私たちはプラスチックを減らしてる。じゃあ企業は?

世界で生産されるプラスチックの40%は、パッケージです。*1

スーパーやコンビニに行けば、私たちの暮らしがプラスチックパッケージであふれていることはすぐに実感できますよね。お菓子や飲みもの、化粧品、洗剤などを買おうとすれば、だいたいのものはプラスチックに包まれています。

プラスチックによる環境の汚染が話題になって、ストローを断ったり、コーヒーショップにマイボトルを持参する努力を惜しまない人が増えていますが、こうしたプラスチックのパッケージを日常生活で減らすのはなかなか難しいものです。

最近行われた世界的なビーチ清掃活動で一番多く見つかったプラごみは、ペットボトルやお菓子などの身近な日用品のパッケージでした。世界42の国と地域で、9,000人のボランティアが18万7,000のプラスチックごみをビーチで集めて分析した結果、一番多くプラスチックごみが見つかったメーカーのトップ(ワースト)10には、こうした日用品を生産している会社が並びました。このような商品はだいたい薄利多売で、個包装の多い使い捨てのパッケージに入っています(=ごみがすごい出る)。

私たちはプラスチックを減らしてる。じゃあ企業は?

気になるのは、プラスチック汚染が問題になる昨今、企業も使い捨てプラスチックを減らす努力をしているのか?ということです。

そこで、グリーンピース・インターナショナルが、飲み物やお菓子、化粧品、洗剤といった日常的に消費する商品(業界用語では日用消費財=FMCG:Fast Moving Consumer Goodsと言います)を作る、11の世界的メーカーに、アンケートを行いました。

調査した11のメーカー:コカ・コーラ、コルゲート・パルモリーブ、ダノン、ジョンソン・アンド・ジョンソン、クラフト・ハインツ、マース、モンデリーズ、ネスレ、ペプシコ、プロクター・アンド・ギャンブル、ユニリーバ

アンケートの焦点は、この4つです。

  • 使い捨てプラスチックを減らす企業としての約束はあるか?
  • 実際、使い捨てプラスチックを減らしているか?
  • 使い捨てプラスチックに頼らない販売方法のイノベーションを進めているか?
  • 自社のプラスチック・フットプリント(どれくらい使い捨てプラスチックを使っているか)を把握しているか?

使い捨てプラスチックをやめるをコミットメントをした企業はなし

11の企業の中で、使い捨てプラスチックを段階的に削減するコミットメントや、使い捨てプラスチックの数を減らす明確な目標を提示した企業はありませんでした。

すべての企業が、使い捨てパッケージを使うことを前提としていて、プラスチック汚染への対策として企業が掲げているのは「リサイクルの推進」と「リサイクルできる素材の利用」。ごみが出続けることを前提としているので、プラスチック汚染を根本から解決するには不十分です。

私たちはプラスチックを減らしてる。じゃあ企業は?

使い捨てプラスチックのパッケージは増えている!

そして、多くのメーカーで、使い捨てプラスチックの量が増加しています。1つを除いたすべての企業が、使い捨てプラスチックの量が増加している、または変わっていないと答えました。

私たちはプラスチックを減らしてる。じゃあ企業は?

プラスチック・フットプリントを把握していない

どの企業も、自社のプラスチック・フットプリントの詳細を公表しませんでした。

多くの企業が、将来的に公表する計画があると回答しました。しかし、調査した企業の中で、自社の製品によるごみが、プラスチックごみの輸出入を通して自然界に流れ出す可能性があるかどうかを、把握している企業はありませんでした。

私たちはプラスチックを減らしてる。じゃあ企業は?

使い捨てのプラスチックパッケージは、確かにとっても便利です。その便利さを感じていない人はいないでしょう。でも、その便利さには代償があることが明らかになってきています。

このような使い捨てパッケージに入った商品は、大量生産・大量消費を後押しして、プラスチック汚染による危機に拍車をかけています。そのプラスチック汚染の広がりは、私たちが日常に食する塩にまで届いているのです。そして、大量消費のライフスタイルによって、私たち市民には、海をプラスチックで汚している罪悪感が重くのしかかっています。

私たちはみんな、プラスチック汚染は今一番深刻な問題の一つだということに気づいています。企業も一緒になって、プラスチックを減らすためにイノベーションを起こす時が来ています。使い捨てプラスチックではなく、リユース・リフィル(再利用・詰め替え)を中心とした素材での販売を求めて、一緒に声をあげてください!

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