私たちみんなが、新型コロナウイルスから、大切な人たちや地域コミュニティを守ることで頭がいっぱいだったこの期間に、気候変動というもうひとつのモンスターが、私たちに忍び寄ってきていたのです。

「はやくコロナ危機が去って、日常に戻ってきて欲しい」

それは私たち全員が願ってやまないことです。でも、”元どおり”の社会に戻っていいのでしょうか?CO2や汚染を大量に排出する化石燃料への依存や、大量消費・大量廃棄の社会に。コロナ危機の最中、日本をはじめ、世界各地で起きる豪雨や洪水は、たとえコロナ危機がさっても、”元どおり”に戻ることは、もはやありえない、と訴えかけてくるようです。

バングラデシュ

バングラデシュでは3分の1が洪水に遭い、280万人が被害を受けました。南アジアの洪水は今や毎年の出来事で、状況は年を追うごとに危険になるばかりです。2020年7月20日、シュリーナガル(Sreenagar)で浸水した歩道の横に座る少女。 – 南アジア全域でのモンスーン豪雨による死者数は200人近くまでのぼっています。© MUNIR UZ ZAMAN / AFP / Getty Images

中国

中国の中部湖北省武漢市の増水した揚子江にある岩の上に建てられた700年の歴史を持つ観音寺。政府によると、6月からの豪雨で少なくとも141人が死亡・行方不明となり、7月だけで1500万に近い人々が避難を余儀なくされました。中国の安徽省と湖北省では、ここ数十年で最も激しい豪雨に続いて激しい洪水や土砂崩れが発生し、約1万人が避難しています。中国だけで合計3,789万人が被害を受けました。 © STR/AFP / Getty Images

インド

インド北東部では約680万人が被害を受けました。2020年7月14日、アッサム州カームループ地区のハティシラ(Hatishila)の洪水被害地域で、部分的に水没した小屋の横でボートを漕ぐ村人たち。 洪水はインド北東部で毎年数百人の命を奪っています。 © BIJU BORO/AFP via Getty Images

ネパール

カトマンズでの豪雨の後、バグマティ川が氾濫し、ベランダに立ち尽くす住人。 © PRAKASH MATHEMA/AFP via Getty Images

インドネシア

南スラウェシ州北ルウ地区ラド村(Radda)で鉄砲水の被災者を避難させる捜索救助隊。南スラウェシ州北ルウ地区のマサンバ川(Masamba)、ロンカン川(Rongkang)、ラド川(Radda)の氾濫を引き起こした2020年7月13日の豪雨によって引き起こされた鉄砲水と土砂崩れは、32人の命を奪い、16人が行方不明となっています。マカッサル捜索救助局(Basarnas)によれば、合計1,590人の住民が洪水の影響を受けました。国家防災庁(BNPB)は、今回の洪水は上流地域のパーム油プランテーションのための大規模な森林伐採が原因であると述べています。© Hariandi Hafid / Greenpeace

ケニア

洪水によって破壊された自分の家の近くにいる女性。ケニアでは洪水が再び発生しており、数日間に家に住めない状態になっていました。洪水によって何千もの人々が避難し、数百もの命が失われ、作物は破壊され、家畜は死んでいます。東アフリカの気象パターンは、地球規模の気候の変化によって大きく影響を受けています。洪水や干ばつなどの異常気象は、気候危機が深まるにつれて、より頻繁に起こり、より激しくなってきています。現在の新型コロナウイルスによる危機とバッタの襲来も相まって、洪水は同国の食糧安全保障状況を悪化させることが危惧されています。 © Greenpeace

日本

熊本県人吉市で、被害を受けた家屋の前に立つ女性。2020年7月豪雨の影響で、九州地域の大部分が豪雨となりました。洪水や土砂崩れが発生し、広い範囲で甚大な被害をもたらしました。数十人が犠牲になり、100万人以上に避難勧告が出されました。 © Masaya Noda / Greenpeace

倒壊した家屋。熊本県人吉市。 © Masaya Noda / Greenpeace

私たちは、今ある地球を守っていかなければいけません。ほかに生存可能な惑星なんてないのですから。

[協力:翻訳ボランティアMiku]