みなさんこんにちは。食と農業担当の関根です。
実った稲穂を風が渡っていく季節になりました。新米が間近なことを感じる一方、長雨や台風も気になります。

カエルやヤゴなどをつかまえて記録しながら、お米の育つ田んぼに親しめる田んぼの生き物調査は、全国各地で実施されていて、子どもたちも裸足で楽しそう。実は、グリーンピースもこの夏、田んぼの生き物調査をしています。

 ミツバチの大量死は、ネオニコチノイド系などの農薬を田んぼに散布しているのが原因である可能性が高い、と農林水産省が発表してから1年。

農薬散布はやめたいと思う農家さんもいる一方、無人ヘリに加えてドローンも導入されて、田んぼに殺虫剤をまく空中散布がいまも盛んにおこなわれています。

(写真はイメージ)

では、その田んぼにはどんな虫がいるのでしょうか。そしてどんな役割をしているのでしょう。たとえば、お米の汁を吸うカメムシや病気をもたらすウンカは、米作りでは害虫、それを食べるクモなどは益虫…。
グリーンピースは、石川県の河北潟の田んぼで、地元で生き物調査を続ける河北潟湖沼研究所のサポートをいただきながら、7~8月にかけて、調査をしてきました。調査には、グリーンピースのボランティアさんも協力してくださいました。

[河北潟の環境と田んぼの生態系についてレクチャーする河北潟湖沼研究所の高橋さん。左から二番目」

調査の方法は、稲の穂につく虫を調べるために、粘着シートを使って穂から虫を叩き落してとらえる、というもの。慣行栽培の田んぼや今年から無農薬にした田んぼを調べています。

バッタのような大きいものから、1ミリに満たないちいさな虫まで捕まえて、後で顕微鏡で数えていきます。

[黄色いのが虫を捕えるシートです]

ボランティア参加者の中には自然農法の農家の方々もいて、田んぼの生き物同士の関係や構成にも知識や興味が旺盛。健康な生き物が暮らせる田んぼで、健康な作物を育てたい。生態系を生かして、安全でおいしいものをつくるために、田んぼの生き物たちのことはなんでも知りたい!その楽しさが、参加者皆さんの熱い議論からひしひしと感じられました。

厳密に調整された実験用の水田などで正確なデータをとる調査と違って、一般の田んぼからデータをとるのはなかなか大変。でも、「消費者や子ども、普通の市民が大勢で調べられると、データ数が増え、『確からしさ』を高めることができます」と河北潟湖沼研究所理事長の高橋さんは言います。
今週末も、私たちは調査のため河北潟に行ってきます。秋には報告をまとめられそうですので、どうぞお楽しみに。


 

【お知らせ】河北潟のネオニコフリーのお米が間もなく収穫です!

今回調査をサポートしてくれた河北潟湖沼研究所では、生物多様性を守り、生態系のちからを活かす農法で育ったお米であることを認証するために、田んぼ一枚一枚の生物を調べています。↓これが認証マーク。

その認証を受けた「生きもの元気米」は、ネオニコチノイド系等の農薬の空中散布をしない、畦に除草剤をまかない、など生物多様性を重視した基準をまもって栽培されています。

あなたも生物多様性が育くんだお米を選んでみませんか?

河北潟湖沼研究所で予約受付中です(8/31まで早期予約の特典があります)。

 

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