が一緒に使い捨て問題への解決策を考える場ですので、ご関心がある方は、ぜひこちらからお申し込みください。

https://www.greenpeace.org/japan/connect/event/2021/04/22/51316/