インドネシア・ジグル川流域の森。
森は大気中の二酸化炭素を酸素と有機物に変えてくれます。
温室効果ガスを吸収することで、地球の気温を調整する役割を果たしているのです。
その森が今、危機にさらされています。
グリーンピースの2018年の調査では、この地域の森がパーム油農園開発者に破壊されていることがわかっています。
インドネシア・シラ村でサゴ米を運ぶ女性。ヤシの木の中心部からつくるサゴ米は熱帯の人々の主食です。
数百万もの人々が、食糧と住む家を森に頼って暮らしています。
カメルーンの熱帯雨林にて。ピグミー族の少女。
ピグミー族の人々はさまざまな種類の動物を狩り、果物を選んで食べ、薬用に樹皮を集めます。
彼らのようなコミュニティは食料も水も薬も、森から採って暮らしています。
しかしこの森も、材木やパーム油農園などの開発の危機にさらされています。
ベニノキの赤い果実と種子は、アマゾンの先住民の儀式のボディペインティング、虫よけや日焼け止めとして使用されています。 葉はゆでて、熱の治療に使われます。
熱帯雨林には膨大な数の生きものが暮らしています。 陸上生物ではその最大8割にもあたるのです。
陸上植物や動物の大多数は森で生きています。 すなわち、森林破壊は、地球上の生命の絶滅の主な原因になります。
水辺に住み、泳ぐのが得意なジャガーはかつて、アメリカ南西部から南米アルゼンチンの北部にかけて広く見られていました。 今では、生息域はその半分ほどに縮小しています。
オーストラリアのデインツリーの熱帯雨林。
体重2〜7キロのすばしこいこの小さな動物はアカシアヤブワラビー。 彼らのエサは主に落ち葉ですが、新鮮な葉、果実、低木の果物も好きです。
パーム油農園開発のために伐採の危機にさらされている西パプア。
マラグフク村の木の上のゴクラクチョウは、この島の固有種です。 三色の羽をもつ艶やかな外見に加えて、美しい声と魅惑的なダンスの才能も持っています。
インドネシア・カリマンタン島。枝を使って火を消そうとしているダヤクナジュ族の男性。
衛星データの分析によると、2019年には6秒ごとにサッカー場1面分に相当する面積の原生林が失われました。
牛肉や大豆、パーム油などの需要増大によって、熱帯雨林の破壊も増大するのです。
ブラジル・パラ州ノボプログエソのジャマンシム環境保護区での火災現場。
2019年にアマゾンで記録された火災の発生数は、近年最大となりました。
2019年1月〜8月20日のこの地域の火災数は、2018年の同時期の2.5倍に増加しました。
オーストラリア・ニューサウスウェールズ州タンバルンバ郊外の火災現場。この火災で150万エーカーもの面積が被災しました。
2019年 9月に火災が発生して以来、オーストラリアでは前例のない森林火災によって約1100万ヘクタールが破壊され、少なくとも29人が亡くなりました。 オーストラリア固有の鳥類、哺乳類、爬虫類の10億匹以上が影響を受けたり、命を落としたと推定されています。
コンゴ民主共和国・ラックパク村。 コンゴ盆地のこのエリアは、世界最大の熱帯泥炭地であり、世界で最も炭素を多く含む地域です。 全世界の化石燃料が排出する二酸化炭素の3年分に相当すると推定されています。
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