2018年、国際捕鯨委員会(IWC)総会まとめ

海洋生態系担当 Willie Mackenzie 国際環境NGOグリーンピース・インターナショナル

ブラジルで開かれていた国際捕鯨委員会(IWC)総会が、クジラ保護推進のための内容を含む「フロリアノポリス宣言」を採択して閉幕しました。

IWC はいままでにも加盟国間の分断や離脱を繰り返してきましたが、今回の会議も変わらず、同じようなことが繰り広げられていました。今年もグリーンピースはIWC総会にオブザーバーとして参加してきましたので、ここに報告します。

合意されたフロリアノポリス宣言

フロリアノポリス宣言は、世界の生態系におけるクジラの重要性と、保全機関としてのIWCの役割を示しています。グリーンピースは、長年にわたってこの問題をIWC総会の焦点にしようと働きかけてきました。今年の宣言は、気候変動、プラスチック汚染、地震活動、そして産業漁業のようなクジラに対する脅威が年々増加している中で、必要な前進であり、歓迎すべきです。

2018年、国際捕鯨委員会(IWC)総会まとめ

商業捕鯨の再開と手続きの要件緩和は拒否

日本政府と捕鯨推進国はは、持続可能な捕鯨委員会を新設してクジラ保護と商業捕鯨を両立させる「The Way Forward」提案しました。しかし、激しい議論の末、反対多数で否決されました。30年以上にわたって禁止されている商業捕鯨は、すぐにコントロールできる脅威の1つです。今回の総会で、これが歴史に明確にされたことは素晴らしいことです。

2018年、国際捕鯨委員会(IWC)総会まとめ

南大西洋クジラ保護区はなし

主催国であるブラジルは、南大西洋にクジラ禁猟区を設置する案を出しましたが、可決まではいきませんでした。過半数の支持を得られていましたが、必要な超大半を持っていませんでした。

2018年、国際捕鯨委員会(IWC)総会まとめ

よいしらせは、世界に残されたクジラたちが必要とする、保全重視の組織としてのIWCの役割が再確認されたことです。 しかし、この組織のおかげで多くの保全措置は、依然として課題が残されています。 その為、私たちが、海洋とそれに依存する、素晴らしくも脆弱な生命が、進むべき正しい方向に導くため、モラトリアムを継続することは非常に重要です。

あなたも、クジラのような海洋生物が生き延び、来たる次の世代にも生き残れるために、大規模かつ完全に保護された海洋保護区を設定する世界的な取り組みの力になることができます。 南極大陸や北極海、国家の水域、世界の公海であろうと、これまで以上にあなたの力が必要です。