大学内で環境アクションをしている学生個人・グループにオンラインでインタビューする本企画。第3弾は、獨協大学の『Earth Week Dokkyo実行委員会』。彼らは、「日常と環境問題を繋げるきっかけ」を作れるように、年に2回夏と冬にEarth Week Dokyyoを開催しています。メンバーの岡本凱貴さん、桑原佳那さんにお話を伺いました。

画像提供:岡本凱貴さん

岡本凱貴さん:獨協大学/法学部/法律学科/3年生
食と農業に興味があり。

画像提供:桑原佳那さん

桑原佳那さん:獨協大学/国際教養学部/言語文化学科/2年生
国際問題に強い関心があり、植物や美術がもたらす影響にも興味あり。

日常と環境問題を繋げるきっかけを作れるように。

Earth Week Dokkyo実行委員会はどんなことをしていますか?
岡本さん、桑原さん:2016年の冬から始まり、年に2回夏と冬にEarth Week Dokkyoという一週間を設定し、学内の部活、サークル、ゼミをはじめとし、外部のNPO団体の方などにキャンパス内でイベントを開催していただいています。

Earth Week Dokkyoで印象に残っていることは?
岡本さん:ダイビング部が「チェイシング・コーラル」(外部サイト)を上映したイベントが印象的でした。ダイビングしていてサンゴの白化現象を問題と感じ、より多くの人に知ってもらいたいという、イベントの企画理由が自然な流れで素晴らしいと思いました。あとは、国立極地研究所の副館長さんのイベントもとても面白かったです。実体験を踏まえた説明で、南極で起きている地球環境変動を知ることができました。

桑原さん:昨年の冬のEarth Week Dokkyoの写真展「ゴミと地球のかけら」が印象的でした。ごみ拾いをしていて気づいたことや、彼女たちの想いを交えた詩が展示されていて、私の関心のある、アートや美術がもたらす影響に繋がる部分があるので、個人的にとても好きでした。
こんな風に「日常と環境問題を繋げるきっかけ」をつくれたらいいなと思いました。

– 団体として、これからの課題や目標はありますか?
大学とのやり取りが多く、自分たちの選択に自由が効かないことがあるため、どうしてもイベントの内容に制限がかかってしまうことが課題です。目標としては、今よりもっとたくさんの大学生や先生方、また、地域の方々に興味を持ってもらいたいですし、それだけではなく、その興味や関心が継続するような、自分事にしてもらえるようなイベントを開催できたらと思っています。そうする事で、より多くの方に行動に移してもらえると思うからです。本当はもっと情報を提供できるようにしたいのですが、制限内で具現化していくことはなかなか難しいこともあります。

それから、事務作業などの時間をどのように減らして、いかに他の活動に時間を増やすかということも課題ですね。メンバー一人ひとりがEarth Week Dokkyo実行委員会に環境問題や社会問題について何かしたいという想いで参加しているので、学びの時間を増やしたいと思っています。週に一回、普段は学校の図書館の部屋を借りて、勉強会を開催していて、メンバーの興味がある分野や、イベント参加の感想の共有などを行なっているのですが、こういう学びを活かしたプロジェクトを増やしていきたいとも思ってます。運営に時間が取られてしまうので、実行委員同士、幹部の結束を強めていくことも大切になってくると思います。

衝動買いはしない!自分たちもできることから。

– Earth Week Dokkyo実行委員会に入ったきっかけを教えてください。
岡本さん:入学したばかりの頃、校門の前で親の迎えを待っていたら、社会問題解決に取り組む団体を集めた説明会のチラシとCD(動画資料だったはず)を貰いました。正直に言うと、参加した説明会では真面目でつまらない団体だと思いました(笑)でも、家に帰って説明会を思い出していたらだんだんと興味が湧いてきて、当時の代表へメールをして、参加することになりました。もともと食と農業に関心があったこともあり、説明の中で登場したファーマーズマーケットに特に惹かれました。

桑原さん:環境に興味を持ち始めたのは小学校の時で、授業で習ってから放っておけない問題と思っていました。その後大学で、先生と一緒に行ったタイでの「みどりの国際ボランティア」で植林を行った時、植林をするための場所で本来はごみがないはずなのに、不法投棄のごみやプラスチックが至るところにあって、本当にショックでした。Earth Week Dokkyoに参加しようと思ったきっかけは、ひとつは先輩から聞いたチャイナショックに衝撃を受けたことでした。日本はいい国だと思っていたのに(今悪い国と思っているわけでではないですけど)、ごみ処理技術の発展していない国に自国のごみを押し付けていたなんてと本当に衝撃的でした。
何か自分ができることをしていかなくては、自分も学びながら伝えたいと思いました。

– 生活の中で実践していること、社会に対して思うことは?
岡本さん:マイボトルを持ち歩くなど、できることはもちろんしています。あとは、100円ショップには行かなくなりましたね。安いものは大抵プラスチックが使われているのがどうしても気になってしまうので。それから、衝動買いもしなくなりました。社会に対しては、今回のコロナウイルスで、多少不自由でも暮らしていけると僕自身はわかったので、24時間営業にしなくてもいいのではないかと思っています。そうすることで、使い捨てプラスチックも減ると思うんですよね。

桑原さん:マイボトル、マイバック、マイ箸を持ち歩き、断ることのできるプラスチックは全て断っていますたまに店員さんから感謝されることもあります。あとは、私も衝動買いはしないです。必要かどうか、しっかりと考えてから買うようにしています。
海外留学から帰ってきた友人や先輩の話を聞くと、スーパーで気軽に誰でも使えるような量り売りシステムが日本でも普及してくれたら、ごみを減らせるのにと思いますね。

求めているのは「何のために働くのか」

– 将来興味のあることはなんですか?
岡本さん:僕は、自社の利益だけを求めるような企業にはあまり魅力を感じないです。僕が求めているのは、自分が存在している意味を見出せるような、自分がいることで何かを変えられる仕事をしたいと思っています。

桑原さん:国際協力にすごく興味があります。ODA(政府開発援助)のイベントで外務省の方の話を聞いて、「自分の考えたやり方を提案して国をつなぐができる」ということに魅力を感じていて、本気で今は外務省で仕事をしてみたいと思っています。
何のために働くのかを重視していて、自分を表現できる仕事がいいです。

2019冬集合写真
12月9日から14日まで開催された〝Earth Week Dokkyo 2019~Winter~ 〟には、合計20のゼミ・学生団体・個人が参加し、展示やイベント・授業公開・ワークショップなどが行われました。

最後に

「自分ごとにしてもらうには」、「どうしたら、どう伝えたら行動に移してもらえるのか」。お二人から何度もこの言葉があったのが、とても印象的でした。インタビューの最後で伺った将来についての「何のために働くのか」に繋がっているのだと思います。自分ができることに使命感を持って取り組んでいるお二人のお話を聞いて、私たち自身も感化されました。お話を伺う機会をいただけて、本当に嬉しかったです。これからも、このような繋がりを大切にしていきたいです。

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